Breaking Atoms Main Source
Breaking Atoms
■本物のDJ
 大石さんという大学の先輩に誘われ、ヒップホップバンドにDJとして入った俺。まず最初に買ったのがターンテーブルとディスコミキサー。だけどターンテーブルは1台のみ(泣)。まぁ、取りあえずは大石さんと俺とで1台ずつ買っとこか、というノリで。スタジオで練習するときはお互い持ち寄って、家でやるときはお互いに貸し借りしながら、その場をしのいでました。
 その後、メンバーの移り変わりを経て、最終的に大石さんと俺だけになってしまったんです。平行してクラブバージョンとしてユニット的にやってた時期もあるんですけどね。
 で、俺、ライブではMCをやることに!!!!!
付け焼き刃的DJなもんで、スキルがすごいってことは全くないし(ep015 Fatboy Slim参照)、そないに曲(ネタ)をたくさん知ってるわけでもなく、それに2MCの方が何かとやりやすいかな…っていうのがあったかもしれませんね。それでか、以前からか、よく覚えてませんが、ギターの工藤さんにDJをやってもらってましたね。でも工藤さんは別ユニットをメインでやってたし、何かちょっと方向性も違ってたように思います。
 そんなとき出会ったのが「DJ KAZ!」(KAZU!だったかな?)でした。彼はリアルDJ。俺らのようにサラリーマンをしながら、バンドやユニットをやってるというのではなく、DJを職業としている本物でした。どういう出会いだったかは忘れてしまいましたが、俺らのライブや大石さんのリリックを聴いて、すごく褒めてくれたのは覚えています。
 DJとして何回かライブにも参加してくれ、そのテクニカルなスクラッチを思う存分披露してくれました。
 ラージ・プロフェッサー率いる「Main Source」の曲も当時バックトラックとして使ってましたね。映画のサントラでリリースされた"Fakin' the Funk"なんかね。

 彼らの良さは、まず何といってもトラックの気持ちよさですね。聞くところによると、ラージ・プロフェッサーは楽器の生音
は入れないというこだわりがあるらしいですね。サンプリングと生楽器の演奏をかぶせたスタイルも主流になりつつありますが、彼はあくまでレコードのサンプリングのみ!だそうです。
 サンプリング素材をパッチワークのように切り貼りして音作りをする。2台のターンテーブルとディスコミキサー、それに同じレコード2枚。余計なテク要らず、センスとこの最小ユニットさえあれば、ヒップホップのビートができるということでしょうね。まさしくそれはDJの基本スタイルなんですね。
 このアルバムは彼のスタイルが実を結んだ伝説のアルバム、もはやヒップホップクラシックと呼ぶべき傑作です。91年の作品ですが、古くささは微塵もなく、俺が1枚通して気持ちよく聴けるヒップホップのアルバム第1位!です。それぐらいトラックが耳になじんで、気持ちいいということです。

 当時、西成にある3畳のアパートで暮らしてたDJ KAZ!。彼の音楽に対するスタイルは、俺に引け目を感じさせるくらいまっすぐだったけれど、今もその視線の先は変わらないのだろうか?

 *すんません大石さん。アルバム借りパクしてるの俺です。
   (1号

リリース 1991 Jazzmatazz, Vol. 1
おすすめ曲 Looking at the Front Door
これも聴くべき!!
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Super Bad
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