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砂絵とは  
   砂絵の歴史は古く、民族をこえて世界各地で制作されてきました。その多くは、儀式の中で用いられ最後に消されてしまう存在でありました。芸術作品としての位置づけはなく、残されるものとしては考えられていないものでした。 
 現代においての砂絵は、あまり馴染みのない存在です。どんなものか想像できても、実際に見たり制作したりする機会はほとんどありません。幼児用の玩具や学校教育の美術教材で使われることがあるぐらいで、経験したことがある人は子ども時代の遊びとしてなつかしく思い出すのではないでしょうか。
 筆者は、美術教育に接するなかで、子どもたちがどんな絵画の手法よりも、砂絵に興味を持つところに注目しました。他の画材には関心を持たない子どもでも、砂絵に関しては細かい作業に集中して取り組む傾向にあります。また、大人が制作するにあたっても同じような結果が得られ、童心に戻って楽しんで制作に取り組める画材であるように見られます。
 本来なら、残るべき絵画ではないとされてきた砂絵には、他の絵画にはない魅力があるようです。

【引用図版】
「朝の祈り」 生誕100年記念秋野不矩展図録 毎日新聞社・浜松市秋野不矩美術館@2008

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「朝の祈り」 秋野不拒
                 
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