~金魚飼育の基本の巻~

ここでは、金魚がかかりやすい病気の種類や治療法等、金魚飼育の基本情報について紹介しています。
飼育日記または金魚動画をご覧になりたい方は
   
 
 
 
Ⅰ.金魚の飼育について
  • 1.金魚の大きさ
  • 2.水質管理
  • 3.金魚の病気
  • 4.水温
Ⅱ.金魚の産卵について 
  • 1.雌雄の見分け方
  • 2.産卵時期と回数
  • 3.産卵と孵化
  • 4.稚魚の育成
Ⅲ.金魚の病気と治療
  • 1.病気と原因
  • 2.病気と治療
 
 
 
    
 
お祭りの”金魚すくい”でGetされた金魚。
 
初めて経験した、金魚の産卵。
 
2012年4月。今年初の産卵。
 
  
Ⅰ.金魚の飼育について
 
 基本的にはに記した通りです。

なので、ここでは私が気を付けている事をご紹介します。


  1.金魚の大きさ
  初めは小さな金魚でしたが、すぐに大きくなってしまいました。
水槽は余裕をもったサイズのものを選んでおくといいと思います。
 
  2.水質管理
  ・金魚の種類や当歳魚特有の病気がありますので、病気にならないように水質の管理が大変です。
   (様子がおかしいと思ったら、すぐに1/3程度の水替えを行います。)
・特に夏場の水質は要注意です。
   (水温が高いので、エサの食べ残し等があると水質が急変します)
・冬場の水替えは本水槽の水温と新水の水温を合わせてから入れましょう。(1℃以内の水温に・・・) 

  3.金魚の病気
  ・病気の金魚は別水槽へ隔離して観察後、治療方法を考えます。

  4.水温
  ・気温の変動が激しい季節には水温管理に神経を注ぎます。
(当初、金魚はヒーターを使わなくてもいいと思っていましたが春先・秋口・冬場などはヒーターを使って温度管理をしていた方が病気になりにくいような気がします。また、夏場は水温が高くなりすぎるので、照明器具を設置する高さや日照時間を調整したりしています。)


Ⅱ.金魚の産卵について
   昨年に続き、我が家の金魚さまが産卵をしたので、いろいろと調べてみました。
 
1.雌雄の見分け方 
  産卵の前にはオスとメスの区別をします。
当歳魚のときはこの区別は難しいけれど、2歳魚以上になると区別しやすくなります。
 
 
1)【生殖孔】の形で見分ける方法
  メスの生殖孔が円形に近くやや突き出ているのに対し、オスの生殖孔はメスよりも小さく長楕円形をしている。
 
参考にしたサイトです。こちらで画像をご覧になるとわかり易いと思います。http://www.petippai.com/goldfish/breeding/26.html#top

 
※手に持って見比べれば分かると思いますが、泳いでいる時に見分けるのは難しいです。

2)【追い星】で見分ける方法
  追い星 : 産卵時期になると、2歳以上のオスに出る白い斑点のこと。
追い星はオスが発情した現われであり、主にエラブタや胸ビレ、背ビレなどに現れ、発情の強いものほど大きな点になる。


画像はこちらのサイトが分かり易いです。http://s.webry.info/sp/24844919.at.webry.info/200912/article_9.html

 オスはこちらで見分ける方が分かり易いです。ただ、繁殖期を迎えていないオスもいるので、正確にメスを見極めるのは難しいですが・・・
(ワキンの場合、繁殖期を迎えた♂は♀だけでなく♂も追い掛け回すので、追われる金魚イコール♀ではないようです)


2.産卵時期と産卵回数 
  産卵時期 : 春~夏にかけて。 
       (加温飼育をしている場合はいつでも産卵する事が出来きます。)

産卵水温 : 15~20℃ 
       (秋にも同じ水温になりますが、冬の低水温のため発育障害が起こる可能性があります。)

産卵回数 : 一回の産卵で約5000個、多い品種では1万個の卵を、1~3週おきに数回産卵します。


★我が家では、水温21℃位から産卵行動が始まり、22~23℃位が盛んになりました。また、一週間おきに産卵する為、一度産卵すると次の予測がたちました。


3.産卵と孵化について 
 
1)親魚の選別
  ・メスは2歳魚から産卵可能ですが、最適齢期は3~5歳魚です。
・オスは2~4歳魚。
・金魚も遺伝する為、できるだけ体形や体質の良い親魚を選ぶ方が無難です。
・通常メス1に対しオス2、またはメス2に対しオス3匹ぐらいの割合で選ぶと受精率が高くなります。


2)産卵前に準備するもの
  ●産卵は飼っている水槽とは別の容器で行った方が良いかもしれません。

  ①できるだけ表面積が広いもので、水深は20センチもあれば十分です。

  ②産卵槽の中に新しく汲み置いた水を入れます。

  ③水温は20℃前後が理想ですが、飼育水の水温と同じが方が無難です。

  ④卵を産み付ける魚巣を入れる。(カボンバやアナカリス、フサモなどの水草)
   ※市販のナイロンやプラスチック製の人工魚巣でも可。
     (ビニール紐を束ね細く裂いた物でも代用できます。)
   ※魚巣はばらばらにならないように根元を束ねてくくり、オモリなどで根元を沈めます。
 
  ★我が家の産卵槽
   我が家では、産卵槽は設けずに親魚の水槽で産卵させ(勝手に産卵するのですが・・・)
   卵を産みつけた魚巣を別水槽へ移しています。
   流金の場合はそれで問題なく飼育できているのですが、ワキンの場合は、雌雄別々の水槽で飼育
   しています。ワキンの♂は♀が瀕死状態になるまでつつき、目玉が取れてしまいました(T T)
   以後、ワキンは産卵させないようにしています。 

  ⑤エアーポンプでエアレーションも忘れないように。

  ★我が家でのエアレーション活用方法
   卵の間は、エアレーションを少し強めにして、密着した卵と卵の間に水が滞留しないようにしています。
   (エアレーションを活用するのとしないのとでは、やはり活用した方がふ化率が高いと感じました。)
   いよいよふ化しそうだなと思ったら、エアレーションを少し弱めにします。ふ化直後の稚魚は泳ぎがとて
   も下手で、ガラス面や魚巣にへばりついて泳ぎません。なので、水流に流され体力を消耗しないよう
   に、エアレーションを弱めます。

3)産卵行動
  ①産卵槽に移す前はしばらくの間オスとメスを別々に飼育します。

②産卵槽に親魚たちを放すと、オスはメスを追いかけメスのお腹をつつきます。

③メスは産卵槽の魚巣に体をこすりつけるようにして卵を産み付け、オスはすかさず射精します。

④産卵行動はタイミングがよければ、移した翌日か翌々日の早朝から昼の間に行われます。

⑤産卵が終了後、親魚は元の別々の飼育水へ戻し、十分休息させ1~2日後にエサやりを開始します。

⑥産卵行動はこの後も何度か繰り返されます。


4)ふ化までの日数
  ●産卵後ふ化するまでの日数は、水温と密接な関係があります。
  ・14℃で10日 、 17℃で7日 、 19℃で5日 、 25℃で3日
 ※通常5~6日でふ化するのが良いと思います。
 ※ふ化までの日数が早くても遅くてもよい結果になりません。(ふ化した稚魚に奇形が目立ちます。)
 ※水温を18~20℃に保つ環境作りが理想的です。


5)ふ化水槽の準備
  ・産卵が終わったら産卵槽の魚巣をふ化槽へ移します。
・ふ化槽には産卵槽と同じ水温の水を入れ、エアレーションをします。
・水温が低い場合はヒーターで18~20℃に保ちます。
 ※魚巣を移す時は、卵を落とさないように気を付けましょう。
 ※ふ化槽を用意できなければ産卵槽でふ化させる。


6)ふ化までの管理
  ・受精すると透明ですが、受精しなかったり、途中で死んでしまうと乳白色になります。
・乳白色の卵は腐って水生菌の繁殖を招くので、すみやかにスポイトなどで吸い取って除去しましょう。
・場合によってはマラカイトグリーンなどで消毒(薬浴)及び水換えが必要になります。
・発育が進むにしたがって、卵の中に黒い点が2つ見えるようになります。(稚魚の目)
  
※上記の消毒及び水換えは、稚魚の目が確認できてから行います。
 

4.稚魚の育成
 
1)稚魚の成長
  ・ふ化直後の稚魚は全長4mmほどで、15日で12mmほどに、30日で20mmほどに成長します。
・2ヶ月ほどでほぼ体形が整います。
・体色は始め半透明で、やがてフナ色になり、ふ化後約2ヶ月ほどで金魚特有の美しい体色になります。


★我が家での体色変化
    我が家の金魚はキャリコ流金で透明鱗を持つ種類だからか??
   ふ化直後は半透明で、やがてフナ色になる固体と白い固体とに分かれます。初め白い稚魚を見た時は、
   「ヤッター♪♪アルビノだっ!!」と思いましたが、ところどころに薄黄色が出てきたかと思うと色がだんだんと
   濃く、赤色に発色しキャリコ柄になったりと、発色ひとつにとってもバラエティに富んでいます。
   トラ柄の稚魚もいました。

2)ふ化後の管理

  ①ふ化したばかりの稚魚はあまり泳がないでじっとしています。

②すぐにエサを与える必要はありません。
  (腹部に栄養の入った袋(卵のう又はさいのう)があり、そこから栄養を吸収している為。)

③3日ほどで卵のうの栄養もなくなり、稚魚はエサを求めて泳ぎ回るようになります。

④魚巣を取り出します。(水中で魚巣に付いている稚魚を軽く振り払います。)

⑤これよりエサやりなどの稚魚の飼育が始まります。
 ※飼育槽はふ化槽を使用してもよいが、成長するにつれより大きな水槽やエアーポンプ等の装置が
  必要となります。
 ※稚魚は病気にかかりやすいので予防の意味でもできるだけ広い環境で育てることが大切です。


3)エサの与え方

  ・稚魚に限らず金魚に与えるエサは天然飼料が理想的です。
・特に稚魚には小さめのミジンコが最適。(生きたミジンコは食べ残しても水質を悪化させない為)
・ミジンコが手に入らなければ市販のブラインシュリンプの乾燥卵を人工ふ化させて与えます。
・人工飼料は水質を悪化させるのでおすすめできませんが、与える場合は粉状にすりつぶして与えます。
・1日に2~3回適量与えます。(人工飼料の場合は与えすぎに注意。)
・稚魚期に与えるエサの量が少ないとその後の育ちが悪くなるので、サジ加減が難しいです。


 
エサの種類(稚魚に限らす、成魚も含む)

人工餌  ・簡単に手に入る。
・栄養のバランスが良い。
・浮くタイプと沈むタイプがある。
・浮くタイプは食べ残を取り除き易い
固形のペレット 直径3~5ミリで、大き目の金魚に向いています。
選ぶ時は飼っている金魚の口に入る大きさを選ぶ。 
顆粒のクランブル  粒が小さいので小型の金魚に向いている。
しかし小さいため与えすぎに注意。
粉末のマッシュ 主に配合用になります。単独での使用はあまりしない方が良い。
天然餌 ・人工エサより高価な場合が多い。
・自然界に存在する為、水が汚れにくい。
・金魚が喜んで食べる。
ミジンコ 池や沼に生息する動物性プランクトンで、体長は数ミリ。孵化した稚魚のエサとして人気がある。またミジンコの繁殖も出来るので便利。ミジンコの他に、ケンミジンコ、タマミジンコというのもある。
赤虫
(アカボウフラ)
キレイな川に生息するユスリカの幼虫。金魚の体色が鮮やかになり、ランチュウなどは肉瘤も大きく盛り上がる。金魚がとても好んで食べるので、最高の天然エサと言われている。
糸ミミズ 泥などに生息するミミズで、糸のような細さの小型のミミズ。採取した場合はキレイな水に入れて泥を吐き出させてから金魚に与える。
ブラインシュリンプ 海に生息するエビの幼生。主に稚魚様のエサとして使われる。熱帯魚店などで乾燥した卵を買い、塩水で孵化させてから金魚に与える。
 
 我が家で稚魚に与えているエサは「殻無ブラインシュリンプ」です。
金魚の稚魚育成が初めてだった昨年、ペットショップの店員さんに薦められたエサです。

塩水で孵化させる手間がないので、手軽に使えます。

4)稚魚の選別と水換え
  ふ化した稚魚を全て育て上げることは不可能です。そこでよりよい金魚だけをを残す作業を行います。
選別は何回かに分けて行います。できるだけ早い時期に行うのがよいが、あまり小さすぎては選別できない為、
ふ化後1ヶ月ほどして、水換えもかねて1回目の選別を行うとよいと思います。
選別には底の白い容器を使用し、稚魚移動にはネットを使います。選別の仕方は自由です。

参考にさせて頂いたサイト

 
ぷーさんの知恵袋 : http://www12.plala.or.jp/poo_san/tie/houhou_6.html
 
金魚のふやし方 : http://www.astar.jp/katsuokun/kingyo_siiku/p8.html



Ⅲ.金魚の病気と治療


   金魚の病気の種類はたくさんあるようです。原因は同じでも、症状が多少異なる場合が多いようです。
大きく分類すると、「カビや細菌による感染症」「寄生虫によるもの」「その他」があります


1.病気と原因 
 
1)細菌性の病気
病  名  症  状  と  原  因 
金魚ヘルペス
(ヘルペスウィルス性
造血組織壊死症) 
症状 春と秋によく発生する金魚だけの病気。.
・貧血になり体力が衰え、混合感染が生じやすい。
・外見的な異常が無いまま衰弱して死に至る。  
原因 ・腎臓や脾臓など血液をつくる内臓にキンギョヘルペスウイルス感染しておこる。
・水温が15~25℃の時に感染しやすく、
致死率・伝染力が異常に強い。  
ポックス病
(乳頭腫症)  
症状 ・コイ科魚の各所に腫瘍できて、剥離しにくく、無理にはがすと出血する。
・自然に治癒することもあるが、再発することが多い
 
原因 ・ヘルペスウイルス科に属するDNAウイルス(上皮腫ウィルス)の感染。
・死亡率は低いが、成長不良、衰弱、合併症により死に至る。
 
白点病   症状 ・小さな白点が体全体に見られ、エラに寄生すると呼吸困難となり死に至る。
・底砂や流木などに体をこすりつけたりする。
 
原因 ・繊毛虫の寄生。
・成虫は、魚から離れ水底で分裂し、また寄生する。
春先や秋、水温15℃前後に多発。 
赤班病
(トリコディナ症)  
症状 ・体表やヒレ、エラなどに小さな赤い出血斑ができる。
・悪化すると白い膜が包み、ウロコが落ちヒレが切る。
・エラに寄生すると窒息死する。
 
原因 ・繊毛虫類のトリコディナが体表やヒレ、エラなどに寄生。
  (
運動性エロモナス菌感染によっても起こる
・特に稚魚や当歳魚に多く発生。
・水質悪化や、飼育数の過剰によって発生。
 
白雲病
(キロドネラ症)  
症状 ・体表が白濁し白点病の進んだものと区別がつかない
・著しく行動が不活発になり、食欲低下。
・エラに寄生すると呼吸困難を起こし死に至る。
 
原因 ・水温の変化が激しい、春先や梅雨時に多発
・繊毛虫類キロドネラ・ピシシコスの鰓寄生。
 
黒班病
(コスティア症)  
症状 ・エラに寄生すると酸欠状態になる。
・体に土やゴミが付着する。
・魚の体やヒレが黒くなる。(白雲病が治った後に良く見られる)
 
原因 ・べん毛虫類コステアの寄生が原因。 
運動性エロモナス症
(赤斑病)
(立鱗病・松かさ病)
(ポップアイ) 
症状 【初期】 体表・ヒレなどが白っぽく見える。
【中期】 表皮下で内出血を起し、体表が赤く充血する。
【末期】 潰瘍状態になり、最終的には死亡する。
  ※松かさ病や腹水・ポップアイ・水カビ病等を併発する。
  ※赤斑病はトリコディア
(繊毛虫)の寄生によっても起こる 
原因 ・運動性エロモナス菌の感染。(菌は、水温25~30度がもっとも活発になる)
・魚の抵抗力が落ちている時や、体表に傷がある時には、感染・発病しやすい。
・飼育数の多すぎや、水質の悪化が原因となることが多い。
・初期対応が重要で症状が進んだものは回復困難。
 
非運動エロモナス症
(穴あき病)  
症状 【初期】・ウロコの一部が膨らみ、赤班が見える。
【中期】・赤班が広がり、鱗が透明化して剥がれる。
【末期】・体表に筋肉まで露出して、穴が空いたように見える。
     ・腹部、背部、尾柄部などに潰瘍がでる。

  ※進行は比較的ゆっくりと進むが、水質の悪化や酸素量が少ないと進行が早く、死に至る。
 
原因 春先や秋に多発。エロモナス・サルモニシダに感染して起こる。
  (菌は比較的低水温を好み高水温を嫌う。)
・エロモナス菌は淡水中の常在菌であり、
全滅させる事は不可能
・エロモナス菌類は筋肉溶解や出血を引き起す。 
水カビ病   症状 ・魚の体や鰭に白い綿状のものが見え、広がると赤く充血することがある。
・外傷や寄生虫による傷がある場所に寄生する事が多い。
   ※
似た症状に白雲病がある。 
原因 春先や秋、水温15℃前後に多発、傷口から感染。
・水カビ科の糸状菌の寄生が原因。
・綿状に見える菌糸は植物の根のように魚の体の中に入り養分を吸収する。
 
カナムナス症
(尾ぐされ病)
(口ぐされ病)
(エラ腐れ病)
症状 ・水カビ病に似るが、カラムナリス病は患部に菌糸が見えない。
・尾・各ヒレが充血、先端部は白濁し、やがてヒレが溶け破れ傘状態になる。
・体表が白くボロボロになり、うろこが剥がれる。
・口周辺が炎症を起し、欠けたり、エラが腐って欠落したりする。
・呼吸困難に陥り、鼻上げしたりする。
原因 ・フレキシバクターカラムナリスに感染して起こり、感染部位の伴いエラ腐れ病、ヒレ腐れ病、口腐れ病、皮膚のカラムナリス病という病名で呼ばれる。
  ※
ダクチルギルス、ギロダクチルギルス(吸虫類)サイクロキータ トリコディナ(繊毛虫類)の寄生によっても同じ症状となるので注意が必要。当然治療方法も異なる。 
腎肥大症  症状 ・満1歳以下の魚のみがなる病気。
・重症になると回復は見込めない難病。
・症状が出るのは秋から冬、越冬後にも発病する。
・腎臓が正常の十倍にも肥大し腹部が大きく膨れる。
・重症なものは平衡感覚を失い横転したり、腹を上に向ける。
 
原因 ・腎臓細尿管や輸尿管などの細胞と管腔内に粘液胞子虫が寄生して発症。
・夏になると水中に放出し金魚に感染する。
・潜伏期間が3カ月~1年前後。
 

 
2)寄生虫による病気
病  名  症  状  と  原  因 
ツリガネムシ
  エピスチリス症  
症状 ※綿状のカビがウロコの表面から生じる。
 (ウロコの隙間からカビが生じている場合は別の病気。)
水カビ病白点病に似ている。
【初期】・鱗に米粒大の白点が一二カ所生じ、拡大、転移する。
【中期】・白点は次第に拡大し、皮膚は充血して発赤、鱗が立鱗し、脱落する。
     ・潰瘍を起こして、汚泥が付着し水カビ病のようになる
     ・体表を擦り付けるような行動をする。
【末期】・水面近くを浮遊し、食欲が不振となる。
原因 ・ツリガネムシが魚の体表や鰭に着生。(水温12℃以上で発生、20℃以上で多発)
・進行すると「穴あき病」や「尾腐れ病」によく似た症状になる。
・発生時期は春から秋で被害は全年齢魚に及ぶ。
イカリ虫の寄生 症状 春から秋にかけて発生
・イカリムシが体表面に寄生する。
・寄生虫は表皮から口を差し込んで金魚の体液を吸う。
・底材や石、流木などに体をこすりつける。
・金魚はだんだんと弱っていき、失血死する。 
原因 ・イカリムシが寄生することにより起こる。
新しく買った魚や水草に付いてくるかが殆ど
・生餌等に混入していることもある。
・一匹の成虫から一回に約300個の卵が放出され、その約9割以上が孵化する。
・二次感染(エロモナス菌の感染から穴あき病、松かさ病等)に注意。 
ウオジラミの寄生   症状 ・一年中、特に高水温の夏ごろ多発、伝染しやすい。
・ウオジラミが体表面に寄生する。
・寄生虫は表皮から口を差し込んで金魚の体液を吸う。
・金魚はだんだんと弱っていき、失血死する。 
原因 ・ウオジラミの寄生による。
新しく買った魚や水草に付いてくるかが殆ど。
・生餌等に混入していることもある。
 
吸虫病 
(ギロダクチルス病)
(ダクチロギルス病) 
 
症状 【初期】・エラに寄生してすぐは、症状が殆どない。
     ・体表面に寄生すると体表は白濁する。(
白雲病似
【中期】・鰓からの出血や粘液の異常分泌。
     ・鰓の開きが大きくなる。
     ・体表は出血斑が出来たり、ただれる。
【末期】・鰓蓋が動かなくなり呼吸困難で衰弱死。
    ・食欲の低下や活動性の低下。
     ・崩壊した鰓は元通りにはならない。 
原因 春と夏に多発、水質の悪化により発生、治りにくい。
・ギロダクチルスやダクチロギルスの寄生。
・ギロダクチルスは主に体表やヒレに多く寄生。
・ダクチロギルスは主にエラに多く寄生。 

 
3)その他の病気
病  名  症  状  と  原  因 
水泡病
ガマガエル症候群(病) 
症状 ピンポンパール系の金魚のみに発症する。
・鱗の下から水泡が出てくる。ひどくなると鱗のない部分にまで水泡ができる。
・かなり致死性の高い病気。
原因 原因不明(松かさ病等と同じエロモナス菌が原因であると言う意見が多い)
転覆病  症状 ・エサを食べた後など体が傾いたりして泳ぎにくい。
・腹を上にして浮く。
・頭を下に尻を上にした状態で浮く。
・餌を食べるし、すぐに死ぬことは無。
・他の魚に感染しない。
 
原因 リュウキン型金魚に多く見られる。
・浮き袋の調整機能不全
・金魚の脊椎の中の平衡感覚に関係する神経に支障をきたして転覆するともいわれる。
・腎腫大症によっても転覆する。 
消化不良 症状 ・細くて白いフン。
・粘液に包まれたフン。
・液状のフンをする。
・重症になると腸炎になり、激しい痙攣や猛烈な勢いで泳いだりして、程なく死に至る。
 
原因 ・水温の急変、水質の悪化。
・エサの与えすぎや古く変質したエサを与えた場合などに発生。
 

●まとめ

 ・細菌性の病気の主な原因は
水質の悪化や水温の急変で、日頃からこまめに水換えを行っていればある程度防げる病気であると思えます。

 ・寄生虫による病気も新しく魚を購入等した時には、いきなり水槽に移さず寄生虫がついていないかをよく観察し、
購入した際の水は水槽に移さないようにすれば防ぐことができると思います。

 
※いずれの病気にしても、普段から観察をし、早めの対策・治療が金魚を長生きさせるポイントだと思います。 

    朝、観察した時は普通に泳いでエサも普通に食べていたのに、夕方には水槽の底の方でじっとしていて、エサにもよって来ない金魚がいました。よく見ると体表に充血したような痕があったので、水換えをしたところ、数時間で元気に泳ぎだし、数日後には体表もきれいに治ってなっていました。
  早期発見をすれば、水を一部換えただけで治る場合があります。 




2.病気と治療
 病気の治療法は水換えをしただけで治る病気もあれば、治療法がない病気もあります。
下記は、私が調べたものですが、実際に経験していない病気もありますので、参考程度にとどめて下さい。
また、
薬品を使用する場合は、使用上の注意をよく読んで、自己責任で治療に当たってください。 

病   名 治   療   方   法  塩浴
(%) 
水温
(℃) 
金魚ヘルペス  水換えは必須。隔離して絶食。エアレーションを入れる。
・水10㍑にイソジン4~5滴入れた飼育水に永久浴。
・3日以内に水温を30℃位に上げる。

  ★ 有効な薬品 ★
ホルマリン・オキシドール・イソジン等 
0.5 30
ポックス病 
(乳頭腫症) 
・水槽用具一式を塩素消毒。
治療法なし   
白点病 水換えを行う。
・水温を28~30℃位にするだけで、治る場合もある。

  ★ 有効な薬品 ★
メチレンブルー・グリーンF・サンエース・マラカイトグリーン・トロピカルゴールド・フレッシュリーフ等 
0.5~0.6 28~
30
赤班病
(トリコディナ症) 
水換えと病魚の隔離。
・薬浴、塩浴を併用すると効果が増す。
 (2%の塩水に30分泳がせ、その後に薬浴を3日位行う)

  ★ 有効な薬品 ★
パラザンD・メチレンブルー・グリーンFエルバージュ・トロピカルゴールド等 
2
 
白雲病
(キロドネラ症) 
水換えを行う
・塩浴後グリーンFゴールト等の゙薬浴をすると効果が増す。
 (1~1.5%の塩水に30分、その後薬浴を3日位行う)

  ★ 有効な薬品 ★
メチレンブルー・グリーンF・サンエース・マラカイトグリーン・トロピカルゴールド・フレッシュリーフ等 
1~1.5
 
黒班病
(コスティア症) 
水換えを行う。

  ★ 有効な薬品 ★
メチレンブルー・グリーンF・サンエース・マラカイトグリーン・トロピカルゴールド・フレッシュリーフ等 
 
運動性エロモナス症
(赤斑病)
 (松かさ病)
 (ポップアイ) 
白点病との混同に注意!
水換えを行う。(必須)
・パラザンD
経口投与(2.3粒)

  ★ 有効な薬品 ★
パラザンD・サンエース・エルバージュ・グリーンFゴールド等 
0.5 26以下
又は30 
非運動エロモナス症
(穴あき病) 
・パラザンD経口投与(2.3粒)
水換え、砂利やろ材の洗浄を行う。

  ★ 有効な薬品 ★
パラザンD・エルバージュ・グリーンFゴールド等 
0.5~0.6  
水泡病  水換えを行う。(必須)
・塩浴と薬浴の併用で効果が増す。

  ★ 有効な薬品 ★
パラザンD・エルバージュ等
0.6  
水カビ病 水換えを行う。
・塩浴と薬浴の併用で効果が増す。

  ★ 有効な薬品 ★
メチレンブルー・グリーンF・マラカイトグリーン・トロピカルゴールド・フレッシュリーフ等 
0.6  
カナムナス症
 (尾ぐされ病)
 (口ぐされ病)
 (エラ腐れ病) 
水換え必須(底砂、ろ材の洗浄又は交換を行う)。病魚の隔離。
・0.3%~0.5%の塩浴
  (菌は塩分に比較的弱い為、1%の塩水浴でも進行を抑えることができる)
・水カビ合併症時、メチレンブルー、ニューグリーンFを追加する。

  ★ 有効な薬品 ★
パラザンD・グリーンFゴールド・サンエース・エルバージュ・フレッシュリーフ等 
0.3~0.5   
ツリガネムシ
  エピスチリス症  
・鱗の間からカビが生じる場合は別の病気(水カビ病や白点病)

  ★ 有効な薬品 ★
メチレンブルー・グリーンF・マラカイトグリーン・トロピカルゴールド・フレッシュリーフ等 
●   
イカリ虫の寄生  ・寄生している虫をピンセット等で取り除く。
・浮遊期しか薬が効かない為、死滅するまで最低1ヶ月位要する。

  ★ 有効な薬品 ★
トロピカルゴールド・リフィッシュ等 
●   
ウオジラミの寄生  ・寄生している虫をピンセット等で取り除く。
・比較的短期(数日)の薬浴で簡単に駆除できる。

  ★ 有効な薬品 ★
トロピカルゴールド・リフィッシュ等 
●   
腎肥大症  ・病魚を隔離する。
治療法なし 
●   
吸虫病 
(ギロダクチルス病)
(ダクチロギルス病) 
白雲病に似ている為、注意が必要。

  ★ 有効な薬品 ★
トロピカルゴールド・グリーンF・リフィッシュ等 
1.0  
転覆病  ・絶食して水温を28℃位にする。
・沈下性のえさや消化の良いえさに変える。 
  25以上 
消化不良  ・絶食(数日~1週間)  ●  25 

経口投与 : 薬品をえさに混ぜること。液体のものはえさを原液に浸して乾燥させる。粉末のものは高濃度の液を作りえさを浸して乾燥させる。
※薬浴を行う場合は活性炭を除去する。(活性炭が薬の成分を吸収してしまう為)
※メチレンブルー水溶液やグリーンFは光でその成分が分解されてしまう為、照明は点けないほうが無難。
※マラカイトグリーンは水草に影響を及ぼすので、水草を取り除いてから薬品を投入する。
※リフィッシュやトロピカルNは低水温であるほど、効果が高く、高水温になると薬害を起こす恐れがある。
※パラザンD、グリーンFゴールドリキッドは、耐性菌発生に注意。

  ★私の治療方針 : 基本的には薬品を使いません。(早期発見の場合は下記の手順で治療します)

  ①先ずは水換えをして様子をみる。(殆どの場合がこれで改善される)
  ②水換えで改善されなければ、塩浴を行う。
  ③それでも改善されなければ、水温を上げる(水温を上げることが有効な病気の場合のみ)
  ④それでも改善されなければ、薬品を使用する。

  私の経験上、殆どが①~③までで完治しました。

★経験上、嫌な病気
 ・転覆病 
    治してあげることが出来ませんでした。
    すぐに死ぬことは無いので、長い間金魚を苦しめたと感じました。
 ・腎肥大症
    当歳魚のときに発病したのですが、腹部が膨らんだのは変形途中(流金?)と思ってい
    たのですが、数日経過すると膨らんでいたお腹が戻っていました。
    よく分からないまま放置していて、それが原因か??水槽内の稚魚が大量死して
    しまいました。

 




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なまずと気ままな徒然日記/きんちゃん日記編~金魚飼育の基本編の巻~