今日の練習曲 1


 練習曲について

メダカ : 若芽先生、このコーナーは先生が(気が向いた時に)練習曲を一曲ずつ取り上げて、その曲に対する独断と偏見に満ちた意見を言うという新しいコーナーです。

若 芽 : うん。メダカよ、がんばろう。

メダカ : はい。で、先生、今日は記念すべき第一回目ですが、取り上げる練習曲は何にしましょうか。

若 芽 : そうだなあ、『ツェルニー60番』の1番なんかどうだろうか。

メダカ : はあ? ツェルニーの練習曲はいろいろあるのは知っていますが、60番ですか? 『ツェルニー30番』とか『ツェルニー40番』とか『ツェルニー50番』とかじゃなくて?

若 芽 : ツェルニー60番はツェルニー50番が終わってからもっと練習曲を練習したい人が使う曲集だぞ。

メダカ : (ゲッ)先生、そんな誰も知らないような弾かないような練習曲ではなくて、もっと別のものにしませんか?

若 芽 : じゃあ、ショパンのエチュードなんかどうかな。みんな知ってるだろ?

メダカ : (ゲッ)確かにみんな知ってると思いますけど、ショパンのエチュードはまた別の日にすることで、もっと初心者向けのものから始めたらいいんじゃないかと…。

若 芽 : そうか、じゃあ、バッハのインベンションはいいんじゃないか? 小学生でも上手い子は弾いているし。

メダカ : 先生、バッハは練習曲じゃないでしょう。

若 芽 : バッハは練習曲だと思うがな。右手も左手も均等に弾かなければいけないんだから、ツェルニーなんかよりよっぽど左手の練習になる。(注 バッハにはこういう一面もあるということで、バッハを練習曲だと思っているわけではありません。)

メダカ : なるほど、先生のおっしゃることはよくわかりました。でも先生、今日は一回目なんですよ。もっと普通の練習曲はないんですか?

若 芽 : 普通って? メダカは何がいいと思うの?

メダカ : えっ? 僕にはわかりませんが。

若 芽 : ハノンとかピシュナとか?

メダカ : ゲッ。

若 芽 : メダカ、君はハノンとかピシュナとかが嫌いなのかね。

メダカ : いえ、別に嫌いという訳ではないですけど、あまりに機械的というか、音楽的じゃないというか、面白くないというか、ただの運動って感じがするというか…。

若 芽 : 練習曲には3つのタイプがあるのは知っているかね。一つ目は、今メダカが言った指の運動を機械的に繰り返すタイプで、「テクニック」の中でも特に「メカニック」なんて呼ばれている。ハノンやピシュナはこの仲間だ。二つ目はツェルニーなんかに代表されるけど、音階とかトリルとかアルペジオなどの課題を曲の中に混ぜて弾かせるタイプ。これを一般的には練習曲と呼んでいると思う。で、三つ目は、ショパンやリストやドビュッシーやラフマニノフやスクリャビンなどが書いたもので芸術性が高く演奏会などでも弾かれることもあるタイプだ。

メダカ : はあ、なるほど。

若 芽 : 仕方ないからメダカの言う一般的な練習曲から選ぶか。

メダカ : あ、先生、もう今日は時間がありませんのでここまでです。若芽先生に取り上げてもらいたい練習曲がある方は掲示板またはメールで連絡して下さい。では、さようなら。



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