土 壌 分 析 の 記 録_002

  
( Sink.農園 ) INDEX
                                                                    更新日:2017年10月11日(部)


圃場 NO.1
  ’10年度
    作物:カーネーション
                                                       分析者:中隈水質土壌分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(pH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’10.12.18 4.6 4.1 32.5 230.0 144.4 710.6 79.5 0.7 CL:18.1
 20 g               2.7 微量要素
修正値   4.1 32.5 230.0 144.4 710.6 79.5 3.4 18.1
腐植・・・4.3
腐植・・・中
“どうにもならない”と言う事で、当方に土壌分析を依頼された。“どうにもならない”と言う通り全てにおいて大過剰。 然も、使用している水のpHは井戸(8.1)、近くにある池(7.3)、川(7.6)である。 この川の水が数日前から急激に9.0近くまで上昇してきたというので、原因調査のため上流まで川沿いに逆のぼって行った処、原因が判明した。 上流にある畜舎が殺菌の為、建屋の周りに消石灰を散布した事実を発見できたと言う。

家畜を防疫するのは良いが、下流では野菜を作って生計を立てているという事実を行政には注意を払って欲しいですね! でも、このpHについて行政も分かっていないのと同様各々の農家もpHが9.0などと言う数値が流れて来たらどうなるか、 と言う知識は持つ必要があると私は思いますね!せめて、月に一度くらいはチェックを・・・。

更に、九州地区で出会った事例にはクリークをコンクリート護岸した為、 雨が少ない時期にはそこに貯まっている用水がpH11を示すことがあった。注意をする必要がある。これでは何の為の農業用水か分からない。 一般的には新設されたU字溝や河川のコンクリート改修でも同じ事実があったので注意を要する。(念のため・・・)(他県での同じような例

『比較:分析表と栽培物の写真』
土壌採取は12月6日、下の写真は20日後と言うことになります。土壌が悪ければ作も良くありません。
養分が過剰ですから浸透圧が高くなり、葉先端部に水分や栄養分が完全に行き渡らない。その為、葉先枯れとなります。

写真 @  撮影:’10年12月26日
カーネーション
全景では・・・
写真 A  撮影:’10年12月26日
カーネーション
近写では・・・

写真 B  撮影:’10年12月26日
カーネーション
         ホウ素欠乏の上、葉先枯れです。
写真 C  撮影:’10年12月26日
カーネーション
        花がくの部分も先端枯れしています。

  ’11年度
    作物:カーネーション
                                                       分析者:中隈水質土壌分析室
’11. 6. 5 4.4 3.2 31.2 225.0 69.2 705.0 39.7 痕跡 CL:16.2
 20 g               2.7 微量要素
修正値   3.2 31.2 225.0 69.2 705.0 39.7 2.7 16.2
腐植量・・・中。
前回(半年前)と今回の2回の分析データしかないが、あくまでも予測の範囲と前置きして考察すると、加里・苦土が大幅に減じ、窒素と石灰は減じていない。 それはこの半年やってきたこと、つまり、硝酸カルシウムのバックアップを強化してきた為に土中の石灰を吸収せず、 バックアップ液の方ばかりを吸収し成長していたのではないかと考えられる。もし、そうなら戦略を再検討すべし。Caが400〜450Kgまでになれば最上となる。
’11. 8.21 5.0 3.1 18.7 260.0 78.2 456.0 46.4 痕跡 CL:10.6
 20 g               2.7 微量要素
修正値   3.1 18.7 260.0 78.2 456.0 46.4 2.7 10.6
腐植量・・・中
’11.10. 1 4.9 5.7 21.2 205.0 48.1 425.2 39.7 0.1 CL:8.7
 20 g               2.7 微量要素
修正値   5.7 21.2 205.0 48.1 425.2 39.7 2.8 10.6
腐植量・・・中

  ’12年度
    作物:カーネーション
                                                         分析者:住化分析センター                                                    
’12. 6.15 4.5 4.0 21.0 140.0 18.0 310.0 58.0 −−− 追 肥
 60 Kg
 75 Kg
 20 g
        32.5
 39.8
 

2.7
硫酸加里
炭酸石灰
微量要素
修正値   4.0 21.0 140.0 50.5 349.8 58.0    
<所見>今回から分析者が代わります。かなり改善された土壌になりました。

『比較:分析表と栽培物の写真』
土壌採取は6月5日、初回(10年12月)の分析から徹底した減量作戦により驚異的な良質の土壌になりました。5月の最終作柄も良い色をした軸のものとなっています。

写真 @  撮影:’12年 5月22日
カーネーション
       終盤の樹勢。10年12月と比べると、
       大変良くなっています。
  写真 A                撮影:’12年 6月27日
カーネーション
購入苗。良くない苗ですね〜(B・Mo・Ca欠)、 悪くても間に合わないから仕方なく定植しました。こんな苗、暫くは後遺症が有ります。定植2週間後、少しおかしいでしょう?(購入時の状態は写真B)

写真 B  撮影:’12年 6月16日
カーネーション
       入荷した苗。葉先枯れあり、徒長苗ありです。
       困ったものです。これでは代金払えませんね〜
写真 C  撮影:’12年 6月24日
カーネーション
       苗の良し悪しで、どのように生長に差異
       が有るか、分かり易いように区分して定
       植しました。

’12. 8.30 4.5 6.0 16.0 150.0 57.0 460.0 83.0 −−− 追 肥
20g               2.7 微量要素
修正値   6.0 16.0 150.0 57.0 460.0 83.0    
<所見>夏場の暑さで疲れ切った作物は肥料を吸収していないようだ。その時期、バックアップ強化した為か養分は過剰気味になっている。

『比較:分析表と栽培物の写真』
土壌採取は8月13日。

写真 @                  撮影:’12年 7月29日
カーネーション
猛暑にも耐えながら良い感じで成長しています。
写真 A                  撮影:’12年 8月15日
カーネーション
この時期、換気に細心の注意をしました。

写真 B                  撮影:’12年 8月20日
カーネーション
カーネションの適温は20℃位だと思います。夏場の外気は35℃位になりますから室温は40℃を超えます。これでは生理は止まり、何をやってもダメです。 妻面・側面は全部を剥ぎ取り、葉面散布を励行する事です。細霧装置があるなら運転して湿度を80%位まで上げるようにして下さい。
写真 C                  撮影:’12年 8月20日
カーネーション
同左の近写。兎に角、この時期は葉面散布をして植物体の温度を下げる事に専念します。雰囲気湿度は80%が目標です。 そうすれば適温が25℃(60%の時)からの35℃(80%の時、但しキュウリの場合のデータ)まで適温の範囲が広がります。

’13. 3. 1 4.4 2.0 18.0 160.0 58.0 580.0 95.0 −−− 追 肥
20g               2.7 微量要素
修正値   2.0 18.0 160.0 58.0 580.0 95.0    
<所見>8月30日以来の分析だが、養分の良いBP液で追肥を強化している所為か、土壌の養分に大幅な変化が認められない。

『比較:分析表と栽培物の写真』
土壌採取は2月16日。

写真 @                  撮影:’13年 3月 2日
カーネーション
良い感じで成長しています。
写真 A                  撮影:’13年 3月 2日
カーネーション

  ’13年度
    作物:カーネーション
                                                         分析者:住化分析センター
’13. 6.14 4.3 2.0 30.0 230.0 98.0 380.0 79.0 −−− 追 肥
200 Kg
 20 g
          106.0  
2.7
炭酸石灰
微量要素
修正値   2.0 30.0 230.0 98.0 486.0 79.0    
<所見>石灰分析値380Kgと数値出るも、石灰欠乏目立つ。元肥の調整量を炭酸石灰200Kgとし、散布。。土壌採取は6月1日。
前回の分析は3月1日の分析(採土が2/16日)。その期間の石灰が特に減っている。しかし、前年耕起時の時も今回と同じ現象なので、採土法に問題があるのかも分からない。 りん酸、加里、苦土の過剰に注意する。

『比較:分析表と栽培物の写真』
土壌採取は6月1日。

写真 @ 撮影:’13年 6月29日
カーネーション
        良い感じで成長していますが・・・・
        生長点付近に石灰欠乏が見えます。
        緑の色が足りません、全体が黄色
        いです。
写真 A 撮影:’13年 6月29日
カーネーション
        少し、近づいて見ます。兎に角、苗が
        悪いです。去年も悪かったですが、今
        年も受け取り拒否をする訳にもいかず
        仕方なく定植しました。

写真 B                 撮影:’13年 6月29日
カーネーション
もっと近づいて見ます。定植して大分色も良くなって来ましたが、
石灰の欠乏が目立ちます。とくに、苗の横に、薄い葉の雑草が
見えます。これなど良くわかります。このように、確かめにくいカ
ーネで欠乏を確認するのでなく、石灰欠乏を見易い雑草を抜か
ずに置いておくと、土壌の状態が読み取り易い。
写真 C 撮影:’13年 6月29日
カーネーション
       ここも、苗が悪いです。この位は下葉の
       部分ですから、問題ないようですがこの
       ようになると導管師管が傷んでおり、初
       期成長が遅くなり結果的に不利益がも
       たらされます。

’13. 8.11 4.8  2.0 14.0 320.0 76.0 430.0 74.0 −−− 追 肥
 40 Kg
150 Kg
 20 g
   6.8  6.8    
 79.5
 

2.7
硝 安
炭酸石灰
微量要素
修正値    8.8 20.8 320.0 76.0 509.5 74.0    
<所見>猛暑の為、今一つ理想の姿にならない。葉が全てで舟型になっている。
前回6月14日は炭酸石灰200Kgを追肥、この月も欠乏が酷いので追肥をして分析予想値を500Kgまで上昇さす事にした。
分析値が、随分多目に検出されているようだ。380Kg→約220Kg位、430Kg→280Kg、500Kg→320Kgかな?と考えている。この位の偏差値があるようだ。普通500Kg検出されれば萎れるか、 水をかければ枯れてしまう筈である。

『比較:分析表と栽培物の写真』
土壌採取は8月11日。
写真 @                 撮影:’13年 8月 9日
カーネーション
暑さの為に生育障害が止まらない。葉が内側に全て反っている。これでは葉がカールしない。気温が下がってくれば順次回復する筈である。
写真 A                 撮影:’13年 8月13日
カーネーション
写真@から4日後。
’13. 9.19 6.2  2.0 13.0 300.0 120.0 540.0 77.0 −−− 追 肥
 40 Kg
 20 g
   6.8  6.8        
2.7
硝 安
微量要素
修正値    8.8 19.8 300.0 76.0 540.0 77.0    
<所見>分析する為の土壌採土の後、圃場を訪問しました(9月24日)。今迄は猛暑の為、今一つ理想の姿にならない。そのような事がこの時期問題です。夫婦は悲鳴を上げていました。しかしながら、訪問の日くらいから一転、 急に秋らしい気温になって来ました。着いた日から、夫婦は他の仕事が忙しく“水やりは僕がするから、あなたたちはすべき仕事をやって・・・!!”結局、私は散水の2日間でした。(笑い・・・)。 でも、水を欲しがっていたカーネは一日で、“伸びる・・伸びる・・・・凄いですぅ”夜は園主とゆっくり会席。ここではカーネーション栽培の将来性や日本農業の将来予測そして今後の考え方など夜遅くまで議論しました。房総半島の海の幸はおいしい・・・・ですぅ!!(写真B)

『比較:分析表と栽培物の写真』
土壌採取は9月19日。

写真 @                 撮影:’13年10月 7日
カーネーション
私が帰宅した後、写真を送ってくれました。うぁ〜!!これは、全く変わっています!!(段々、良くなっていますが、まだ後遺症あります、との事です。
写真 A                 撮影:’13年10月 8日
カーネーション
ここも、全く変わっています!!(ここは、後遺症も少なく、順調との事です)
資料:館山地方の2012・13年7〜9月の気温(気象庁気温データを拡大します
千葉県館山市の気温データ
8月中旬の猛暑は平均温度20℃と言われるカーネーションにとって、相当厳しかったようです。全く、生理が止まっていました。この気象データを基にカーネーションの栽培を考えると、7月末まではしっかり採花し、 その後1ヶ月はたっぷり圃場湛水することで養分を一度還元し、土壌環境を整えたうえで9月定植と言うのが順当な考え方ではないか?
写真 B                 撮影:’13年 9月24日
館山市内の料理屋で食べた料理
不謹慎ですが・・・・・??海鮮巻・鯵刺し・鯵なめろう・鯨刺し・さんま寿司!!うまいな〜、さんま寿司なんて、南紀(和歌山県の南部地方)名物の棒(頭のついた一匹)すしと思ってたら、流石に棒にはなっていなかったが、ここでも食べれた。 この時期のサンマは脂がのってて美味しい。久しぶりに感激した!!。
’13.12. 5 6.5  2.0 22.0 250.0  91.0 450.0  60.0 −−− 追 肥
 25 Kg
200 Kg
 20 g
   4.2  4.2    
106.0
 

2.7
硝 安
炭酸石灰
微量要素
修正値    6.2 26.2 250.0  91.0 556.0  60.0    
<所見>今回も分析する為の土壌採土の後、圃場を訪問しました(12月12日)。カーネションでは養分状況が見難いので、雑草は所々抜かずに残してあります。特に石灰の欠乏など見易いからです。(写真A)

『比較:分析表と栽培物の写真』
土壌採取は12月 5日。

写真 @                 撮影:’13年12月12日
カーネーション
花の本数は人よりも多くしていると言っていますが、私たちは人の3倍くらい仕立てますので、そうは見えませんでしたが・・・・
写真 A                 撮影:’13年12月12日
カーネーション圃場の雑草
雑草の葉は薄く、緑色も浅いです。

  ’14年度
    作物:カーネーション
                                                         分析者:住化分析センター
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7  
’14. 6.20 6.9(H20) 2.0 21.0 170.0 180.0 550.0 67.0    
 20 Kg   3.4  3.4           硝 安
 20 g               2.7 微量要素
修正値   5.4 24.4 170.0 180.0 550.0 67.0 2.7  
腐植・・・3.9  EC・・・・0.594

  ’16年度
    作物:カーネーション
                                                         分析者:住化分析センター
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7  
’16.8.10 7.1(H20)  2.0  8.1 210.0 110.0 540.0  74.0    
 60 Kg   10.2 10.2           硝 安
 20 g               2.7 微量要素
修正値   12.2 18.3 210.0 110.0 540.0  74.0 2.7  
参考 同棟西列 7.2(H20)  2.0  6.5 240.0  74.0 520.0  74.0 腐植:3.3 EC:0.332
腐植・・・3.4  EC・・・・0.335

対策
下の纏め表を参照にすると良く理解できる。石灰が500付近の場合の硝酸の値を見てみると、その硝酸の多少でpHは上下している。この硝酸化成を促すことが栽培の最大のポイントであることを理解していただきたい。 有機物と硝安を常に補給しながら栽培管理をすること。とくに、栽培スタート時点でpHが6.8などと言う値の場合、2か月もすれば必ず病気が来襲する。その原因は、石灰の吸収速度以上に硝酸態窒素の吸収スピードの方が速く、そのため石灰分が残留し硝酸分が希薄になるため、どうしてもアルカリ側になるからである。

 
纏 め 表
          単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )<赤字は過剰>
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
塩 素
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’10.12.18 4.6  4.1  32.5 230.0 144.4 710.6  79.5 0.7 18.1
’11. 6. 5 4.4  3.2  31.2 225.0  69.2 705.0  39.7 痕跡 16.2
’11. 8.21 5.0  3.1  18.7 260.0  78.2 456.0  46.4 痕跡 10.6
’11.10. 1 4.9  5.7  21.2 205.0  48.1 425.2  39.7 0.1 8.7
’12. 6.15 4.5  4.0  21.0 140.0  18.0 310.0  58.0 腐植 4.0 EC 1.042
’12. 8.30 4.5  6.0  16.0 150.0  57.0 460.0  83.0 腐植 3.8 EC 1.014
’13. 3. 1 4.4  2.0  18.0 160.0  58.0 580.0  95.0 腐植 3.3 EC 0.747
’13. 6. 1 4.3  2.0  30.0 210.0  98.0 380.0  79.0 腐植 2.5 EC 1.270
’13. 8.11 4.8  2.0  14.0 320.0  76.0 430.0  74.0 腐植 3.5 EC 0.555
’13. 9.19 6.2  2.0  13.0 300.0 120.0 540.0  77.0 腐植 3.3 EC 0.942
’13.12. 5 6.5  2.0  22.0 250.0  91.0 450.0  60.0   EC 0.583
’14. 6.20 6.9  2.0  21.0 170.0 180.0 550.0  67.0 腐植 3.9 EC 0.594
’16. 8.10東棟 6.5 (7.1  2.0   8.1 210.0 110.0 540.0  74.0 腐植 3.4 EC 0.335
’16. 8.10西棟 6.5 (7.2  2.0   6.5 240.0  74.0 520.0  74.0 腐植 3.3 EC 0.332
<< 所見 (2016/09/09) >>
 ’16年8月10日の分析について
栽培はpHが高く、良くないと察せられる。症状は、萎縮(特に生長点)、葉の先端部や周縁での枯れが生じているはず。これらの症状は、アルカリ(アンモニアも含む)障害であり、その障害により根が傷んでいる証拠である。

 pHについて
近年でのpHは、一般的にKclで表示している場合が多い。もうひとつの表示に、HOがある。これは、土壌ではなく不純物の少ない溶液を計測した場合、 KclとHOの差はKcl<HO=概ね0.3となる(注 土壌ではその差が1.0の場合もある)。 Truog表の肥料溶解度表のこのpHは、この時代HOと考えてよい。つまり、KclのpH6.5とあっても安心できないということである。 Truog表(HO)の6.8がBestであって、これが7.1〜7.2という値は、その圃場の平均値であり、それ以下も以上もある。 以上のエリアでは不作、以下のエリアでは、何とか栽培できているということである。



圃場 NO.2
  ’10年度
     作物:カーネーション
                                                      分析者:中隈水質土壌分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’10.12.18 6.0 2.7 21.2 175.0 42.1 794.6 59.6 0.3 CL:17.5
20 g               2.7 微量要素
修正値   2.7 21.2 175.0 42.1 794.6 59.6 3.0 17.5
腐植・・・中
石灰大過剰。

 『比較:分析表と栽培物の写真』

写真 @  撮影:’10年12月26日
カーネーション
奇形
 写真 A                 撮影:’10年12月26日
カーネーション
葉変形 (塩素の害<塩素17.5Kgを検出>

写真 B  撮影:’10年12月26日
カーネーション
茎曲り変形
写真 C  撮影:’10年12月26日
カーネーション
葉先のかぎ曲り(B欠)

  ’11年度
     作物:カーネーション
                                                      分析者:中隈水質土壌分析室
’11. 6. 5 5.3 1.2 17.5 190.0 54.1 643.5 39.7 0.1 CL:21.2
 35 Kg
 20 g
   5.95   5.95        
2.7
硝 安
微量要素
修正値    7.15  23.45 190.0 54.1 643.5 39.7 2.8 21.2
腐植量・・・中。
ここも、前回(半年前)と今回の2回の分析データ。カルシウムも苦土も減る傾向にあると見ているが、 更に2回ほど分析してみないと断定はできない。

  ’12年度
     作物:カーネーション
                                                         分析者:住化分析センター
’12. 6.15  5.4  5.0 15.0 120.0 12.0 330.0 50.0 −−− 追 肥
 20 Kg
 70 Kg
 40 Kg
 20 g
   3.4  3.4  
37.9


 21.2
 


2.7
硝 安
硫酸加里
炭酸石灰
微量要素
修正値    8.4 18.4 120.0 49.9 351.2 50.0    
<所見>今回から分析者が代わります。かなり改善された土壌になりました。

『比較:分析表と栽培物の写真』
土壌採取は6月5日、初回(10年12月)の分析から徹底した減量作戦により驚異的な良質の土壌になりました。

写真−@                 撮影:’12年 6月30日
カーネーション
土壌は大変良くなっています。でも、購入した苗が悪いと・・・・
 
写真−A 撮影:’12年 7月 1日
カーネーション
        植えても良くなりませんでした。
        植え替える事にします。
’12.12. 3  5.5  2.0 23.0 150.0 43.0 480.0 74.0 −−− 追 肥
 20 g                2.7 微量要素
修正値    2.0 23.0 150.0 43.0 480.0 74.0    
<所見>追肥なし。石灰は実際の数値より多い目に検出されていると思います。土壌の化学性は大変良くなりましたが、今回11月23日の訪問で実際の圃場を確認出来ました事は、 土壌の中に多くの気層を作る物理性がまだまだ出来ていません。潅水する事により、土が締りすぎています。今後は籾殻などのような木目の荒い物を中心に混入するようにして、 時間を掛けてふっくらとした土壌になるよう努めます。

今後の処方は苦土を除いたBP液で常時追肥して行けば良いと思います。

『比較:分析表と栽培物の写真』

写真−@                 撮影:’12年10月31日
カーネーション
 
写真−A                 撮影:’12年10月26日
カーネーション
      

  ’13年度
     作物:カーネーション
                                                         分析者:住化分析センター
’13.12. 5  6.5  2.0 11.0 270.0  78.0 440.0  55.0 −−− 追 肥
 60 Kg
200 Kg
 20  g
  10.2 10.2    
106.0
 

 2.7
硝 安
炭酸石灰
微量要素
修正値   12.2 21.2 270.0  78.0 546.0  55.0    
<所見>石灰は実際の数値より多い目に検出されていると思います。経験的に550Kgを適量と考えます。この固形肥料を中心にして、BP液で都度追肥して行けば良いと思います。

『比較:分析表と栽培物の写真』

写真−@                 撮影:’13年12月12日
カーネーション
 
写真−A                 撮影:’13年12月12日
カーネーション
B欠乏が所々、目立つようになって来ました。このように茎割れを見る事ができます。       

  ’14年度
     作物:カーネーション
                                                         分析者:住化分析センター
’14. 8.11  6.9 (7.3)  2.0 15.0 150.0 140.0 510.0  58.0 EC0.561 腐植 3.0
 40 Kg
 20  g
   6.8  6.8        
 2.7
硝 安
微量要素
修正値    8.8 21.8 150.0 140.0 510.0  58.0    
<所見>
   pHが高い。このままで定植をすると、2か月もすればアルカリ障害による不具合が生じる。
『対策』
   硝安を追肥。ピートモス(pH調整なし、6qbfを30袋)を投入し、硝酸化成を進める。

  ’17年度
     作物:カーネーション
                                                          分析者:日本総合科学
’17. 2.18(北)  7.2 (7.4)  2.8 26.0 130.0 200.0 820.0  64.0 EC 0.8 腐植 3.6
 20  g                2.7 微量要素
修正値    2.8 26.0 130.0 200.0 820.0  64.0    
’17. 2.18(南)  7.1 (7.4)  2.9 20.0 130.0 200.0 950.0  73.0 EC 0.7 腐植 3.2
 20  g                2.7 微量要素
修正値    2.9 20.0 130.0 200.0  73.0    
<所見>
   今回、分析者を変えてみた。
   pHが高い。このままで定植をすると、2か月もすればアルカリ障害による不具合が生じる。
ここ数年、しっかり生産物は出荷出来ているとの報告。にも拘らず圃場の再生を考えていないようだ。疲労困憊(コンパイ)でこの高いpHは畑の悲鳴である。

『対策』
   ピートモス6qbfを50袋を投入する。
 
纏め表
          単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )<赤字は過剰>
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
塩 素
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’10.12.18 6.0  2.7  21.2 175.0  42.1 794.6  59.6 0.3 17.5
’11. 6. 5 5.3  1.2  17.5 190.0  54.1 643.5  39.7 0.1 21.2
’12. 6.15 5.4 (6.0)  5.0  15.0 120.0  12.0 330.0  50.0 腐植 3.0 EC 0.960
’12.12. 3 5.5 (6.1)  2.0  23.0 150.0  43.0 480.0  74.0 腐植 3.8 EC 1.008
’13.12. 5 6.5 (7.0)  2.0  11.0 270.0  78.0 440.0  55.0 −−− EC 0.483
’14. 8.11 6.9 (7.3)  2.0  15.0 150.0 140.0 510.0  58.0 腐植 3.0 EC 0.561
’17.2.18(北) 7.2 (7.4)  2.8  26.0 130.0 200.0 820.0  64.0 腐植 3.6 EC 0.8
’17.2.18(南) 7.1 (7.4)  2.9  20.0 130.0 200.0 950.0  73.0 腐植 3.2 EC 0.7
<< 所見 >>


 
圃場 NO.3
  ’10年度
     作物:カーネーション
                                                      分析者:中隈水質土壌分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’10.12.18 4.8 2.5 17.5 60.0 36.1 581.9 39.7 0.25 CL:5.0
 20 g               2.70 微量要素
修正値   2.5 17.5 60.0 36.1 581.9 39.7 2.95 5.0
腐植・・・微
石灰は過剰、要注意。
窒素・加里が過少だが欠乏の値ではない。分析は初めてでもあり、この数値が確定的とは言えないので今回の追肥は見送り様子を見る。 微量要素とクエン酸の潅水で十分に変化がある筈。

 『比較:分析表と栽培物の写真』

写真 @  撮影:’10年12月26日
カーネーション
葉先枯れ
 写真 A                 撮影:’10年12月26日
カーネーション
葉先端かぎ曲り

写真 B  撮影:’10年12月26日
カーネーション
葉先枯れ
写真 C  撮影:’10年12月26日
カーネーション
葉先枯れ

  ’12年度
     作物:カーネーション
                                                        分析者:住化分析センター
’12. 6.25 4.5 2.0 21.0  25.0 19.0 220.0 45.0 −−− 追 肥
 20 Kg
 80 Kg
 40 Kg
100 Kg
 20 g
  3.4  3.4
 13.2


 21.6

 22.4

 53.0
 



2.7
硝 安
過リン酸石灰
硫酸加里
炭酸石灰
微量要素
修正値   5.4 24.4  38.2 40.6 295.4 45.0    
<所見>今回から分析者が代わります。徹底した減量作戦により、相当改善された土壌になりました。それでも、この圃場は分析歴が2回です。 安全をみて少ない目の設計です。欠乏となりますが、バックアップ液で対応します。

  ’14年度
     作物:カーネーション
                                                        分析者:住化分析センター
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7  
’14. 6.20 6.7(H20) 2.0 28.0  73.0 150.0 530.0 85.0    
 20 g               2.7 微量要素
修正値   2・0 28.0  73.0 150.0 530.0 85.0 2.7  
腐植・・・3.4
EC・・・・0.944

  ’15年度
     作物:カーネーション
                                                        分析者:住化分析センター
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7  
’15. 7.28 6.8 2.0 29.0 110.0 160.0 710.0 87.0    
 20 g               2.7 微量要素
修正値   2・0 29.0 110.0 160.0 710.0 87.0 2.7  
pH・・・6.8(kcl)
     7.1(HO)
腐植・・・3.3
EC・・・・0.828
 
纏め表
                                                                           分析者:住化分析センター
          単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )<赤字は過剰>
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
塩 素
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70 10.0
’10.12.18 4.8 2.5 17.5  60.0 36.1 581.9 39.7 0.25  5.0
’12. 6.25 4.5 2.0 21.0  25.0 19.0 220.0 45.0 腐植 3.2 EC 0.571
’14. 6.20 (6.7) 2.0 28.0  73.0 150.0 530.0 85.0 腐植 3.4 EC 0.944
’15. 7.28 6.8 2.0 29.0 110.0 160.0 710.0 87.0 腐植 3.3 EC 0.828
<< 所見 >>


 
圃場 NO.4

  ’10年度
     作物:カーネーション
                                                      分析者:中隈水質土壌分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70 10.0
’10.12.18 4.8 3.5 30.0 205.0 60.2 850.5 79.5 0.95 CL:20.6
20 g               2.70 微量要素
修正値   3.5 30.0 205.0 60.2 850.5 79.5 3.65 20.6
腐植・・・中
窒素は適量。ほか過剰及び大過剰。

 『比較:分析表と栽培物の写真』

写真 @  撮影:’10年12月26日
カーネーション
 写真 A                 撮影:’10年12月26日
カーネーション

  ’11年度
     作物:カーネーション
                                                      分析者:中隈水質土壌分析室
’11. 6. 5 4.8 4.5 36.2 245.0 66.2 833.8 72.9 0.4 CL:49.3
 20 g               2.7 微量要素
修正値   4.5 36.2 245.0 66.2 833.8 72.9 3.1 49.3
腐植量・・・中。
ここは、養分が減る傾向にない。追肥は一切禁止。2ヶ月後に再度分析のこと。

  ’12年度
     作物:カーネーション
                                                         分析者:住化分析センター
’12. 6.15 4.7 10.0 33.0 140.0 17.0 390.0 73.0 −−− 追 肥
 60 Kg
 20 g
        32.5    
2.7 
硫酸加里
微量要素
修正値   10.0 33.0 140.0 49.5 390.0 73.0    
<< 所見 >>今回から分析者代わります。減量作戦効果あり。石灰が大幅に良くなっている。

『比較:分析表と栽培物の写真』
土壌採取は6月5日、初回(10年12月)の分析から徹底した減量作戦により驚異的な良質の土壌になりました。

写真−@                 撮影:’12年 7月 6日
カーネーション
Ca欠乏が少し見えますが、土壌は大変良くなっています。
 
写真−A                 撮影:’12年 7月20日
カーネーション
緑色も申し分ありません。
’12.12. 3 4.4  3.0 20.0 170.0 49.0 480.0 82.0 −−− 追 肥
 20 g               2.7  微量要素
修正値    3.0 20.0 170.0 49.0 480.0 82.0    
<< 所見 >>追肥なし。石灰は実際の数値より多い目に検出されていると思います。土壌の化学性は大変良くなりましたが、今回11月23日の訪問で実際の圃場を確認出来ました事は、 土壌の中に多くの気層を作る物理性がまだまだ出来ていません。潅水する事により、土が締りすぎています。今後は籾殻などのような木目の荒い物を中心に混入するようにして、 時間を掛けてふっくらとした土壌になるよう努めます。

今後の処方は苦土を除いたBP液で常時追肥して行けば良いと思います。

『比較:分析表と栽培物の写真』

写真−@                 撮影:’12年10月22日
カーネーション
 
写真−A                 撮影:’12年10月16日
カーネーション

  ’13年度
     作物:カーネーション
                                                      分析者:中隈水質土壌分析室
’13. 6.26 4.7   4.0  13.0 250.0  64.0 510.0  90.0 −−− 追 肥 
 20 g               2.7 微量要素
修正値     4.0  13.0 250.0  84.0 510.0  90.0 −−−  
全般的に増加傾向。微量要素以外の追肥は一切禁止。これは母の日に向けて、花芽多くしたためのBP液撒布強化が原因。原因を把握しておれば、それはそれで良い。2ヶ月後に再度分析のこと。
’13.12. 5 6.2   2.0  23.0 290.0  84.0 510.0  72.0 −−− 追 肥 
 20 Kg
100 Kg
 20 g
    3.4   3.4    
 53.0
 

2.7
硝 安
炭酸石灰
微量要素
修正値     5.4  26.4 290.0  84.0 563.0  72.0 −−−  
<< 所見 >>石灰を550Kgまで追肥します。実際はこれで350Kgくらいの数値だと思います。ついでに硝安30Kgで調整します。今後の処方はBP液で常時潅水を兼ねて追肥して行けば充分だと思います。

『比較:分析表と栽培物の写真』

写真−@                 撮影:’13年12月12日
カーネーション
 
写真−A                 撮影:’13年12月12日
カーネーション
 

纏め表
                                                                         分析者:中隈水質土壌分析室         
          単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )<赤字は過剰>
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
塩 素
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’10.12.18 4.8  3.5 30.0 205.0  60.2 850.5  79.5 1.0 20.6
’11. 6. 5 4.8  4.5 36.2 245.0  66.2 833.6  72.9 0.4 49.3
’12. 6.15 4.7 10.0 33.0 140.0  17.0 390.0  73.0 −−− EC 1.413
’12.12. 3 4.4  3.0 20.0 170.0  49.0 480.0  82.0 −−− EC 1.374
’13. 6.26 4.7  4.0 13.0 250.0  64.0 510.0  90.0 −−− EC 1.508
’13.12. 5 6.2  2.0 23.0 290.0  84.0 510.0  72.0 −−− EC 0.920
<< 所見 >>


 
圃場 NO.5

  ’10年度
     作物:カーネーション
                                                      分析者:中隈水質土壌分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’10.12.18 4.4 3.2 25.0 195.0 12.0 817.0 59.6 1.0 CL:11.8
 40 Kg
 20 g
        21.6    
2.7
硫酸加里
微量要素
修正値   3.2 25.0 195.0 33.6 817.0 59.6 3.7 11.8
腐植・・・中
石灰が大過剰。兎に角、石灰量を減じる事。

 『比較:分析表と栽培物の写真』

 写真 @                 撮影:’10年12月26日
カーネーション
全  景
        写真 A  撮影:’10年12月26日
カーネーション
葉先枯れ

  ’11年度
     作物:カーネーション
                                                      分析者:中隈水質土壌分析室
’11. 6. 5 4.4 3.8 25.0 150.0 78.2 761.0 66.3 0.2 CL:28.1
 20 g               2.7 微量要素
修正値   3.8 25.0 150.0 78.2 761.0 66.3 2.9 28.1
腐植量・・・中。
加里は極限量の範囲だが異常に高く検出されている。採土のミス?ここの圃場も施肥を一時停止すること。

  ’12年度
     作物:カーネーション
                                                        分析者:住化分析センター
’12. 6.15 4.4 6.0 20.0 110.0 18.0 300.0 59.0 −−− 追 肥
 60 Kg
100 Kg
 20 g
        32.5
 53.0
 

2.7 
硫酸加里
炭酸石灰
微量要素
修正値   6.0 20.0 110.0 50.5 353.0 59.0    
<< 所見 >>今回から分析者代わりました。数値は改善されて良い土壌になっています。

『比較:分析表と栽培物の写真』
土壌採取は6月5日、初回(10年12月)の分析から徹底した減量作戦により驚異的な良質の土壌になりました。

写真−@                 撮影:’12年 7月 6日
カーネーション
土壌をみな同じ数値に調整しますから、どの圃場も品種の差は少しありますが大体同じ生長をしています。
 
写真−A                 撮影:’12年 7月24日
カーネーション
ここに来て室温が高くなって来たようです。日中40℃を超えていると言います。生理が休止している状態です。
 
写真−B                 撮影:’12年 7月18日
ハウスの夏場の換気法
猛暑対策です。妻面の被覆はみんな捲りあげてしまいます。こうすると一気に暖気は抜けます。それと同時に気流の流れが出来て周りの空気をも引き連れるように排気の流れが生まれます。 これで5℃位違うと報告がありました。でも、まだ不満!!頂点の処をキチンと捲り上げて下さい!!!
 
写真−C                 撮影:’12年 7月18日
ハウスの夏場の換気法
この頂点部分の暖気と言うよりも熱気を滞留さすのが空気の流れを妨げる最大の原因なのです。 このフェーン現象の熱気をなくしてしまえば、室温は外気温35℃位とほぼ同じ温度になる筈です。そこに葉面散布をして80%の湿度状態にすれば生理の停止は解消するはずです。注意!出入り口は閉めておく事。風が作物に直接当ると過乾燥になり、病気の原因になったり品質が悪くなったりする。
    ↓↓手直し
写真−D                 撮影:’12年 8月 3日
ハウスの夏場の換気法
ごく普通の換気窓ですが、これでは夏場は厳しい思います。中は泉州の名産“水ナス”です。締め切ったままですが、中は何℃あるでしょうか?
 
写真−E                 撮影:’12年 7月26日
ハウスの夏場の換気法
頂点の部分を捲り上げました。これで室内は外気温+2℃です。外が35℃の時に室内は37℃ですから、あとは葉面散布を頻繁に行えば猛暑でも好条件の環境は保てるでしょう。カーネーションが涼しい!!と言っています。それはそうでしょう、今までは40℃をはるかに超えていましたからね〜。
’12. 9. 5 4.3 3.0  7.5 140.0 39.0 510.0 81.0 −−− 追 肥
 20 g               2.7 微量要素
修正値   3.0  7.5 140.0 39.0 510.0 81.0    
<< 所見 >>この月は上の写真のような換気対策と葉面散布を懸命に行いました。それでも温室内は40℃弱にはなります。カーネーションの適温は20℃、 光飽和点50KLuxと言いますから栽培条件は最悪でした。バックアップ液で懸命に養分を吸収させようと試みましたが、 生理は停止状態で、与えた養分は吸ってないようです。結果的には土壌を少し痛めたようです。石灰や苦土などが過剰と検出されています。

『比較:分析表と栽培物の写真』
土壌採取は8月26日です。

写真−@                 撮影:’12年 9月 1日
カーネーション
生長点のCa欠(葉厚と緑が薄い)と上位部の葉が舟底型(この形になると、カーネ特有のカール状になりません)に湾曲した症状を解消したかったのですが、これは欠乏ではなく暑さのために生理が停止状態だった、と言う事が涼しさを増して来たこの時期になって分かりました。 どうりで何をやってもうまく行かない筈だ!この真夏の最中は焦らず栽培する事です。自然に逆らわず、樹勢を維持して行くことが大事だと言う事が分かりました。
 
写真−A                 撮影:’12年 9月 1日
カーネーション
その為にやるべきことは@換気。妻面と側面は全面剥ぎ取る。ただし、防風ネットを使い植物に風が直接当たらないようにする。 A遮光。寒冷紗20%と30%の計50%カットする。陽の傾きで2種を使い分ける。B潅水。掛け過ぎず、乾かさず適量に・・・。C植物体温を下げる作業。葉面散布を毎日10時と14時位の2回(最低でも)。 出来るなら細霧装置を導入する。
’13. 3.15 4.3 2.0 20.0 150.0 62.0 500.0 80.0 −−− 追 肥
 20 g               2.7 微量要素
修正値   2.0 20.0 150.0 62.0 500.0 80.0    
<< 所見 >>3月2日の採土。前回の9月5日とほぼ同じ。バランスのとれたバックアップ液を常に追肥しているので、吸収し易いBP液肥だけを吸収して成長を続けているとも言える。 尚、生育具合は大変良好と報告あり。

『比較:分析表と栽培物の写真』
上に、色具合が良くないですが、’10年12月26日に撮った写真があります。この時と比べると、生育の姿が大変良くなって来ました。

写真−@                 撮影:’13年 2月 5日
カーネーション
品種:ロシェル
 
写真−A 撮影:’13年 3月 1日
カーネーション
品種:シャギーオレンジ
写真−B                 撮影:’13年 3月 4日
カーネーション
 
写真−C 撮影:’13年 3月 4日
カーネーション


纏め表
                                                   分析者:中隈水質土壌分析室→(2012.6.15から住化分析センター)
          単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )<赤字は過剰>
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
塩 素
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’10.12.18 4.4  3.2 25.0 195.0  12.0 817.0  59.6 1.0 11.8
’11. 6. 5 4.4  3.8 25.0 150.0  78.2 761.0  66.3 0.2 28.1
’12. 6.15 4.4  6.0 20.0 110.0  18.0 300.0  59.0 −−− −−−
’12. 9. 5 4.3  3.0  7.5 140.0  39.0 510.0  81.0 −−− −−−
’13. 3.15 4.3  2.0 20.0 150.0  62.0 500.0  80.0 −−− −−−
<< 所見 >>


 
圃場 NO.6

  ’10年度
     作物:カーネーション
                                                      分析者:中隈水質土壌分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’10.12.18 4.3 4.8 22.5 80.0 18.0 581.9 39.7 0.50 CL:8.1
 40 Kg
 20 g
        21.6    
2.70
硫酸加里
微量要素
修正値   4.8 22.5 80.0 39.6 581.9 39.7 3.20 8.1
腐植・・・中
この圃場は石灰が過剰だが、すぐに良い土壌になる。潅水のpH調整次第である。

 『比較:分析表と栽培物の写真』

 写真 @                 撮影:’10年12月26日
カーネーション
全  景
 写真 A                 撮影:’10年12月26日
カーネーション
葉先枯れ

  ’11年度
     作物:カーネーション
                                                      分析者:中隈水質土壌分析室
’11. 6. 5 4.4 2.6 20.0 95.4 60.2 649.1 59.6 0.2 CL:11.8
 22 Kg
 20 g
   3.74   3.74        
2.7
硝 安
微量要素
修正値    6.34  23.74  95.4 60.2 649.1 59.6 2.9 11.8
腐植量・・・中。ここも、少し増加傾向となっている。要観察。

  ’12年度
     作物:カーネーション
                                                         分析者:住化分析センター
’12. 6.25 4.2 2.0 21.0  38.0 13.0 230.0 38.0 −−− 追 肥
 20 Kg
 70 Kg
 50 Kg
100 Kg
 20 g
  3.4  3.4
 11.9


27.0

 19.6

 53.0
 



2.7
硝 安
過リン酸石灰
硫酸加里
炭酸石灰
微量要素
修正値    5.4  24.4  49.9 40.0 302.6 38.0 2.7  
分析者が代わりました。数値、良くなってきています。

写真−@ 撮影:’12年 5月27日
カーネーション
        分析では加里、石灰欠乏と言う事で
        すが・・・写真でも・・・(栽培終了前)。
 
写真−A                  撮影:’12年 7月20日
カーネーション
土壌修正して定植しました。

’12.10. 3  4.3  2.0  8.6  40.0  29.0 390.0  67.0 −−− 追 肥
 50 Kg
 40 Kg
 20 Kg
 20 g
   8.5
 2.4
 8.5
 12.3 


 21.6
   


2.7
硝 安
リン酸1アンモン
硫酸加里
微量要素
修正値   12.9 17.1  52.3  50.6 390.0 67.0 2.7  
石灰・苦土が多めですが問題はありません(前回分析とかけ離れすぎているので、次回の分析を注視)。
しっかり、窒素が減っています。これは生長旺盛な事を表しています。

写真−@                  撮影:’12年 9月22日
カーネーション
採土日の生育状況。
 
写真−A                  撮影:’12年10月 4日
カーネーション
この後、追肥して養分調整します。

  ’13年度
     作物:カーネーション
                                                         分析者:住化分析センター
’13. 6.21 4.2  2.0  60.0  60.0 78.0 400.0 83.0 −−− 追 肥
150 Kg
 20 g
       30.0    42.0  
2.7
過リン酸石灰
微量要素
修正値    2.0  60.0  90.0 78.0 442.0 83.0 2.7  
追肥量・・・過リン酸石灰150Kg。ここも、少し増加傾向となっている。要観察。2か月後分析の事。
’13. 8.14 4.5  2.0   5.6 110.0 63.0 400.0 77.0 −−− 追 肥
 60 Kg
200 Kg
 20 g
  10.2  10.2     106.0  

2.7
硝 安
炭酸酸石灰
微量要素
修正値   12.2  15.8 110.0 63.0 506.0 77.0 2.7  
石灰400Kgの数値は最良の量だが欠乏が目立つ。これは暑さの所為もあるが、どうもそれだけではないようだ。炭酸石灰を200Kg追肥し、500KgとCaOを強化する。理由はNO.1号ハウスと同じ

  ’14年度
     作物:カーネーション
                                                         分析者:住化分析センター
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7  
’14. 6.20 (6.5) 2.0 35.0  92.0 180.0 520.0 77.0 −−−  
 20 g               2.7 微量要素
修正値   4.1 32.5 230.0 144.4 710.6 79.5 2.7  
 腐植・・・3.9
 EC・・・・1.04

  ’15年度
     作物:カーネーション
                                                         分析者:住化分析センター
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7  
’15. 7.28 6.5 2.0 37.0 130.0 150.0 770.0 90.0 −−−  
 20 g               2.7 微量要素
修正値   4.1 37.0 130.0 150.0 770.0 90.0 2.7  
pH・・・6.5(kcl)
     6.8(HO)
腐植・・・4.0
EC・・・・1.03

 

纏め表
          単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )<赤字は過剰>
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
塩 素
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320  30 2.7 10.0
’10.12.18 4.3  4.8 22.5 80.0 18.0 581.9  39.7 0.5  8.1
’11. 6. 5 4.4  2.6 20.0 95.4 60.2 649.1  59.6 0.2 11.8
’12. 6.25 4.4  2.0 21.0 38.0 13.0 230.0  38.0 腐植 4.1 EC 0.765
’12.10. 3 4.3  2.0  8.6 40.0 29.0 390.0  67.0 腐植 3.8 EC 0.448
’13. 6.21 4.2  2.0 60.0 60.0 78.0 400.0  83.0 腐植 3.8 EC 1.632
’13. 8.14 4.5  2.0  5.6 110.0 63.0 400.0  77.0 腐植 3.5 EC 0.423
’14. 6.20 (6.5)  2.0 35.0  92.0 180.0 520.0  72.0 腐植 3.9 EC 1.04
’15. 8.12 6.5  2.0 37.0 130.0 150.0 770.0  90.0 腐植 3.9 EC 1.03
<< 所見 >>この圃場のpHは分析を開始した当初から低すぎる。石灰との関係から考えても、こんな事あるかな?と言う感じです。 ’14年6月20日にやっと正常に戻っている。


 
圃場 NO.7

  ’10年度
     作物:ナデシコ
                                                          分析者:中隈水質土壌分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’10.12.18 5.4 4.1 75.0 160.0 12.0 528.8 86.2 0.35 CL:18.7
 40 Kg
 20 g
        21.6    
2.70
硫酸加里
微量要素
修正値   4.1 75.0 160.0 33.6 528.8 86.2 3.05 18.7
腐植・・・少
石灰が過剰。硝酸・苦土が大過剰。

 『比較:分析表と栽培物の写真』

写真 @ 撮影:’10年12月26日

ナデシコ
写真 A 撮影:’10年12月26日

ナデシコ

  ’11年度
     作物:ナデシコ
                                                          分析者:中隈水質土壌分析室
’11.10.1 5.4 2.8 16.2 180.0 18.0 444.8 86.2 0.10 CL:13.7
35 Kg
20 g
        18.9    
2.70
硫酸加里
微量要素
修正値   2.8 16.2 180.0 36.9 444.8 86.2 2.80 13.7
腐植・・・中
この土壌試料は’10年12月18日付の圃場No.7とNo.8を統合して分析する。
 

纏め表
                                                                         分析者:中隈水質土壌分析室
          単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )<赤字は過剰>
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
塩 素
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70 10.0
’10.12.18 5.4  4.1 75.0 160.0  12.0 528.8 86.2 0.35 18.7
’11.10.11 5.4  2.8 16.2 180.0  18.0 444.8 86.2 0.10 13.7
<< 所見 >>


 
圃場 NO.8

  ’10年度
     作物:ナデシコ
                                                          分析者:中隈水質土壌分析室                                                     
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’10.12.18 5.4 2.8 85.0 150.0 36.1 448.8 56.3 0.25 CL:2.5
20 g               2.70  微量要素
修正値   2.8 85.0 150.0 36.1 448.8 56.3 2.95 2.5
腐植・・・少
硝酸態窒素が大過剰。

 『比較:分析表と栽培物の写真』

写真 @ 撮影:’10年12月26日

ナデシコ
写真 A 撮影:’10年12月26日

ナデシコ

    

纏め表
                                                                         分析者:中隈水質土壌分析室
          単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )<赤字は過剰>
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
塩 素
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’10.12.18 5.4  2.8 85.0 150.0  36.1 448.8  56.3 0.25  2.5
                   
<< 所見 >>


 
圃場 NO.9

  ’11年度
      作物:カーネーション
                                                      分析者:中隈水質土壌分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’11. 6. 5 4.6 4.1 33.7 135.0 66.2 789.0 59.6 0.1 CL:20.1
20 g               2.7  微量要素
修正値   4.1 33.7 135.0 66.2 789.0 59.6 2.8 20.1
腐植・・・中
石灰が大過剰。塩素過剰に注意する。

  ’12年度
      作物:カーネーション
                                                        分析者:住化分析センター
’12. 6.25 4.4 4.0 14.0  55.0 12.0 250.0 51.0 −−− −−−
 35 Kg
 60 Kg
100 Kg
 20 g
  5.9  5.9  
32.4


 53.0
 


2.7
硝 安
硫酸加里
炭酸石灰
微量要素
修正値   9.9 19.9 55.0 44.4 303.0 51.0    
今回から分析者代わります。分析値は欠乏気味だが元肥で修正する。良い土壌になって来ました。

  ’14年度
      作物:カーネーション
                                                        分析者:住化分析センター
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7  
’14. 6.20 (5.6)  2.0  7.1  84.0 55.2 590.0 110.0    
60 Kg
50 Kg
20 g
  10.2 10.2  
27.0
   

2.7
硝 安
硫酸加里
微量要素
修正値   12.2 17.3  84.0 82.2 590.0 110.0 2.7  

腐植・・・4.6  EC・・・・1.266

<所見>定植前分析です。石灰は実際の数値より多い目に検出されていると思います。経験的に550Kgを適量と考えます。 この固形肥料を中心にして、BP液で都度追肥して行けば良いと思います。

この分析では苦土の分析が今回110kgと検出されました。標準値から言えば約3倍です。また、従来の分析では50kg台でした。要観察でお願いします!!

リン酸値は少し過剰の数値になっています。花卉の場合80〜100Kgは適量、丁度良いと思います。

『比較:分析表と栽培物の写真』
写真−@                 撮影:’14年 9月22日
カーネーション
 
写真−A                 撮影:’14年 9月22日
カーネーション
 

  ’16年度
      作物:カーネーション
                                                        分析者:住化分析センター
’16.9.10 6.4(7.3) 2.0  7.0 110.0  86.0 580.0  94.0 −−− −−−
 75 Kg
 20 g
  12.75 12.75        
2.7
硝 安
微量要素
修正値   14.75 19.75 110.0  86.0 580.0  94.0    
腐植 3.8 EC 0.337

<所見>
この圃場は、分析をせずに定植、結果失敗した。その原因と圃場修正するために分析を行った。土壌が疲弊していることが判明。
@ KclでのpH6.4は全く問題ないようだが、H2O計測のpHが7.3は大問題である。一般には、このpHはKclで計測されることが多いが、
  これは、やっぱり真の計測値のH2Oですべきで、議論もこのH2OのpHですべきだ。
A 硝酸態窒素が少ないためにpHが高い。ここでの処置として、硝安75kgを追肥したうえでピートモス(6cf)40〜50袋を散布する。
  この方法で硝酸化成を促進し圃場のpHを下げる。

     
纏め表
          単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )<赤字は過剰>
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
塩 素
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’11. 6. 5 4.6 4.1 33.7 135.0 66.2 789.0 59.6 0.1 20.1
’12. 6.25 4.4 4.0 14.0  55.0 12.0 250.0 51.0 腐植 4.6 EC 1.266
’14. 6.20 (5.6) 2.0  7.1  84.0 55.0 590.0 110.0 腐植 4.1 EC 1.25
’16. 9.10 6.4(7.3) 2.0   7.0  110.0 86.0 580.0  94.0 腐植 3.8 EC 0.337
<< 所見 >>


 
圃場 NO.10

  ’11年度
     作物:カーネーション
                                                      分析者:中隈水質土壌分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’11. 6. 5 4.4 1.5 18.7 125.0 168.5 621.1 46.4 0.2 CL:8.7
30 Kg
20 g
  5.1  5.1         2.7 硝 安
 微量要素
修正値   6.6 23.8 125.0 168.5 621.1 46.4 2.9 8.7
腐植・・・中
加里・石灰が大過剰、注意すること。

  ’12年度
     作物:カーネーション
                                                        分析者:住化分析センター
’12. 6.25 4.2 2.0 16.0  51.0 15.0 230.0 39.0 −−− −−−
 35 Kg
 50 Kg
140 Kg
 20 g
  5.9  5.9  
27.0


 74.2
 


2.7
硝 酸
硫酸加里
炭酸石灰
微量要素
修正値   7.9 21.9 51.0 42.0 304.2 39.0    
加里・石灰欠乏。

 『比較:分析表と栽培物の写真』

写真−@                  撮影:’12年 7月13日
カーネーション
写真−A                  撮影:’12年 7月20日
カーネーション

’13. 3.22 4.1 2.0 23.0  97.0 85.0 480.0 72.0 −−− −−−
 20 g               2.7 微量要素
修正値   2.0 23.0  97.0 85.0 480.0 72.0 2.7  
3月8日採土。

 『比較:分析表と栽培物の写真』

写真−@ 撮影:’13年 2月22日
カーネーション
写真−A 撮影:’13年 2月22日
カーネーション

  ’14年度
     作物:カーネーション
                                                        分析者:住化分析センター
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7  
’14. 6.20 (6.2)  2.0  23.0 100.0 130.0 520.0  76.0 EC 0.680 腐植 3.7
20 g               2.7 微量要素
修正値    2.0 23.0 100.0 130.0 520.0  76.0 2.7  
<所見>定植前分析です。
pH、EC、腐植(NH:NO=2:23)、すべてBESTだと思います。

石灰は実際の数値より多い目に検出されていると思います。経験的に550Kgを適量と考えます。二か月後に再度分析するようにしてください。 その間は、BP液で都度追肥して行けば良いと思います。

苦土の分析値の適量がまだ読めていません。今の生育から行くと丁度良い感じです。それでも、極限量と比較しても約2倍です。

リン酸値は少し過剰の数値になっていますが、花卉の場合は適量を80〜100Kgと考えますからBESTです。

『比較:分析表と栽培物の写真』
写真−@                 撮影:’14年 9月19日
カーネーション
 
写真−A                 撮影:’14年 9月30日
カーネーション

  ’16年度
      作物:カーネーション
                                                        分析者:住化分析センター
’16.9.10 6.4(7.1)  2.0  9.9 140.0 110.0 550.0  68.0 −−− −−−
 65 Kg
 20 g
   11.05  11.05        
2.7
硝 安
微量要素
修正値    13.05  20.05 140.0 110.0 550.0  68.0    
腐植 3.9 EC 0.392

<所見>
この圃場は、分析をせずに定植、結果失敗した。その原因と圃場修正するために分析を行った。土壌が疲弊していることが判明。
@ KclでのpH6.4は全く問題ないようだが、H2O計測のpHが7.1は大問題である。一般には、このpHはKclで計測されることが多いが、
  これは、やっぱり真の計測値のH2Oですべきで、議論もこのH2OのpHですべきだ。
A 硝酸態窒素が少ないためにpHが高い。ここでの処置として、硝安65kgを追肥したうえでピートモス(6cf)40〜50袋を散布する。
  この方法で硝酸化成を促進し圃場のpHを下げる。

    

纏め表
          単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )<赤字は過剰>
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
塩 素
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’11. 6. 5 4.4  1.5 18.7 125.0 168.5 621.1  46.4 0.2  8.7
’12. 6.25 4.2  2.0 16.0  51.0  15.0 230.0  39.0 EC 0.862 腐植 4.0
’13. 3.22 4.1  2.0 23.0  97.0  85.0 480.0  72.0 EC 0.644 腐植 3.5
’14. 6.20 (6.2)  2.0 23.0 100.0 130.0 520.0  76.0 EC 0.680 腐植 3.7
’16. 9.10 6.4(7.1)  2.0  9.9 140.0 110.0 550.0  68.0 EC 0.392 腐植 3.9
<< 所見 >>


 
圃場 NO.11

  ’11年度
     作物:カーネーション
                                                      分析者:中隈水質土壌分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’11. 6. 5 4.3 1.2 16.2 90.2 57.1 643.5 53.0 0.2 CL:6.2
 37 Kg
 20 g
   6.29   6.29         2.7 硝 安
 微量要素
修正値   7.49 22.49 90.2 57.1 643.5 53.0 2.9 6.2
腐植・・・中
石灰過剰。ここは期待の持てる圃場です。

  ’15年度
     作物:カーネーション
                                                        分析者:住化分析センター
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’15. 7.28 6.4 2.0 37.0 120.0 150.0 690.0  81.0    
 20 g               2.7 微量要素
修正値   2.0 37.0 120.0 150.0 690.0  81.0 2.7  
pH・・・6.4(kcl)
     6.8(HO)
腐植・・・3.8,EC・・・0.894
     

纏め表
                                                             分析者:中隈水質土壌分析室/住化分析センター
          単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )<赤字は過剰>
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
塩 素
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’11. 6. 5 4.3  1.2 16.2  90.2  57.1 643.5  53.0 0.2  6.2
’15. 7.28 6.4  2.0 37.0 120.0 150.0 690.0  81.0 EC 0.894 腐食 3.8
<< 所見 >>


 
圃場 NO.12

  ’15年度
     作物:カーネーション
                                                        分析者:住化分析センター
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’15. 7.28 6.3 2.0  5.6 360.0  15.0 1400.0 170.0    
 20 g               2.7 微量要素
修正値   2.0  5.6 360.0  15.0 1400.0 170.0 2.7  
pH・・・6.3(kcl)
     6.7(HO)
腐植・・・2.9
EC・・・・2.8
『所見』初めての分析。石灰が1400kgとは??加里は15kgとあるが欠乏ではないのでこの分析に追肥をせず、様子を見ることにする。
     

纏め表
                                                                                住化分析センター
          単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )<赤字は過剰>
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
塩 素
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’15. 7.28 6.3  2.0  5.6 360.0  15.0 1400.0 170.0 EC 2.8 腐食 2.9
<< 所見 >>


圃場 NO.13
  ’16年度
     作物:トルコキキョウ
                                                        分析者:住化分析センター
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(pH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7 10.0
’16. 3. 5 6.6  2.0  4.2 100.0  41.0 590.0  91.0    
 75 kg
 20 g
  12.8
 
12.8
 
         
2.7
硝 安
微量要素
修正値   14.8 17.0 100.0  41.0 590.0  91.0 2.7  
腐植・・・4.3
硝安75kgは一度に散布すると、根を痛める可能性があるので、2週間毎2回に分けて散布します。
pHはKclは6.6、HOでは7.2です。要注意!!

『比較:分析表と栽培物の写真』
新しく放置されていたハウスを借りて規模拡大しました。土壌の採取は3月5日、下の写真はその20日後と言うことになります。写真を見るとロケットダッシュというところです。しっかりした太い茎で良いと思います。

写真 @  撮影:’16年 3月24日
トルコキキョウ
 
写真 A  撮影:’16年 3月28
トルコキキョウ


= 完 =



このページのTOPへ戻ります
                                       “ INDEX ”ページはココをクリックして下さい。“ INDEX ”ページはココをクリックして下さい。“ INDEX ”ページはココをクリックして下さい。“ INDEX ”ページはココをクリックして下さい。“ INDEX ”ページはココをクリックして下さい。ページへ案内します。