高齢者の年金と働き方

長寿に備え、老後のお金をどう増やす?

2022年から年金の大改正が以下のように始まります

@ 繰り下げが75歳まで可能に!!
A パートの主婦(主夫)でも厚生年金が増やせます!!
B 60歳代後半は、働けば年金額が「毎年」増えます!!
C 60歳代前半の年金は働いていてもカットされない??

少し詳しく見ていきましょう。

@ 繰り下げが75歳まで可能に!!

公的年金の受給開始年齢は原則65歳ですが、希望すれば60歳から70歳の間で受給開始時期を自由に決めることが出来ます。令和4年4月1日からは、受給開始時期の繰り下げ上限が70歳から75歳まで引き上げられることになりました。
75歳まで受給を遅らせると年金額は65歳でもらう時よりも1.84倍に増えます。

A パートの主婦(主夫)でも厚生年金が増やせます!!
B 60歳代後半は、働けば年金額が「毎年」増えます!!

令和4年10月1日より従業員101人以上の企業で短時間労働者(パート・アルバイト)の厚生年金加入が可能となります。加入要件は
@ 週所定労働時間が20時間以上
A 月額賃金が88,000円以上、
B 2か月を超える雇用の見込みがある
C 学生ではないという要件をすべて満たす方となります。

なお、65歳以降も厚生年金に入って働き続けた場合、現在は厚生年金の上限である70歳に達したときか退職したときにしか65歳以降に加入した期間の年金の増額はありませんでした。

令和4年10月以降は、在職中も年に1回(10月)に年金額が見直され、毎年それまでに払った分の金額が上乗せされます。
仮に月20万円のお給料で1年間働くとすると増加額は年額13,000円程度になります。なお厚生年金に加入された方は健康保険にも加入することになります。健康保険料は、会社と折半します。
配偶者の扶養の範囲内の収入で働いていた方にとって、年収130万円という基準に縛られることはなくなります。

C 60歳代前半の年金は働いていてもカットされない??

令和6年4月1日より、老齢年金をもらっている方が厚生年金に加入している場合、年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計額が50万円を超えなければ、年金は支給停止されることなく全額支給されます。

*基本月額とは
加給年金額を除いた老齢厚生(退職共済)年金(報酬比例部分)の月額。

*総報酬月額相当額とは
(その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額の合計)÷12

※ 上記の「標準報酬月額」、「標準賞与額」は、70歳以上の方の場合には、それぞれ「標準報酬月額に相当する額」、「標準賞与額に相当する額」となります。


(例1)年金の基本月額が10万円で総報酬月額相当額が26万円の場合

(例2)年金の基本月額が20万円で総報酬月額相当額が32万円の場合