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歴史年代ゴロ合わせ暗記>アメリカ経済の歴史

アメリカ経済の歴史


 アメリカというと強い国、世界をリードする国っていうイメージが強いですよね。

 どれくらいスゴイ国なのか?これはGDPを見ただけでもある程度わかります。

 アメリカのGDPはおよそ2000兆円!もちろん世界1位です。2位の中国が1200兆円ほど。3位は日本ですが550兆円。まぁ、圧倒的ですね。2017年のIMFの予想では、アメリカは世界のGDP比率の24.4%を占めるといわれています。

 やはり世界の経済の中心はアメリカといっていいわけです。

 ですから、このアメリカが大ダメージを受けるようなことがあると世界の経済は混乱をしてしまうというわけですね。

 第二次世界大戦前のアメリカから始まった世界大恐慌。ITバブル崩壊。サブプライムローン、リーマンショック・・・。この辺はみんなアメリカから始まっていますね。

 では、なぜアメリカはこれほど裕福な国になることができたのか?

 大きな要因は第二次世界大戦です。

 アメリカ経済は戦後急激に伸びていっています。第二次世界大戦が始まるまでは、世界の中心になるお金はイギリスのポンドでした。しかし、今では円高ドル安などといってドルが世界の中心のお金になっています。基軸通貨なんて言い方をしますね。

 なぜ、戦後のアメリカ経済は伸びていったのでしょうか?

 最大の要因は、アメリカは第二次世界大戦にて戦場にならずにすんだのでダメージを受けなかったからです。対するヨーロッパはもろに戦場となってしまった為、世界一の大国であったイギリスもドイツやイタリアとの戦いで疲弊してしまったんですね。ロンドンなんかもドイツからの空襲で廃墟になってしまったほどですからね。

 ヨーロッパが必死に戦っている中、アメリカはそれを後押しするため、軍事物資を大量に生産します。本国は被害を受けず、ヨーロッパから大量に注文が入ってくるわけです。これでアメリカの産業は急速に力をつけていくことになるんですね。

 そして、その後は冷戦の時代に突入します。

 そのため、第二次世界大戦が終わってからもアメリカは軍事産業を残すことになります。結果として、アメリカの経済や社会には軍事産業が根付いてしまうことになるんです。

 政治家の人たちも軍事縮小などといった声が上がると全力で反対する人たちが増えていきます。

 アメリカにはいろんな地域に軍事産業の工場やら軍の基地やら施設らがあります。軍事縮小となるとそれらの地域や施設で働く人たちにとったら大問題なわけです。仕事がなくなるし、給料が減るかもしれません。その施設の近くのお店なんかも工場閉鎖や軍の基地の縮小などで人がいなくなれば死活問題・・・。なので地元選出の議員なんかは、軍事縮小なんてとんでもない!と大反対するんですね。選挙で負けちゃいますからね。

 クリントン政権時代は、アメリカは景気がメチャメチャ良かった時代です。重化学工業からITなどにシフトしていこうよっ!っていう動きが見えた時代。軍事のリストラやら軍事縮小を行い環境保護に力を入れていきます。

 しかし、これは軍事産業やエネルギー産業にとっては困った問題となるわけです。やがて、クリントン政権の終わりごろになると景気に陰りが見え始めます。



 そうなった時、軍事産業やエネルギー産業が強力に押したのがブッシュ大統領でした。ブッシュの対抗馬として民主党から出馬したゴアは、やはり環境保護に力をいれていたのでエネルギー産業なんかは必死にブッシュを押したといわれています。

 なので1997年に京都で開かれた地球温暖化防止会議での京都議定書にクリントン政権では了承したものの、ブッシュ政権になっていきなり削減目標を認めないなどといいだしましたね。二酸化炭素削減などということも認めればエネルギー産業からメチャクチャ文句言われますからね。

 ですが、大統領がブッシュになると景気悪化はひどくなっていきます。ブッシュ政権には経済の専門家がいませんでしたから無理もありません。



 そこにアメリカでは歴史に残る大事件が起こります。そう、9.11テロです。これで、ブッシュ大統領は軍事予算を大幅に増やしアメリカの経済は急激に回復していくことになるのでした。

 しかし、軍事にお金を回せば景気が潤う?どっから、お金出んの?って話ですよね。お金は大量の国債を発行すれば、財政は赤字でも何とかなるでしょうけど、問題は国債を誰が買ってくれるのか?

 実は、買ってくれる強力な味方がアメリカにはいるのです。・・・そう、日本ですね。日本がアメリカの戦争経済を支えていたともいえるわけです。

 国の財政が赤字でも国債を発行すれば日本なんかが買ってくれるので資金に心配はないわけです。

 しかし、景気が急激に回復しすぎると今度はバブルになってしまう・・・。そこで、アメリカは金利を引き上げます。こうすると、企業なんかは銀行からお金を借りづらくなってくる。金利が高いと返すのが大変ですからね。これで、企業などは投資をして新しい機械を買うとか工場をつくるとかが難しくなりバブルになるのが防げます。

 また、金利が上がるということは利子が増えるということでもあります。なので、海外の投資家なんかは、自国の銀行に預けとくよりは、アメリカの国債を買ったり、アメリカに投資した方が儲かるということでアメリカにお金が集まるようになるんですね。

 アメリカは、集まったお金を世界に投資するというサイクル!

 しかし、ブッシュ政権では軍事費がかさみ国の支出は増え、さらに大幅減税などを行った為、アメリカの財政は大赤字になりました。クリントン時代にため込んだ財政黒字もスッカラカンです。

 その後はオバマ大統領の時代にリーマンショック。そして、トランプ大統領では、当初、トランプショックが起こり、経済は悪化するという懸念の声もありましたが、結果は株価はうなぎ上り、しかし、この状態がいつまで続くのかは今のところ不透明となっております。