自閉症についての資料を提供する英文サイト http://www.autism-resources.com/ 掲載の推奨書籍リストに挙げらている 上位20冊 の書籍。AUTISM メーリング・リスト等、参加型インターネット媒体 でよく登場する書名と言う事で、人気に基づくリストとも言えます。1990年代に編纂されたので最新刊が掲載されていない等の問題もありますが、未だに参考とされているようです。
自閉症は発症の原因やメカニズムについて、未だ不明な点が多く、療育の専門家の意見も一致していません。ここで上位の本は、多くの人が推奨しているのは確かですが、それぞれに批判もある事をご理解下さい。
日本語訳の状況を併せて記載しました。(2014年 12月現在)
キャサリン モーリス (Catherine Maurice) 著 山村宜子訳 NHK出版 1994年9月
2人の子を自閉症から回復させた母親の手記。
書評
2014年12月現在、絶版となっているよう。古書を入手しなければならない。
自閉症の幼い子供のための行動療法:親と専門家のための手引き
Catherine Maurice, Gina Green, Stephen C. Luce 共著
Pro ed 1996年
ISBN-13: 9780890796832
わが子よ、声を聞かせての著者キャサリン・モーリスと2人の専門家による共著。日本語訳はない。
出版社による紹介(英語)
DAN プロトコル
1995年コロラド州デンバーで行われた Defeat Autism Now! (自閉症を今すぐ克服しよう!)という医療専門家会議で編集された冊子。書店で買える本ではない。その後インターネットでの情報提供となり、日本語のインターネットサイトは「近く発足する予定」と言いつつ、数年経過している。(2014年12月現在、まだ準備中)。
テンプル グランディン著 カニングハム 久子 訳 学習研究社 1997年7月
自閉症の女性による手記。言語の無い状態を経験しているので動物の心理をよく理解できるという。 書評
ロヴァース博士の書。日本語には訳されては無いものの、ザ・ミーブックとして日本でも知られている。
ドナ ウィリアムズ Dona Williams 著 河野万里子 訳 新潮社 1993年
自閉症の人自らが体験を語るという例は少ないが、語り手としては、テンプル グランディンとともにこのドナ ウィリアムズが有名。
テンプル グランディン Temple Grandin, マーガレット スカリアーノ Margaret M. Scariano 共著 カニングハム 久子 訳 学習研究社 1994年
ウィリアム ショー William Shaw 著 The Great Plains Laboratory, Inc. 2008年
自閉症の原因として代謝や消化の不全、重金属中毒、予防接種の副作用、抗生物質の過剰摂取などが考えられると論じ、原因別の症状と食事等による治療法を提案する。 出版社による紹介(日本語)
ドナ ウィリアムズ 著 河野万里子 訳 新潮社 2001年
上記 Nobody Nowhere 自閉症だったわたしへ の続編。この続編の方は後で読んだ方が良いとされている。
日本語には訳されていない。親と子の共著。息子のショーン バロンは自閉症で、かなりの年齢に達してからコミュニケーション能力を身につけた。親と子の双方の回想を並べるという構成で、自閉症の人の思考がよくわかる。 書評
ショーン バロンはテンプル グランディンと共著で『自閉症スペクトラム障害のある人が才能をいかすための人間関係10のルール』を出している。(こちらは和訳されている)
日本語には訳されていない。自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、レッツ症候群の区別について詳しい。
日本語訳があるが、古い本なので入手は難しいと思われる。原題 Son-Rise は『わが子、立つ』という意と、Sunrise (日の出)を掛けている。父親による息子の成長の手記。著者はこの経験をもとに Autism Treatment Center of America 米国自閉症治療センターを設立した。原書 Son-Rise は米国では絶版となったが、続編が出ている。
日本語には訳されていない。上記 5. ザ・ミーブックの次の段階。字を読める自閉症児には特にお勧めの本とされている。
日本語には訳されていない。母親による手記。娘はフランスの Guy Berard 医師から Auditory Integration Training (聴覚統合訓練)を受けて奇跡的に自閉症から解放された。
日本語には訳されていない。自閉症食事療法の実践書。一部専門家は、消化や代謝の不全によってある種のたんぱく質が分解される際、神経に影響を及ぼす麻薬によく似た成分ができてしまう事によって自閉症となる場合がある、と考えている。特定のたんぱく質を避けた料理のレシピ集。
学校、家庭、地域社会での生活のさまざまな場面で、発達障害の子は、どうしてよいかわからず戸惑う事が多い。それぞれの場面をお話(ストーリー)として子供に聞かせ、理解させるという療育方法の本。実際には子供の個性に合わせて親や教師がお話を作らなければならない。本書はいくつかの例を紹介し、創作する際、伝える際の要点を伝えている。ソーシャルストーリーの実例を見ると考え方がわかる。
2010年現在、訳本は入手可能ではあるが、古い本だからか出版元の学苑社のホームページでは紹介されていない。
日本語には訳されていない。治療、教育から法的問題まで述べている。詳細な用語辞典、書籍リスト、関連団体リストつき。
日本語には訳されていない。実生活からの例を示しているので自閉症の人の内面で何が起きているか理解する手助けとなる。