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pH(ペーハー)
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pHとは、0~14の数値で表され、水溶液中のイオン濃度を表す指数で数値により水質が分類されます。
※観賞魚飼育における分類と一般の分類とは多少異なっています。
水質の分類 |
一般的pH値 |
観賞魚飼育におけるpH値 |
酸性 |
1.0~3.0 |
1.0~6.0 |
弱酸性 |
3.0~6.0 |
6.0~6.5 |
中性 |
6.0~8.0 |
6.5~7.5 |
弱アルカリ性 |
8.0~11.0 |
7.5~8.0 |
アルカリ性 |
11.0~14.0 |
8.0~14.0 |
※飼育する生物によって、pHの適正値も変わってきます。(下記は、だいたいの数値です)
※許容範囲を超えているからといって、大幅なpH変動を起こすと飼育魚がショック死する場合があります。(pHショック)
※個体差にもよりますが、生物には適応能力がありますので、緩やかなpH変化の環境で飼育された場合は少々許容範囲を超えた値であっても飼育はできます。(但し、成長や繁殖に大きな影響を及ぼす恐れがあります。)
アルカリ性に傾く要因 |
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・サンゴや貝(カルシウム類を含む)を入れている。(=炭酸塩硬度(KH)が上がる)
・炭酸塩硬度(KH)が高い
・エアレーションが強い(エアレーションを行うことで、水中の炭酸(二酸化炭素)が抜け易くなる)
・塩を入れている(導電率を上がり、pHが上昇)
・活性炭(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等)が溶け出しpHをあげることがある。 |
酸性に傾く要因 |
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・硝酸塩、リン酸が多い
・炭酸塩硬度(KH)が低い
・二酸化炭素が多い(二酸化炭素は水に溶けると炭酸に変化し、弱酸性の性質をもつ)
・ソイル類の底砂を敷いている
・硫化水素(水が滞留する所で発生し易い)
・流木を入れている |
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2) |
アンモニア/アンモニウム(NH3/NH4+) |
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●物質の特質
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・フンやエサの食べ残しによって生じ、猛毒性がある。
・pH値7以上で有害なアンモニアに、pH値7以下の弱酸性では毒性の低いアンモニウムイオンに変化する。 |
●見た目の変化
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・アンモニアが蓄積すると水槽の水は白濁する。
・魚の目が白濁する。
・呼吸困難を引き起こす。
・魚が水底で動かなかったりする。 |
●適正値
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0.25mg/l以下
注意!
水槽立上げ時にはバクテリアが少なくアンモニアの数値が多少上がりますが、適切な飼育(匹数、エサの量等)をしていれば、徐々にバクテリアが繁殖し分解してくれるのでさして心配することはないと思います。 |
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3) |
亜硝酸塩(NO2)
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●物質の特質
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・アンモニアがバクテリア(ニトロソモナス菌)の働きで変化したもので、毒性がある。 |
●見た目の変化
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・魚の目が白濁する。
・魚の元気が無い。
・呼吸困難を引き起こす。
・魚が水底で動かなかったりする。 |
●適正値
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0.8mg/l以下
注意!
水槽立上げ時にはバクテリアが少なくアンモニアの数値が多少上がりますが、適切な飼育(匹数、エサの量等)をしていれば、徐々にバクテリアが繁殖し分解してくれるのでさして心配することはないと思います。 |
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4) |
硝酸塩(NO3)
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●物質の特質
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・亜硝酸がバクテリア(ニトロスピラ菌)の働きで変化したもので、比較的無害。 (但し、溜まりすぎると危険)
・通常バクテリア類では分解されない為、水槽内に蓄積されていく。
・硝酸塩が増えると、KH(炭酸塩硬度)が低下しpHは酸性に傾く。 |
●見た目の変化
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・魚の目が白く濁る、ヒレが溶ける等の症状がでる場合がある。
・魚が脅えたり、茶色のコケが出やすい。
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●適正値
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10mg/l以下 (許容値:25mg/lまで)
注意!
硝酸塩は、一般のバクテリアでは分解されない為、基本的には水換えで水槽外へ出します。
硝酸塩の量
(mg/l) |
飼育魚 |
水草 |
コケ |
水質 |
10以下 |
最適 |
良 |
少ない |
最適 |
10~25 |
良 |
良 |
普通 |
良 |
25~50 |
可 |
良 |
普通 |
一部水換え |
50~100 |
危険 |
可 |
増殖 |
一部水換え |
100以上 |
非常に危険 |
× |
大量増殖 |
大幅に水換え |
※上記は、一般的な目安です。
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5) |
炭酸塩硬度(KH )
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●物質の特質
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・炭酸水素イオンと結合した、カルシウムイオン、マグネシウムイオンの濃度。
(pH値への影響大)
・炭酸塩硬度が高くなるとアルカリ性に、低くなる程酸性になり易い。
・pHの変化を緩和する働きがある。
(KHが異常だとフンやエサ残により急激に酸性化する恐れがある)
・硝化(バクテリアが活動する)により炭酸水素イオンは減少。(KH値が下がる) |
●適正値
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6) |
総硬度(GH )
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●物質の特質
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・水中のカルシウム塩やマグネシウム塩の総量(濃度)を表す。
・総硬度(GH)高いと硬水、低いと軟水。
超軟水 |
軟水 |
中硬水 |
硬水 |
超硬水 |
0~4゜dH |
4~8゜dH |
8~12゜dH |
12~20゜dH |
20゜dH以上 |
・魚や水草、微生物の生物代謝に直接影響する。
・硬度の高い硬水は、アルカリ性になり易い。 (但し、硬度の低い軟水は基本的にpHへの影響はない。)
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●適正値
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7) |
二酸化炭素(CO2)
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●物質の特質
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・水草の育成に最も重要な栄養成分。(水草に適した二酸化炭素量は5~15mg/l程度)
・濃度が高すぎると魚に対して有害となる。
・二酸化炭素が増えるとpHは酸性に傾く。
・二酸化炭素は水中では、炭酸に変わり弱酸性の性質をもつ。
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●見た目の変化
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・20mg/l以上で、魚が鼻上げや呼吸困難を引き起こし易い。
・5mg/l以下で、水草(種類による)が枯れ易い |
●適正値
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8) |
酸素(O2)
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●物質の特質
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・魚、エビ、水草、ろ過バクテリアなどの呼吸のために無くてはならないもの。
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●適正値
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9) |
塩素(Cl2)
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10) |
リン酸(PO4)
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●物質の特質
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・エサ、フンに含まれるたんぱく質から溶け出し、バクテリアによって生成される。
・コケの発生要因にもなる。
・ろ過で分解出来ないがソイルに吸着される。
注意!
リン塩はバクテリアでは分解されない為、基本的には水換えで水槽外へ出します。
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●適正値
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11) |
鉄(Fe)
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●物質の特質
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・水草の必要栄養素の一つで、不足すると主に水草の色が落ちてくる。
・主に水草の赤みを出す元素として知られている。
・鉄には、2価鉄と3価鉄とあり、水草が利用出来る鉄分は2価鉄。
・pHが低いと3価鉄が2価鉄に変わり易く、水草が取り入れ易くなる。 |
●適正値
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12) |
銅(Cu)
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●物質の特質
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・水道水に含まれることがあり、少量は水草に吸収されるが、蓄積すると水槽内の生体にとって大変有害となる。 |
●適正値
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