◆納税者権利憲章とは、課税・調査・納税手続きにおける納税者の権利を制度的に
保障する基本的な法律のことです。現在、日本では制定されていません。
◆税務調査の現場でしばしば見られる、事前通知なしの税務署員の突然の訪問、(任
意調査)や、一方的に所得を算出し納税を強要する「推計課税」など人権無視の強
権的な税務行政を改めさせ、納税者の権利を守る手続き規定の整備が求められます。
◆世界の先進30カ国が加盟しているOECD(経済協力開発機構)は、加盟各国が納税
者の権利規定を整備するように求め、次のような規定が定められています。
*フランス 税務署が申告に疑問を持ち、調査をする必要があると判断した場合、
遅くとも8日前に通知し、内容を明示し、立会人の権利を伝える必要が
ある。
*イギリス 「納税者は公平に扱われ、法に基づく適正な税額のみを支払うことが
要請される。」 納税者が納得できない場合、独立した監督官に不服申
し立てができ、監督官の法解釈に納得できなければ裁判所に訴えるこ
とができる。
*アメリカ 内国歳入庁(国税局)は「納税者は職員から思いやりと配慮のある取
り扱いを受ける権利がある」「職員は、常に納税者に権利を説明し、権
利を保護する」との文書を発行、配布している。
*韓国 「具体的な租税脱漏の疑いなどがない限り誠実な納税者であり、納
税者の提出した税務資料は真実なものと推定される」と定めている。
1996年国税基本法を改正し、納税者の権利の章を新設し、納税者
権利憲章の制定と交付、重複調査の禁止、代理人選任権、納税者の
誠実性の推定、調査の通知、調査結果の報告などを規定している。
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