今月のビジネストピックス 2024.9. 10
「こころの健康」への取組み強化が課題
今年の「厚生労働白書(2024 版)」が公表された。今回のテーマは、初めて国民の「こころの健 康」を特集した。 複雑な現代社会において、精神疾患の外来患者数、精神障害による労災認定数、そして自殺者数
が大幅に増加している実態を紹介し、「こころの不調を抱える人を含むすべての人が、地域や職場で 生きがい・役割を持ち、安心して暮らすことができる社会の構築が不可欠」とした。
白書によると、うつ病などの精神疾患を抱える外来患者数は 20 年に 580 万人に増加し、精神障 害の労働災害認定件数も 22 年度に 710
件と過去最多となっている。また、昨年の自殺者数も 2 万 1837 人で、深刻な状況が続いている。 厚労省の 2023 年アンケートで、こころの健康にとって最もリスクとなる要因を尋ねたところ、
「精神病を引き起こすような『ストレス』」と答えた人の割合は 15.6%で、2004 年の調査の 5%か ら約 3 倍に増加した。 心の不調を周囲に相談するかどうか尋ねたところ、身体の病気と比べて家族に相談などをためら
う傾向があるという結果も掲載している。 身体の病気を「自覚したら家族に相談すると思う」に「当てはまる」と答えた割合が 41%だった のに対し、心の不調について家族に相談する割合は
30%と低かった。 心の不調を身近に感じると答えた人の割合は、世代別で 70~80 代が 8.8%だったのに対し、20 代は 31.1%、30
代は 28.1%で、若い世代のほうが高い傾向であることも分かった。 白書では、心の不調はライフステージを通じて誰にでも起こり得るとし、急速なデジタル化の進
展や、つながりの希薄化による孤独・孤立、インターネット上の誹謗中傷など現代の特徴的なスト レス要因も挙げた。 今後の方向性として、「こころの不調を抱える人を含むすべての人が、地域や職場で生きがい・役
割を持ち、安心して暮らすことができる社会の構築が不可欠」とした。
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