多様な生物

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写真撮影と掲載は群馬県立自然史博物館のお許しを得ました。

1982年にデール・ラッセルが発表したダイノサウロイド。スミソニアン自然史博物館にもある、 もし恐竜が絶滅せずもっと進化していたら、という姿です。 こちら で詳細が見られます。生殖器は露出していませんが、胎生に進化したので臍があります。

雪の結晶が水の分子の特性による必然であるように、生命の発生が分子の特性による必然なら、同じ元素を用いる限り他の星でも同じような現象が起こるでしょう。

生命誕生の条件としては地球と類似していることが必要かもしれませんが、自転公転周期、重力、地軸の傾斜、衛星の有無など、細かい点まで全く同一ということはないでしょう。

環境が僅か違っても生物は速やかに違ったものに進化してゆくことは、ダーウィンその他の研究で明らかです。他の星で仮に同じように生命が誕生しても、環境が異なれば人間と同じものは出来ないかもしれません。

もし恐竜が絶滅せず、哺乳類の時代がこなかったら、恐竜の中から人間のような高度に知能を持った生物が進化してきたでしょうか。恐竜、哺乳類共、多様化するまでは大体1億年です。それなのになぜ恐竜には、人間を生んだ「進化論」がもっと早く働かなかったのでしょう。何故恐竜は月ロケットを作らなかった? 時間は十分あったのに?

これは他の星にも知的生命体が発生するか、というフェルミのパラドックスの基本になっています。生命の誕生と人間への進化は、ウェッブの言うように地球だけに存在した、非常に稀な環境条件の組み合わせの結果なのでしょうか。

その前に、地球外の環境が同じDNAシステムを使って生命体を創ったとしても、そのDNAの組成は地球のものとは全く異なるものになるだろう、という説もあります。しかし他の星でも水はやはり6角を基本とした雪印を作るでしょうから、異なるDNAシステムは出来ないのかもしれません。これはDNAが出来上がってゆく仕組みが解明されれば判ることでしょう。

僕は生命の誕生には何らかの必然性があるとする考えが好きです。しかし、全ては全能の神の手によって創生された、とする「インテリジェントデザイン」の考え方には共感できません。生命誕生の仕組みは、グールドの「盲目の時計職人」と、カウフマンの「自己組織化と進化の論理」が参考になるでしょう。生命と誕生の仕組みが見えてきたような気がするのですが、もう一度勉強しなきゃ・・・

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