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2008年 8月25日  .

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農業新聞や現代農業他、専門書や情報誌などで色々な情報を得る事があります。 今回は“野菜に硝酸態窒素が多く残留するので窒素肥料は少なく与えましょう”といったような記事を考えてみました。

・現代農業2002年1月号 特集『硝酸の少ない野菜をつくろう』。
・日本農業新聞2005年2月4日付『生協のフードシステム』硝酸態窒素の削減はどうなっているのか。
・日本農業新聞・日付不明・施肥3割減を目指す首都圏コープ硝酸態窒素削減へ。
・同新聞・日付不明・海洋深海水が硝酸値を下げる(静岡県農業試験場とH社共同)。
・農業電化協会会報・岐阜大学のテストデーター・養液栽培でほうれん草の硝酸態窒素値を下げる為硝酸の施肥を少なくしたところ
 生育不良になった。
 といったような記事が数多く掲載されており、最近の一大関心事となっています。

 現代農業の特集をよく読むと、硝酸の硝化作用(窒素がたんぱく質に変化していく過程)については良く説明されています。 しかし、微量要素について少しは触れてあるものの、詳しい記述はなくその微量要素をどのような形で与えるべきか、 また微量要素がどのような形で植物の代謝に関与しているのか全く触れられていません。 つまり、私が一番問題視するのがその点でありますし、そこに植物代謝の奥義があると考えています。

 海洋深海水で硝酸値を下げた事は理解ができます。海には生物が生命の糧とする重要なミネラル分が多々含まれているわけで、 そこからくみ上げた海水はミネラルの宝庫です。唯、残念ながらNaとClが成分の多くを占めていますので、 この点が成育の阻害原因となります。テストデーターでは土耕ポット栽培の小松菜の硝酸値が3500ppmから2500ppmに下がり、 重量が約20%増えたとありました。但し、テストは深層水20倍の希釈液をかけたものと蒸留水を加えたものの比較とありましたが、 何に蒸留水を加えたか、正確には書いてありません。

(注)蒸留水や純水を生物、例えば人間が飲用すると大変危険です。それにはイオン類を含んでいませんので、 これが体内に入ると体液のイオンを奪う事となり体に異常を来たす事と成ります。 これは植物でも同じで、それを掛ければ萎れて酷ければ枯死してしまいます。(逆浸透現象)

このようなテストの場合、普通なら水耕でやってみると良かったかも知れません、土耕の場合は土壌条件を限定し難くデーターとして不確実性なものになることがあります。 最大の問題点は塩類集積は認められなかったとありますが、もっと連作テストをするとNaClがどの様に集積してくるかという点が明らかになってくると思います。私達は外材(木材の貯木場は港湾にあり、長期間浸水して保存するため塩分を大量に吸収している)を使用し た大鋸屑堆肥を使って苦労した苦い経験もあるのですが・・・・

 何れにしろ、苺収穫の記録データー(T・K農園) の項を見ても真っ当な作物を作るには相当量の窒素は必要なようです。 これだけの量の窒素を与えれば、大概やり過ぎと思われますし、本当に硝酸として苺の体内に残留していたならとても苦くて食べれない苺になっていた筈であります。

 ところが、実際にはこの苺は糖度12%で、『 植物体に於ける硝酸のアンモニア還元 』 という硝化作用によるアミノ酸の増加が起因していると思いますが、いちごその物の風味と強い香りとなって、市場でも大変評価の高い苺となったのは事実でした。

= 完 =

2008/08/25




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