病 名 |
症 状 と 原 因 |
金魚ヘルペス
(ヘルペスウィルス性
造血組織壊死症) |
症状 |
・春と秋によく発生する金魚だけの病気。.
・貧血になり体力が衰え、混合感染が生じやすい。
・外見的な異常が無いまま衰弱して死に至る。 |
原因 |
・腎臓や脾臓など血液をつくる内臓にキンギョヘルペスウイルス感染しておこる。
・水温が15~25℃の時に感染しやすく、致死率・伝染力が異常に強い。 |
ポックス病
(乳頭腫症) |
症状 |
・コイ科魚の各所に腫瘍できて、剥離しにくく、無理にはがすと出血する。
・自然に治癒することもあるが、再発することが多い |
原因 |
・ヘルペスウイルス科に属するDNAウイルス(上皮腫ウィルス)の感染。
・死亡率は低いが、成長不良、衰弱、合併症により死に至る。 |
白点病 |
症状 |
・小さな白点が体全体に見られ、エラに寄生すると呼吸困難となり死に至る。
・底砂や流木などに体をこすりつけたりする。 |
原因 |
・繊毛虫の寄生。
・成虫は、魚から離れ水底で分裂し、また寄生する。
・春先や秋、水温15℃前後に多発。 |
赤班病
(トリコディナ症) |
症状 |
・体表やヒレ、エラなどに小さな赤い出血斑ができる。
・悪化すると白い膜が包み、ウロコが落ちヒレが切る。
・エラに寄生すると窒息死する。 |
原因 |
・繊毛虫類のトリコディナが体表やヒレ、エラなどに寄生。
(運動性エロモナス菌感染によっても起こる)
・特に稚魚や当歳魚に多く発生。
・水質悪化や、飼育数の過剰によって発生。 |
白雲病
(キロドネラ症) |
症状 |
・体表が白濁し白点病の進んだものと区別がつかない。
・著しく行動が不活発になり、食欲低下。
・エラに寄生すると呼吸困難を起こし死に至る。 |
原因 |
・水温の変化が激しい、春先や梅雨時に多発。
・繊毛虫類キロドネラ・ピシシコスの鰓寄生。 |
黒班病
(コスティア症) |
症状 |
・エラに寄生すると酸欠状態になる。
・体に土やゴミが付着する。
・魚の体やヒレが黒くなる。(白雲病が治った後に良く見られる) |
原因 |
・べん毛虫類コステアの寄生が原因。 |
運動性エロモナス症
(赤斑病)
(立鱗病・松かさ病)
(ポップアイ) |
症状 |
【初期】 体表・ヒレなどが白っぽく見える。
【中期】 表皮下で内出血を起し、体表が赤く充血する。
【末期】 潰瘍状態になり、最終的には死亡する。
※松かさ病や腹水・ポップアイ・水カビ病等を併発する。
※赤斑病はトリコディア(繊毛虫)の寄生によっても起こる。 |
原因 |
・運動性エロモナス菌の感染。(菌は、水温25~30度がもっとも活発になる)
・魚の抵抗力が落ちている時や、体表に傷がある時には、感染・発病しやすい。
・飼育数の多すぎや、水質の悪化が原因となることが多い。
・初期対応が重要で症状が進んだものは回復困難。 |
非運動エロモナス症
(穴あき病) |
症状 |
【初期】・ウロコの一部が膨らみ、赤班が見える。
【中期】・赤班が広がり、鱗が透明化して剥がれる。
【末期】・体表に筋肉まで露出して、穴が空いたように見える。
・腹部、背部、尾柄部などに潰瘍がでる。
※進行は比較的ゆっくりと進むが、水質の悪化や酸素量が少ないと進行が早く、死に至る。 |
原因 |
・春先や秋に多発。エロモナス・サルモニシダに感染して起こる。
(菌は比較的低水温を好み高水温を嫌う。)
・エロモナス菌は淡水中の常在菌であり、全滅させる事は不可能。
・エロモナス菌類は筋肉溶解や出血を引き起す。 |
水カビ病 |
症状 |
・魚の体や鰭に白い綿状のものが見え、広がると赤く充血することがある。
・外傷や寄生虫による傷がある場所に寄生する事が多い。
※似た症状に白雲病がある。 |
原因 |
・春先や秋、水温15℃前後に多発、傷口から感染。
・水カビ科の糸状菌の寄生が原因。
・綿状に見える菌糸は植物の根のように魚の体の中に入り養分を吸収する。 |
カナムナス症
(尾ぐされ病)
(口ぐされ病)
(エラ腐れ病) |
症状 |
・水カビ病に似るが、カラムナリス病は患部に菌糸が見えない。
・尾・各ヒレが充血、先端部は白濁し、やがてヒレが溶け破れ傘状態になる。
・体表が白くボロボロになり、うろこが剥がれる。
・口周辺が炎症を起し、欠けたり、エラが腐って欠落したりする。
・呼吸困難に陥り、鼻上げしたりする。
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原因 |
・フレキシバクターカラムナリスに感染して起こり、感染部位の伴いエラ腐れ病、ヒレ腐れ病、口腐れ病、皮膚のカラムナリス病という病名で呼ばれる。
※ダクチルギルス、ギロダクチルギルス(吸虫類)サイクロキータ トリコディナ(繊毛虫類)の寄生によっても同じ症状となるので注意が必要。当然治療方法も異なる。 |
腎肥大症 |
症状 |
・満1歳以下の魚のみがなる病気。
・重症になると回復は見込めない難病。
・症状が出るのは秋から冬、越冬後にも発病する。
・腎臓が正常の十倍にも肥大し腹部が大きく膨れる。
・重症なものは平衡感覚を失い横転したり、腹を上に向ける。 |
原因 |
・腎臓細尿管や輸尿管などの細胞と管腔内に粘液胞子虫が寄生して発症。
・夏になると水中に放出し金魚に感染する。
・潜伏期間が3カ月~1年前後。 |