天山南路・西域南道の数々のオアシスを訪ねて、時代を超えて今も続く
              東西交流の地に生きるウイグルの人々の生活を見つめる旅。

はじめに

 少年時代、新世界地図を見るのが好きだった。 地図を眺めていると、いろいろな所に旅ができるからだ。

 いつも気になっていたのがユーラシア大陸だった。中国に渡ってしまえば、陸路でヨーロッパまで行くことを、

何度も地図の上で道を辿り、想像を膨らませ、いつか大人になったら行ってみたいと夢を抱いていた。 20年前、

NHKでシルクロードが放映され、少年時代の夢が突如よみがえった。

シルクロードの旅には、飛行機・バス等で各ポイントを5〜6日で廻ってしまう、身体に楽な旅も多く出回っている。

時間に余裕がないから仕方ないかもしれないが、シルクロードは時間と距離を体で感じることで、本当のシルクロ

ードを観ることが出来ないことを、この旅で実感した。 特にウルムチからカシュガルまでの24時間の列車の旅、

そしてカシュガルからホータンに向かうバスの旅では、天山南路を玄奘三蔵法師が、この路を、この地形をどんな

想いで乗り越え歩いていったのか、また旅人がオアシスを見つけた時どんな喜びの顔を見せたのだろうかと思う気持

ちにさせられる旅でした。 20年前のテレビのシルクロードからすれば、随分近代化されてはいるが、奥地、クチャ・カ

シュガル・ホータンは未だに自分が思っていた少数民族の生活、シルクロードが残されていて感動をした。

 旅行中、何のトラブル、体調を壊すことなく元気に中国シルクロードを踏破できたことは、現地の皆さん旅行者の皆

さんのお陰と感謝しています。また、このシルクロードが中国だけではなく、ヨーロッパにむけてのシルクロードが安全

に行き来できるよう世界平和を願わずにはいられない。

敦煌・カシュガル・タクラマカン砂漠横断の旅

シルクロード