最新の厚生、労働関係の制度改正について3点ご案内いたします。気になる点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
令和4年4月1日より職場のパワーハラスメント防止措置が中小企業にも義務付けられました。事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発をはじめ以下の10項目について取り組む必要があります。事業主が厚生労働省の指導や勧告に従わなかった場合、企業名を公表されることがあります。
事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発 @ 職場におけるパワハラの内容・パワハラを行ってはならない旨の方針を明確化し労働者に周知・啓発すること A 行為者について、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、労働者に周知・啓発すること |
相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備 B 相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること C 相談窓口担当者が、相談内容や状況に応じ、適切に対応できるようにすること |
職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応 D 事実関係を迅速かつ正確に確認すること E 速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと F 事実関係の確認後、行為者に対する措置を適正に行うこと G 再発防止に向けた措置を講ずること |
そのほか併せて講ずべき措置 H 相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、その旨を労働者に周知すること I 相談したこと等を理由として、解雇その他不利益取り扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること |
治療と仕事の両立が可能となるよう健康保険法が改正されました。これにより、同一のケガや病気に関する傷病手当金の支給期間が、支給開始日から通算して1年6か月に達する日まで対象となります。
雇用保険マルチジョブホルダー制度は、複数の事業所で勤務する65歳以上の労働者が、そのうちの2つの事業所での勤務を合計して下記の加入要件を満たす場合に、本人からハローワークに申出を行うことで、申出を行った日から特例的に雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)となれる制度です。失業した場合、一定の要件を満たせば高年齢給付金を受給出来ます。
給付金は、被保険者であった期間に応じて基本手当日額の30日分または50日分の一時金となります。
基本手当日額は、原則として離職の日以前の6カ月間に支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額の5〜8割程度です。2つの事業所のうち、1つの事業所のみを離職した場合でも給付金を受給できます。
ただし、2つの事業所以外でも働いており、離職していないもう1つの事業所と3つ目の事業所を併せて、要件を満たす場合は受給できません。
1.複数の事業所に雇用される65歳以上の労働者であること
2.2つの事業所(1つの事業所における1週間の所定労働時間が5時間以上20時間未満)の
労働時間を合計して1週間の所定労働時間が20時間以上であること
3.2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であること
A会社 | 16時間/週 | A会社とB会社の週 労働時間を足すと24時間となるのでマルチ高年齢者となります。A会社を退職した場合、B会社に在職中であっても高年齢給付金をもらえます。 しかし、A会社在職中にB会社を退職した場合は、高年齢給付金はもらえません。 なぜなら、A会社とC会社の週労働時間が20時間以上あるため、被保険者であるとみなされてしまうためです。 |
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B会社 | 8時間/週 | |
C会社 | 6時間/週 |