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所在地:奈良市菅原町
最寄駅:近鉄奈良線「西大寺」下車、南東へ徒歩約1。5KM
OR,「あやめ池」下車、奈良交通バス「JR奈良駅西口」OR「学園前」行、菅原神社前下車 |
当社は平城宮跡の東側、菅原の地に鎮座する延喜式内社で、祭神として天穂日命(あめのほひのみこと)、野見宿弥、菅原道真の3神を祀る。当社の略記によれば、天穂日命は野見宿弥の始祖のとされ、菅原道真は野見宿弥の17世の子孫とのことであり、この菅原の地は土師氏(野見宿弥が垂仁天皇より賜った姓)の本拠地で、「菅原」という地名は平城京が造成される以前より存在し、元明天皇が708年(和銅元年)9月藤原京からこの地に行幸し、平城宮予定地を視察している。
当社は菅家発祥(*1)及び生誕の地であり、菅公ゆかりの神社として、その終焉の地「太宰府天満宮」と京都「北野天満宮」の3宮を最も重要な神社として位置づけているが、その意気込みとは裏腹に、全国にある天満宮と比較してもその規模は決して大きくない。また、その知名度も決して高くないのは、地元民としては誠に残念なことである。
菅原道真の生誕地は当地のほか、京都・菅原院、吉祥院天満宮、菅大臣天満宮などがそれと伝えており、それぞれの真偽の程は分からないが、これほどの著名人の出生地が正確に伝わっていないのは不思議なことである。
これは菅原道真が神格化された後に著され、各地に残る『北野天神縁起絵巻』(*2)による影響が大きいと思われる。これによると道真は、5、6歳のとき、菅原家の庭に化現し、父是善と対面する所から物語が始まっており、出生そのものから神格化されている。神格化が進めば進むほど、これら出生地とされるところも大きな声で、『ここがそうです』と言えない状態が続いていたのではないかと思われる。
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(*1)菅原姓は道真の曾祖父の古人の代に、土師を菅原と改姓した。
(*2)『北野天神縁起絵巻』の最も古いものは北野天満宮のもので、1219年(承久元年)に成立しており、それ以前のものとしては建久5年(1194年)の年記のある文章のみの『五条菅家本天神記』が確認されている。 |
[参考資料] 『菅原天満宮略記』 菅原天満宮パンフレット |
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天満宮正面の鳥居。菅公1100年を記念して玉垣などが新しくなっている。右側の石柱には「菅公御誕生所、菅家発祥之地菅原天満宮」と刻まれている。 |
今年は正月3日に参拝したが、人影もまばらで、菅家発祥之地の神社にしては一寸寂しい気がする
境内には梅木が沢山植えられ
れているが、この梅木は説明
板では「島原藩主邸」にあった
古梅で江戸時代の初期・元和
年間(1615~24年)に藩主
お手植と伝わる」とある。 |
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菅原天満宮を出て東側約100M、住宅地に囲まれた所にある天神掘遺跡。
道真の母が京都からこの菅原の故地に里帰りして、道真を出産した[菅原院]の跡地といわれる。
この池の水は菅原道真の産湯に使われたとの伝承があり、島の中ほどにある石碑は1867年(慶応3年)に建てられ、由緒が書かれているらしいが、現在は保存のため中には立ち入れない。 |
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[2004年1月3日参拝] |
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