マナマズ飼育の基本の巻
  マナマズの基本情報を紹介しています。
動画飼育日記をご覧になりたい方は の巻  
   
 
 

 
Ⅰ.マナマズの特徴と生態

Ⅱ.マナマズ飼育について

 
1.水槽の置き場所
 2.飼育水について
 3.レイアウト品について
 4.水槽の大きさと強度について
 5.その他

Ⅲ.マナマズ病気について

 1.主な病気と原因
 2.病気の治療方法

Ⅳ.複数飼育について

 
 
    

Ⅰ.マナマズの特徴と生態
 
特徴
  顔  : 上から押したように平べったい。

口  : 幅広く裂けたような口をもっています。

ヒゲ : 上顎に一対、下顎に一対あります。
     (幼魚の時は、下顎にもう一対のヒゲ
      がありますが成長と共に消失します。)

体長 : 大きいもので60cm位あります。

体表 : ウロコがなく粘膜でおおわれています。

産卵行動 : 群れをなして水田など浅い水域に集まり、
        ♂が♀の体に巻きつく独特の繁殖行動を
        します。
 

生態
生 息  流れの緩やかな河川・湖沼から水田・用水路などに生息し、岩礁域よりも水草の繁茂する泥底域に多くみられます。
食 性  肉食性でドジョウやタナゴなどの小魚、エビなどの甲殻類、昆虫、カエルなどの小動物を捕食します。
水 温  適水温は 20℃~28℃位(冬の水温が低い時期は冬眠します)   
性 格  縄張り意識が強く、臆病で神経質ですが、食欲は旺盛です。(口に入るものは殆ど何でも飲み込んでしまいます。)
繁 殖
 雌雄の区別  : 外見だけでは区別するのが難しいですが、オスの尾びれが根元まで裂けている場合が多いです。
 繁殖時期  :

5月から6月が中心。 水田や浅い水域に群れをなして集まり、オスがメスの体に巻きつく行動をした後、水草や水底に産卵します。
 卵の大きさ  : 約3mmで黄緑色をしている。
 ふ化  :

約2~3日でふ化して、翌日にはミジンコなどのエサを食べます。(固体密度が高い場合は共食いをします。)
オスは2年、メスは3年ほどで成熟します。

おまけの雑学

  視覚 : 近視であまり見えていないらしい。 
聴覚 : 側線で音の振動を感知する。 また、胸ヒレ辺りから音を発するらしい。
嗅覚 : とても敏感で、遠くの匂いも察知する。 
味覚 : 味蕾という感覚器官がヒゲや体全体にあり、それを使って感じ取っているらしい。

 


Ⅱ.マナマズの飼育について
  ナマズの飼育については、トップページ(なまずと気ままな徒然日記)のと基本的には同じです。
ここでは、私が特に気をつけていることをご紹介致します。

1.水槽の置き場所
  マナマズはとても大きくなりますので、簡単に水槽の置き場を変更することは出来ません。
なので次の事を慎重に考え決定しました。
 
①直射日光が当たらない場所。
  (コケが生えやすくなる事、夏場の水温が高くなる事を考慮して決定しました)

②出来るだけ静かな場所。
  (マナマズはとても臆病で神経質な為、あまりストレスをかけないように配慮しました)

③水槽メンテナンスがし易い場所。
  ・多少水が零れても問題が無い場所。(どんなに気をつけても多少は零れます。)
  ・床がしっかりした場所。(120cmともなると重量が200kg位になる為、床がしっかりしたところでなければなりません。)
  ・作業スペースが取れる広さ。(水を運ぶ作業が楽に出来る広さと動線を考慮しました)

 


2.飼育水について
  マナマズはウロコをもたない為、皮膚が非常に弱いのでカルキ抜きは薬品を使わずに置き水を使用しています。
 (※マナマズを購入した養魚場さんのHPにも記載されていた為、原則として守っています)




3.レイアウト品について
  ●購入当初は小さく5㎝もなかったので、フィルターを使用せず、ベアタンク状態で飼育を開始しました。

   ※ベアタンクとは、水槽に水以外何も入っていない状態の水槽です。 (掃除がしやすいです)
   ※フィルターを使用しなかったのは、水流を起こしたくなかった為です。(幼魚の時は水田など水流がない又は弱い場所にいる為)

●成長と共に、フィルターを設置したり隠れ家を入れたりしました。


隠れ家  : ・吸盤で動かないように固定しています。
 (ナマズはよく暴れるので、跳ね飛ばした衝撃で水槽が割れないように・・・) 
・初は塩ビパイプを適当に切断して使用していましたが、現在は園芸用のネットで工作しています。
 (ナマズの力が強くなり固定しても跳ね飛ばされる為、試行錯誤して園芸用ネットにたどり着きました。)

水草   : 全然ないのも淋しいので、ナナとミクロソリウムを園芸用ネットに固定して砂利に埋めています。
(今のところナマズたちが掘り返すことはありません)

砂利   : これもないとつまらないので、黒っぽい砂利を20㎏程、敷いています。
ナマズの表皮が保護色に変化するので、私の好みとして黒いナマズでいて欲しいと思い黒い砂利に拘りました。アルビノだったら大歓迎ですが、緑色のまだら模様はちと不気味(私の主観ですm(_ _)m。)
ちなみに金魚はキャリコ(まだら模様)が好きです(^^♪ 

バックスクリーン  : 水槽背面には設置していませんが、側面に黒いスクリーンを設けました。
夜間、隣の部屋の明かりが水槽内に照らされ、ナマズたちにストレスを与えていると感じた為、設置しました。扉を閉めておけば明かりが漏れることもないのですが、頻繁に開け閉めするのもナマズに負担を掛けるかと・・・。

サーフェーススキマー   : ナマズのエサはタンパク質を多く含んでいるせいか?!水面に油膜が張って困ったので、エーハイムに繋ぎました。
小さな水槽のうちは、こまめにスポイトで取り除いていましたが、流石に120cmともなると・・・それでも2ヵ月間は地道に頑張りました。
 しかしながら、ノラコの私には長続きしそうに無い為、ネットサーフィンして『サーフェーススキマー』にたどり着きました。
 初めは半信半疑でしたが、使用してみると、「あっ」という間にキレイに!(^^)!
うれしさ半分、2ヵ月間の努力を振り返ると、ドッと疲れました (>_<)



4.水槽の大きさと強度について
 
●小さなうちは、30cmのガラス水槽で、一匹ずつ飼育をしていました。(マナマズは縄張り意識が強く、共食いをする為)

●ナマズが15cm位になった頃、複数飼育を開始し、縄張り意識が薄れた頃に120cmのアクリル水槽へ移しました。
   (ガラス製の水槽よりもアクリル製の水槽の方が強度が高い為)
   ※複数飼育は何度も失敗をしたのですが、の巻 に経験談を記載しています。

●ナマズが暴れてガラス蓋を飛ばさない様に、水槽の水位を10cm程低い位置にしています。

●隠れ家を塩ビパイプから園芸用ネットに変更しました。
 跳ね飛ばされてもガラス面に負担を掛ない様、園芸用ネットを筒状にして黒いバックスクリーン用のフィルムで巻き遮光しています。

●水槽内全ての設備品(フィルターの吸水・排水パイプや水温計等)は吸盤を多めに使いしっかりと固定しています。



5.その他
  ●ヒーター・・・冬場の水温が低い間はヒーターで加温しました。
(当初は無加温飼育でしたが、全くエサを食べなくなったナマズの体調が不安になり、ついに加温してしまいました
。)

 ※
ヒーターカバーは必須です。
(エサ食いの事で養魚場さんに相談した際に、マナマズは火傷してもじっとしていてヒーターから離れないと言われました。)





Ⅲ.マナマズの病気について
 
1.主な病気と原因
 
病  名  症     状  原     因 
カナムナリス症
(尾腐れ病)
(ヒレ腐れ病)
(口腐れ病)
(エラ腐れ病) 
発病箇所により尾腐れ・ヒレ腐れ・エラ腐れ病などと呼ばれます。初期ではカナムナリス菌が増殖している部分に黄白色の付着物が見え、進行すると患部が広がり、最終的には死に至ります。
ヒレや体に発病した場合は水カビ病のように見えますが、カナムナリス病は患部に菌糸がないので区別が付きます。

【尾腐れ・ヒレ腐れ病】
 ・尾や各ヒレが充血し、先端は白濁する。
 ・ヒレが溶け破れ傘状態になる。
 ・最終的にはヒレのすべてがなくなってしまう。

【口腐れ病】
 ・口周辺が炎症を起こし、赤又は黄色っぽくなる。
 ・黄色、灰白色に変色し、崩れ口が欠けてしまう。

【エラ腐れ病】
 ・エラの中の症状に気づくのが困難な為、手遅れになり死亡しやすい。
 ・初期段階では、エラの一部に黄白色の付着物がみえる。
 ・エラの組織が腐って欠落してしまう。
 ・呼吸困難に陥り、呼吸が早く、水面近くで鼻上げしたりする。

【皮膚病】
 ・体表に黄白色の付着物が見える。
 ・体表が白くボロボロになる。
 ・体を擦り付けたり、狂ったように泳いだり、ジッと動かなかったりする。




・滑走細菌の感染による疾患。

・水温が20℃以上で発病しやすい。

・感染は病魚と接触することで起こる。

・共食いや噛合いによる損傷があるときに感染しやすい。

・発病すると進行が早く伝染性も強い。
白点病   ・肉眼的に小白点が見える。
・水面に浮上したり、動きが鈍くなる。
・ヒレは擦れ、エラの粘液の異常分泌が見られる。
・出血を伴うこともあり、上皮の剥離、崩壊もよく起こる。
・エラの広範囲の上皮組織崩壊は、致命的となる。 
・繊毛虫が寄生して起こる。

・寄生虫は肉眼では白点に見える。

・増殖温度は約6℃~25℃で、適温は約15℃~18℃。

・主な発生時期は春と秋で、特に水温上昇期の春に幼稚魚に発生することが多い。
 
水カビ病 ・魚の体やヒレに綿状の水カビができる。

・病状が進むとカビが広がり、赤く充血することがある。
  
・水カビ科に属する糸状菌の寄生が原因。

・菌糸は植物の根のように魚の体に入り込み養分を吸収する。

・外傷や寄生虫による傷がある場所に寄生することが多い。
  


2.病気の治療方法
 
病  名  治  療  方  法 
カナムナリス症
(尾腐れ病)
(ヒレ腐れ病)
(口腐れ病)
(エラ腐れ病) 
 

・体に傷を見つけたら、塩水浴で傷が治るまで殺菌飼育します。

・発病している場合は、早めに隔離して薬用・塩水浴を行います。

  ※
カナムナリス菌は比較的塩分に弱い為、1%の塩水浴で進行を抑えることができます。 

白点病  
・水温が25℃以上になれば繊毛虫の繁殖が停止して、自然に治癒することもあります。

・メチレンブルー、グリーンF、マラカイトグリーン等で薬浴を行います。

 ※
魚病薬は白点虫が魚に寄生している間は効果が無い為、治癒したと思ってからも1週間位は水温を高めにして塩水浴や薬浴を続けたほうがよいかもしれません。

水カビ病 
・1/3~1/2位の水換えを行います。

・塩水浴で傷が治るまで殺菌飼育します。

・薬浴(メチレンブルー、グリーンF等)を行います。
 


注意!! 
  上記内容は、調べた結果をまとめたものです。薬品を使用する場合は十分注意して
自己責任でお願い致します。
       ※ メチレンブルー水溶液の使用上の注意事項にこう書いてあります。
         「古代魚(アロワナ等)
大型ナマズ類や海水魚には使用しないで下さい。」

私がナマズを購入した養魚場さんのHPに塩水の濃度や薬品の使用濃度について記載されていますので参考になさって下さい。    
   ふる里養魚場 :  http://www.tvt.ne.jp/~namazuya/namazu.petto.html
   私の治療方針は、基本的には薬品を使いません。水換えと塩浴、加温で治療します。

追記
  観賞魚が病気になるのは、飼育環境の悪さ(水質の急変等)がもっとも多いと思われます。
  頻繁に病気にかかる場合は、一度水質のチャックを行い、結果に応じて設備等の見直しを図る事をお勧め致します。

  水質チェックの方法については
『水質について』で、簡単にまとめてみましたので参考になれば幸です。



 

Ⅳ.複数飼育について
 
 
 マナマズは縄張り意識が非常に強い為、複数飼育(一つの水槽で複数飼育する事)は困難です。
非常に大きなリスクを伴います。最悪の場合は、全滅してしまいますので、これから複数飼育を始めようと思われる方はそれなりの覚悟をして下さい。

 に私の経験談を記載していますが、必ず成功するという保証はありませんので、参考までにとどめ、マナマズの複数飼育は自己責任で試みてくさい。

 




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