土壌のPHと肥料要素の溶解と利用度




幅の広いところで効果が最大になる。(平均的に効果があるのはpHが6.8です)  Troug 


     『解説』

土壌中の肥料成分は、その土のpHにより、溶ける量は変化をします。太い部分は良く溶ける事を示し、 細い部分は溶け難い部分です。全ての成分で良く溶けると言えるのは、pHが概ね6.8の処です。 しかしながら、土壌のサンプルの分析値はあくまでも平均値(圃場の10箇所以上を平均的に採土します)で表しています。

つまり、平均分析値がpH6.8ならば、局所的な部分には7.0以上の箇所もありますし、6.5以下の所が有るかもしれません。6.5の箇所は良いけれど7.0の所では病気が多い場所となります。 このような理由で、土壌分析のpHは6.2〜6.5とするのがベストなのです。こうやれば7.0以上になる部分なくなる訳です。

この表を良く見ると、多量要素だけなら、PHは7.0〜7.5がベストです。 しかし、皆さんは、 そのPH域で栽培が困難な事は、ある程度理解されていると思います。

養液栽培をやっている人なら、絶対無理だと言われるでしょう。 つまり、ここが極めて重要なことなのです。その要因は、微量要素が植物代謝に絡んでくるからです。 微量要素はモりブデンを除いて、PHが5.5〜6.5の間がベストです。7.0〜7.5では段々効かなくなってきています。 だから病気に・・・、つまり私達がいうところの微量要素の欠乏症になって来る訳です。

この表はその微量要素の重要性を明言していると思うのです。昔から、皆さんは“栽培はPH5.5〜6.5でやるのですよ”と良く言われたはずです。私達は、その理屈はわからなくとも、そういう事は経験的にやっていたのです。
                  だから、私は断言したいのです。
微量要素を抜きにして、植物栽培の事は語れないと・・・・

 また、窒素にはアンモニア態窒素と硝酸態窒素がありますが、硝酸態窒素はpHに関係なく良く溶けます。


   注意)栽培期間中の圃場のpHは必ず上昇します。定植前に分析した時、pHが低かったので・・、などと安心は出来ません。
      pHは成長が良ければどんどん上昇します。成り疲れと言う現象はこのpHが大きく影響を及ぼしています。この対策に
      は有機物をたっぷり投入することです。『アンモニア態窒素の硝酸化』を参照してください。




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