道中記

  15日(土) 天理駅前〜榛原札の辻    16日17日18日19日

 

 7:00

 

天候晴れ、幸先よし!張り切って出立式の準備に取りかかる。会場を設営し、紅しで踊りのメンバー を朝和公民館へお出迎え。天理駅前に伊賀から芭蕉さんと堀さんが到着。司会者も準備OKで、いざオープニング!

 

 9:30

 

主催者を代表して裏さ んから思わず「旅を練り 夢は伊勢路を 駆けめぐる」と一句がでた。芭蕉さんの挨拶もなかなか含蓄のあるもので、 受け取る旗の重みも倍増。女性の参加者も多く賑やかにスタートを切る。

 

10:30

 

芭蕉さんとは三昧田の芭蕉句碑前でお別れし、一行は上街道を柳本の黒塚古墳公園へ。

 

11:30

 

榛原まで我慢できず、昼食にビールを飲んでいる人もあり、赤い顔をしながら黒塚古墳資料館を見学。 柳本駅からJRで三輪駅まで移動する予定にしていたが、一人は歩き、もうひとりは走って三輪まで行くといい出し、 それもまたよし。めでたく三輪で合流した。

 

12:49

 

三輪駅では川端さんと白玉屋の社長さんに出迎えていただいた。街道沿いの商家の佇まいを残す、 白玉屋の本店を見学。名物の「みむろ最中」を所望したが「本店では販売していない」とのこと。女性達はこれを 楽しみに三輪まで歩いてきたようなものなので、社長 に無理をお願いして分けていただくことにしたが、結局無料 奉仕となってしまった。本当に申し訳ありません!

 

13:45

 

海石榴市の川原で最中を頬張りながら記念撮影と旗に寄せ書きをする。ここで約半数のメンバーとお別れし、 初瀬をめざして出発。途中、朝倉郵便局前で山下局長と合流し、国道 165号を一路東へ。

 

15:35

 

初瀬では門前の田中屋の若旦那に草餅とお茶をふるまっていただいた。なかなか風情のある店構え。 ほっと一息つくも次は化粧坂だ。

 

16:40

 

急勾配の化粧坂を越えると最後の難関、西峠の上り坂となる。(財)大阪ユースホステル協会の「伊勢迄歩講」 リーダーの善家さんと秋山さんから疲れない歩き方を伝授していただく。峠付近で記念プレートの設置場所を見つけ、 リュックからやっと出番がやってきた金槌を取り出し、8名のサインを入れて「永久にあれ!」と打ち込んだ。

 

17:10

 

札の辻の「あぶらや」前には、明日歩く室さんが待っていてくれた。予定より20分程早く、無事旗を明日に つなげることができた。

 



  16日(日) 榛原町高井〜曽爾村山粕   15日17日18日19日

 

 8:15

 

近鉄榛原駅からバスに乗る。前日「あぶらや」前で引き継いだ天気と大きく違う予想以上に強い雨。 出立式の「紅しで踊り」は雨乞いの踊りと宮西さんから聞いたが、その絶大な効果に驚く。

 

 8:30

 

高井バス停で降車後すぐに歩き始める。雨のためかキャンセルが 多く少人数での道中となる。しめ縄の掛かった大きな榧の木のある 元旅籠の松本屋さんでお茶をいただき、説明をうける。

 

 9:50

 

千本杉、諸木野関所址と雨の中をゆっくり進む。諸木野弥三郎の 墓を訪ね、その武勇伝を話していると、松阪から参加の川村さんが その時一緒に戦った伊勢三郎の物見の松が近くにその舞台となった大河内城は、松阪の大石地区で分岐する和歌山街道沿いにあると言い。一同 街道を通じたつながりの深さを実感した。(平成25年4月14日取消し線部削除、赤字加筆)

 

10:30

 

いよいよ石割峠にさしかかる。峠の手前でサポートをお願いして いた棚田さんが迎えてくれる。石をうがって道をつけたと伝えられ る峠に記念プレートを立てる。室生村以東の案内人の森田さんとサ ポートの植松さんが到着し、足元に注意しながら峠を下る。

 

12:00

 

専明寺に到着し、昼食をとる。本堂でお茶をいただきながら森田 さんから田口について丁寧な説明を聞く。ずぶ濡れの一行を温かく もてなしてくださった地元の方々の心遣いがありがたい。はなサロ ンの植山会長も合流して、重い腰を上げる。

 

13:30

 

黒岩の入り口、不動滝まで森田さんの説明をじっくり聞く。悪天 候で少人数となったが、お互いにゆっくり話もできて良かったので はないだろうか。黒岩公民館でトイレ休憩の後、激しさを増した雨 の中、山粕峠を越える。

 

14:30

 

山粕では案内の植田さんのガレージで説明を聞く。鞍取峠越えの 予定を変更して山粕東口からサポート車で榛原へ戻ることとなる。 御杖村の案内役、丸山さんにはご迷惑をかけ、申し訳なく残念に思 いながら旅を終えた。(榛原駅着16時)

 


  17日(月) 御杖村神末〜美杉村上多気   15日16日18日19日

 

 8:10

 

榛原駅前でのコンビニで思い思いに弁当を仕入れ、室さんから旗 と激励の言葉を受け取り、車2台で御杖村へ出発。神末小学校の跡 地で青木さん、桑山さんと落ち合い、同行者は9人となった。それ ぞれの自己紹介の後、奈良大学の村田さんから今日のコースについ て説明をうける。予定通りに9時出発。

 

 9:50

 

岩坂峠でパラパラと降りだした雨が県境の丸山公園で本降りとな る。公園では、御杖村地域振興課の西岡さん達がテントを建てて、 温かいコーヒーを準備していてくれた。本格的なドリップコーヒー で一息つき、雨具を取り出し岩坂峠を下る。道端には不気味な猪の 白骨もころがり、あたりは「もののけ姫」の世界。足元に注意しな がら歩いていたら、急に空が開けて杉平に着いた。

 

10:29

 

杉平では国道のバイパス工事が進み本街道の一部が削り取られそ うだ。何事も車本位の社会と、安全確保のため旗を高く掲げて国道 369号を歩く。道の先には雲をかぶった山々が見える。あの山を 越えるのかと思うと急におなかが減った。

 

12:00

 

雨も手前の瀬之原から上がり、奥津に到着。JR名松線の奥津駅舎 が建て替えのため姿を消している。昼食場所を提供してくれた市民 センターの玄関には賑やかだった頃のまちの写真が飾られていた。 村づくり仕掛け人チームの坂元さんが加わり、飼坂越えに出発。

 

12:50

 

須郷の「おんばさん」や谷口の常夜灯を話題に飼坂トンネル入口 に到着。本格的な峠越えを前に日頃の運動不足を反省しながら小休 止。上多気まではあと1時間とイラスト入りの立派な観光案内板は 伝えている。

 

13:15

 

飼坂峠に着き、記念プレートを立てる。小雨に追われるように峠 を越えると、カラー舗装された道が上多気到着を知らせてくれる。 中世には北畠氏の本拠地となっていた上多気だが、まちの入り口に はいつ来てもほっとする鄙びた家並みが続いている。本街道からは ずれて北畠神社へ向かう。

 

14:00

 

美杉村埋文センターの石淵さんから北畠氏と上多気のことや館跡 の発掘について説明を聞く。腰を下ろすと、ほっとして眠気を覚え る。北畠神社は館跡にあり、中世の武家庭園が残っている。新緑が 苔むした枯山水に映える。心地よい疲れを感じながら、ひとときの タイムスリップを楽しんだ。

 

15:30

 

本街道から国道を渡って道の駅「美杉」へ。今回のメインイベン トとなるはずの「交流会」は参加者の疲れ具合を見て中止。次回の 宿題ということで美杉村の皆様にはお許し願いたい。寄せ書きをし た旗を松阪市の桑山さんに託し、美杉村の小林さんと青木さんにス タート地点まで車で送っていただく。難儀して越えた飼坂峠もトン ネルならあっという間に通りすぎた。

 


  18日(火) 飯南町柿野神社〜多気町天啓の里   15日16日17日19日

 

 9:00

 

出発地点の柿野神社境内にて、昨日参加された大石町の桑山さんより旗を受け取る。 連日の雨で旗も少々くたびれ気味。でも心配されたお天気は今日は大丈夫そう。 奈良からは室さんと室生村の桑原さんが参加。40人近くの参加者が集まり、いよいよ4日目のスタート。

 

 9:10

 

国道を避けたいので、しばらくは北側の旧道を歩く。この辺りが街道かどうかは識者 の間でも意見がわかれるところ。しかし国道より一段高い旧道からは櫛田川の美しい眺めが楽しめた。

 

 9:30

 

大石町に入ると街道は国道から離れ、町場的な家並みが続く。上出の集落にある庚申 堂前の石垣に埋め込まれた道標について、大石公民館の柱松館長から説明をうける。 このような形態のものは他にはあまり例がなく珍しいとのこと。

 

 9:50

 

大石不動院で小休憩。ここから、勢和村の辻さんが合流。近々ボランティアガイドの団体を旗揚げされるという。 今回、寄り道コースの「元丈の館」までを案内していただいた。

 

10:20

 

元丈の館に到着。足湯を楽しみにやってきたのだが、すでに多くの人で満員状態。 あまり時間がとれないので、残念ながら見学が中心となる。このあたりは地元出身の薬草学者野呂元丈にちなみ、 薬草園などが整備されている。付近を散策しながら、本街道へもどることとする。

 

11:20

 

小片野地区内はなだらかな下り道が続く。道中にかつては和歌山街道と伊勢本街道の分岐を示す道標があった のだが、2年程前何者かに盗まれてしまい、今はその跡すらよくわからない。とても残念な光景だ。移設して保護すること もできたが、やはり"道しるべ"は道沿いにあってこそとの意見も…。保管や管理は難しい問題である。

 

12:10

 

予定より少し遅れて茅広江地区市民センターに着く。そこから地元の地域づくり団体「やまばと会」 の若山さんたちの案内で、下茅原神社まで1kmほど歩く。境内奥からの見晴らしはとてもよく、櫛田川を眺めながら の昼食となった。赤い津留橋と田園の緑がとてもよくマッチしている。

 

13:20

 

若山さんの案内で地区内の道標などの説明をうけながら、津留の渡しに向かう。 茅原地区では常夜灯や道標を神社や公民館に移設して大切に保存している。記念プレートは宝来講などのプレート が立つ津留橋の手前の植え込みに設置した。

 

13:30

 

多気町にさしかかり、すこし空が暗くなってきたな、と思っていたらパラパラと雨が降ってきた。雨具 を持たない参加者もいるので、周辺の射和、茅広江公民館に頼んで傘を届けてもらう。

 

14:00

 

牧地区あたりはのどかな山村の景色が続く。川寄りの街道は電柱や看板もなく、昔ながらの風景に感じる。 「水戸黄門の撮影に使えるなぁ」とは参加者の弁。

 

14:30

 

津田小学校で小休憩。雨は降ったりやんだり。旗に寄せ書きをしはじめたが、本降りになる前にゴールした いので、早めに切り上げ出発することになった。なんとか天気が持ちこたえてほしいと願う。

 

15:00

 

終始先頭を行く桑山さんがペースをあげて歩いてくれたので、早めに相可の札の辻に到着。道しるべの前で 記念写真を撮る。と、とたんに大雨が。寄せ書きを済ませた人から、最終地点の天啓の里を目指して最後の1kmを歩き 始める。

 

15:20

 

ゴールの天啓の里に無事到着。お風呂を楽しんだりアイスを食べたり、それぞれに旅の疲れを癒す。スタート 地点へ帰るバスの中、20kmの道のりを5時間以上かけて歩ききったことを、参加者が互いに称えあっている姿がとても印象 的であった。

 

 

 




  19日(水) 玉城町田丸〜伊勢市内宮前   15日16日17日18日

 

 8:10

 

榛原駅発の急行で一路田丸を目指す。今日の同行者は宮西局長と 井澤さんの3人と今日も淋しい出立となった。空模様を気にしなが ら松阪でJRに乗り換える。多気駅で川村さんから旗と昨日の写真 や新聞記事を受け取る。いよいよ最後の一日を実感する。

 

10:00

 

田丸駅に到着し、「玉城語り部会」の森田さんと飯嶌さん、山出 さん、役場の奥藤さんの出迎えをうける。参加者の少なさにビックリ顔の語り部さん の前で、一同恐縮。雨雲に急かされるように田丸城跡へ。

 

10:40

 

田丸城の天守台へ登り、360°のパノラマを楽しむ。四方が開け、いかも防衛拠点となりそうな地形。一 時のタイムスリップを楽しながら城下へ。本日の伊勢を目指す旅は熊野街道との分岐点から始 まった。

 

11:16

 

田丸城下を出ると道はほぼ一直線となり、集落をつないでいる。 外城田川を越えたところでいよいよ伊勢市に入る。ここで旗にメッ セージを書いてもらい、語り部の皆さんと別れる。やはり今日も雨 が降り出した。両側に広がる田んぼを眺めながら、雨中の歩行とな る。しばらくして、多気の逹さんと合流。

 

12:15

 

前方の家の間から宮川の堤が見え隠れする。もうすぐ柳の渡しに 到着。渡会橋を渡ったところで『伊勢人』の中村さん、ガイドの山 川さんと「外宮にぎわい会議」の吉川さん、「ザ・伊勢講」の高橋 さんの出迎えを受ける。雨は相変わらず降り続いているが、宮川堤 で昼食をとる。逹さんから「いばら饅頭」と「草餅」をいただく。

 

13:15

 

中村さんと山川さんの案内で午後の部をスタート。宮川堤に記念 プレートを立てる。筋違橋や御師の邸宅跡を見ながら、神路道を経 て河崎へ。途中激しい雨となるが「河崎商人館」でしばし雨宿り。

 

15:40

 

勢田川沿いから塩の道を通り、外宮前へ。伊賀の一行はすでに到 着し、気勢をあげている。川村君が合流し、ガイドの山川さんとは ここでお別れ。記念撮影のあと大勢で賑かに間の山を越える。だん だん終わりが近くなる。

 

17:05

 

ついに内宮到着。時間外のため参拝は叶わず、宇治橋前から遥拝 する。5日間つないで来た旗を中心に5人で記念撮影。やっと肩の 力が抜ける。

 

17:45

 

バスで伊勢市駅前へもどり交流会。室さんが迎えてくれる。「あ いの会松阪」の田畑氏の参加もあり、賑かな集まりとなる。伊賀の 一行とお互いの到着を喜び合い、伊勢の方々の温かいもてなしに感 動の一夜となる。

 



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