なにげない日記(抜粋) 1999年10月

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 1999年9月 /  1999年11月


10/2(土)
 ハノンで指を整えたほうがいいかと考えて、1番から弾きまくる。1時間は弾こうと思ったんだが、いきなりではやっぱ無理だな。45分、42番のアルペジョまで挫折。情けない、と思って毎日やればいいんだけど、わかめにはそれも無理。そこまでの根性は、ないな。


10/7(木)
 ピアノ曲で有名なものって何だろう。
 「エリーゼのために」とか「トルコ行進曲」とかショパンの「ノクターン(Op.9 No.2)」や「幻想即興曲」などは、音楽に特に興味がなくても知っているよねえ、きっと。いや、曲名は知らなくてもさ、聞いたことあるって感じで。
 で、もうちょっと一般的じゃないけど、有名っていうと、何かな。
 ショパンの「バラード」とか「スケルツォ」とか「ソナタ」とかよく知っているという人はどのくらいだろう。「ポロネーズ」でも「軍隊」と「英雄」は知っている人も多いだろうが「幻想ポロネーズ」はそこまで有名じゃないよなあ。ああ、ポロネーズといえば、「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」という大曲もある。でも、ショパンの曲は何でも有名なのか? 「エチュード」だって「革命」とか「黒鍵」とか「別れ」とか「木枯らし」とかあるしな。そうそう、「24の前奏曲」も有名かも。「雨だれの前奏曲」とか某胃薬のCMの曲とか。あ、でも、これは24曲全部を知っているという人はなかなかいないかも。わかめも自分で弾くまでは、よく知らなかったよ。
 ベートーベンはどうだろう。「ソナタ」でも「月光」は有名だけど「悲愴」とか「熱情」とか「告別」になるとだんだんわからなくなる人が増えてくるのではないだろうか。
 バッハはもっととっつきにくいのじゃないだろうか。素敵なピアノ(クラヴィーア)作品が多いとわかめは思っているけど、なんといってもバッハだからな。こういうのが好きじゃない人には、退屈かも。「パルティータ」は組曲で6番まであるけど、第1番と第2番が中でも有名なほうか?(よくわかっていない。) 「平均律」も聞いてみるとなかなか新鮮で驚いたことがある。自分で悪戦苦闘して弾いているのとは違った意味で魅力的。「フランス組曲」なんかもかわいかったような(よく知らない)。
 わかめは近代もののドビュッシーやラヴェルなんかも好きなんだけど、聞くより弾くほうなので、何が有名なのかわからないゾ。ドビュッシーは「前奏曲集」の第1集に「亜麻色の髪の乙女」が入っている。「映像」の第1集の「水の反映」や第2集の「金色の魚」は有名か? ああ、「月の光」は有名だろう。「ペルガマスク組曲」の第3曲。この「ベルガマスク組曲」はみんないい感じ。第4曲の「パスピエ」が特にわかめの好み。
 突然思いついたけど、リストの「ラ・カンパネラ」は有名だ。あとは「ハンガリー狂詩曲」の2番。ブラームスとかは、「2つのラプソディ」あたりが一番知られているんだろうか。シューベルトは「即興曲」かな。特にOp.142 の第3番の変奏曲は有名だと思われる。
 ああ、だんだん支離滅裂になってきた。
 世の中の有名という基準はどの辺にあるものなのだろうかねえ。


10/8(金)
 昨日、ピアノ弾きたくない発作が出て、ろくに練習しなかったら、今日は弾いてもいいかな気分。わかめは真面目に練習しすぎると(?)学生時代から時折ピアノ弾きたくない病が発病するんだが、このところはあまりマジに練習してなかったので久し振りだと懐かしかったりして。
 でもやっぱり演奏会の曲はやりたくなくて、ハノンと昔練習したショパンを少し弾き散らかしたりする。


10/11(月)
 今日はいとこの結婚式。なんと、着物で歌を歌ってしまったよ。といっても演歌ではない。それに一人ではないので、またマシ(二人だった)。
 夕べ、伴奏をピアノで弾いてテープに録音した。しかし我が家にはスイッチ一つで録音できるラジカセがない。その上、わかめはそういうことはさっぱりわからないので、家族に協力を要請。マイクまで動員したんだが、わかめが上手くいく時は録音に問題が生じ、録音がバッチリの時は、わかめがヘマをするという具合で、録音って想像以上に大変。弾いているうちに、だんだん緊張感はなくなるし。
 昔はさ、ラジカセで自分の演奏をとったもんだよ。でも最近は全然やってなかったから、ちょっと新鮮な気分だった。
 会場ではそのテープをかけてもらって歌ったのだ。「語りかけよう」という歌で、子供が歌うような曲なんだけど、聞きようによっては結婚式にぴったり、といった歌詞。
 カラオケでおじさんたちが「娘よ」とか「おまえに」を歌った後で、というのが、なんともなあ。(^_^;) でも、結構評判がよくて、ホッ。
 しかし、考えてみたら結婚式でピアノを弾いたことはあっても(エレクトーンもある)、マイク持って歌を歌ったのは初めてなのだった。わかめってばなかなか歌も上手いじゃん


10/14(木)

 今日は仕事が休み。さあ、インターネット三昧だ、と喜んでいたが、明日、友人が訪ねてくることを思い出した。というか、15日だと知ってはいたんだけど、まだ先のような気がしていたのだ。
 その友人は11月の演奏会に一緒に出るので、お互いの曲を聴き合うためにうちに来るのである。つまりわかめも友人の前で弾かねばならないということだ。マズイ。このところ全然練習してないぞ。その上、掃除もしなければならない
 でも、やっぱりパソコンの前に座ってしまうわかめ。意志薄弱すぎ。

 掲示板に「歌うこと」についての質問があったので、関連で、少し
 よくピアノの先生は「歌って弾いてね」とか「歌うように弾きなさい」とか言うけれど、この意味がどれだけ正確に伝わっているのか、いつも疑問に思っている。わかめだってこういう風に言うことはあるけど、わかめには暗い過去があるので、よくわかっていない様子の生徒にはしつこく説明するようにしている。
 実はわかめは「歌えない」生徒であった。誤解しないでもらいたいが、わかめは、歌は上手いよ(結婚式の話のところに書いたように)。「ピアノ科」ではなく「声楽科」で受験しようかとも考えたくらいだからな。つまり、わかめは「歌うように弾けない」生徒だったのだ。
 「歌えない」などということは「歌って弾ける」人にはわからないものである。わかめは自分では心の中で一生懸命歌って弾いているつもりだったのだが、それが誰にも伝わらないというのは、はっきり言って悲惨であった。
 何を弾いても、練習曲のようになってしまうらしい。本人は歌っているつもりだから、なおタチが悪い。先生に「もっと歌って」などと言われても、どうすればいいのかわからないのだ。
 でも、わかめもそういう訳でいろいろ考えた。教えるようになっていきなり「歌う」ということがわかってきた。指がいくら速く動いても、心の中で必死に歌っても、それぞれがバラバラだと実を結ばないことを発見した。「歌うようにピアノを弾く」のは、極端な言い方だが、テクニック(技術)の一つなのだ。レガートをきれいに弾くとか、クレッシェンドやデクレッシェンドを適切につけるとか、な。もちろん、弾きながら「心の中で歌わなくていい」というわけではないぞ。でも、歌う心だけでは「歌っているようには聞こえない」ということだ。
 でも、今日は別のことを提案しよう。
 「歌うように弾く」ためには、まず、声を出して自分の弾く曲を歌ってみる。それから、今歌ったメロディの揺れや強弱などをピアノで再現する。まあ、ここまでは当たり前といえば当たり前なんだが、次が重要だとわかめは思う。自分がピアノで再現した音楽が自分のイメージした音楽と同じなのかをよく聴いてチェックする。つまり、「ピアノで歌う」ということは「自分の奏でた音をよく聴く」ということだ(と思う)。

1.音楽をイメージする。
2.ピアノでそのイメージを表現する。
3.初めに想像したイメージと実際に弾いてみて聞こえてきた音楽が一致しているか判断する。
4.もし一致していなかったらどこが一致していないか分析する。
5.またピアノで弾く。
6.3〜5を繰り返す。


 こうやってフィードバックしながら練習すると「歌うこと」に限らず、上手くなる。
 ああ、もう一つ。
 ピアノの音は減衰する。オルガンのように音量が一定だったり、声やフルートのように音を出した後でもクレッシェンドできるものと違って、ピアノは音を出したら後は弱くなるだけだ。だから、本当は歌うようには弾けない。(声は減衰しないからな。)
 ピアノが歌いにくい楽器だということを知っておけば、「自分に音楽性がない」などと悩まずにすむというものである。

 掃除しなきゃヤバイので、ここまで。

 出かけてしまい、掃除も練習も中途半端。
 CD屋でつい、アルゲリッチの「ショパン ピアノソナタ第3番他」のCDを買ってしまった。うーん。やっぱアルゲリッチはいいな。なんとなく好きになれなかった「英雄ポロネーズ」でさえ、すごくいい。いつの日かソナタの3番をきちんと弾けるようになりたいものだよ。


10/15(金)
 友人が来るまでになんとか見苦しくない程度に掃除はできた。しかし、練習は皆無。
 お茶など飲んでしゃべっているうちに時間は過ぎていく。(二人とも弾きたくないのだ。)このままではお昼になってしまうので、いやいやピアノの前に移動。
 順番に弾いて、あまりのひどさにお互いを慰め合う
 しかしなあ、もう少し弾けると思っていたのになんであんなにメチャクチャになってしまうんだ? 暗譜だってちゃんとした筈なのに、1ページごとに止まったり弾きなおしたり…(;_;)危機感を感じ、さすがのわかめも友人が帰った後、1時間も鬼のような勢いで練習してしまった。指がちっと痛いので休憩。
 まあ、こういう時にいっぱい間違えて免疫をつけておかねば、本番はもっと舞いあがってしまうからな。なので、今日の弾き合いっこは、今後の練習にはプラスだったということにしておこう。


10/18(月)

 フレーズについて。
 歌を歌う時には一曲を息継ぎなしで歌うということは、まあないだろう。
 たとえば「ちょうちょ」。
 「ちょうちょーちょうちょーなのはにとまれーなのはにあいたらさくらにとまれーさくらのはなのーはなからはなへーとまれよあそべーあそべーよとまれー」
 と、全然息継ぎなしに歌えたら、すごい! パチパチパチ。って違うぞ。

 歌ってみればわかるが、息が苦しくなるに決まっている。わかめは最後まで息継ぎなしに歌えるけどさ、ってそんなこと自慢してどうする。(注 スピードが速く、かつ小さい声でなので歌えるだけだよ。限界は二分音符=92で、これは23秒くらいで歌い終わる速度。それ以上遅いと無理。この速度でも酸欠状態だが…。)

 不思議なもので、「なのはにとまれー」と「なのはにあいたら」を切ってはいけない、必ず繋げなければならないと思うと、思っただけで息苦しい感じがするだろう? もしかしたら「ちょうちょー」と「ちょうちょー」と「なのはに」のところでも息苦しくて無意識に息を吸っているかもしれない。
 これが、フレーズ、またはフレージングですよ。

 え? よくわからない?
 だからさ。息を吸いたくなる場所があるでしょ? 「なのはにとまれー」と「なのはにあいたら」の間とか、「さくらにとまれー」と「さくらのはなのー」の間とか。
 そこにブレスの記号(V)を書くのだよ。で、ブレス記号とブレス記号の間のメロディをスラーで繋ぐのだ。そのスラーでくくられた部分のメロディがフレーズですよ。

 注意しなければならないのは、フレーズには大きいフレーズと小さいフレーズがあることだ。
 また「ちょうちょ」に戻るけど、フレーズは、たとえばこんな風になる。(フレーズのとり方はこれだけが正しいのではないので、注意するように)
 「ちょうちょー、ちょうちょー、なのはにとまれー。なのはにあいたら、さくらにとまれー。さくらのはなのー、はなからはなへー。とまれよあそべー、あそべよとまれー。」
 わかめの場合は句点(。)の部分では絶対息継ぎをする。でも、読点(、)のところでは息継ぎはしないかもしれないけど(気分だからわからん)少し息を止めて音を切る(16分休符くらい)ことはあるかもしれない。あるいは息は止めないけど少し弱くするかもしれない。とにかく、読点の部分ではなんらかの区切りを感じられるように歌う。つまり、棒読み(棒歌い)はしないってことだ。
 で、ピアノで弾く時も、歌ったように真似して(休符をいれるとか、少し弱くするかなど)弾けば、フレーズが表現できるということなのだ。
 さっきの大きいフレーズというのは、句点までの部分のことで、小さいフレーズは読点で区切られた部分のことだ。読点で区切られた小さいフレーズがいくつか集まって大きいフレーズができているわけだ。
 フレーズについては、なんとなくわかりました? 


10/19(火)
 暗譜は苦手だ。いや、そう言ってしまうのは、ちょっと違うか? わかめは暗譜という行為は嫌いではない。むしろ記憶力は良いほうかもしれない。そう、本番にいきなり忘れてしまうということさえなければな。
 暗譜をすると視覚が楽譜から離れるので指に集中できるし、音にも集中できる。音楽を1枚の地図のように頭の中に広げて、全体を見渡せるようになる。そんな感覚は好きだ。
 ところが、ステージの上で次の音がわからなくなる恐怖からは逃れられないのだ。  暗譜はできている。でも、いきなりパッと忘れる。舞台の上で。
 過去に一番ひどかったのは、バッハのトッカータである。弾いていたら、自分が今どこを弾いているのかわからなくなった。え? と思った瞬間に、止まっていた。でも、自分がどこまで弾いたかわからない。それで、仕方なく適当なところから弾き始めてしばらくしたら、弾き始めた部分をまた弾いているのに気付いた。(これをわかめは「ループ」、弾くべき箇所を飛ばしてしまうのを「ワープ」と言っている。) え? と思ったら、また止まっていた。仕方なく(もうさんざん弾いていたので)次のページ辺りからまた始めて、なんとか最後まで辿り着いたのだが…。
 もう、悲惨の一言である。

 楽譜を一目見ただけで暗譜で弾けるとか、一度聞いた音楽は楽譜などいらないで弾けるとかいう天才はいいよなあ。
 暗譜がバッチリでも、ステージに上がると自分も舞いあがってしまい、いつもと同じ精神状態で演奏することは不可能である。その緊張感が良い方向に働くこともないわけではないが、気の弱いわかめは雰囲気に飲まれてしまって全然ダメダメになってしまうのだ。ただでさえダメなのにさ。
 別にいつもより上手く弾きたいなんて野望をもっているわけじゃないんだ。せめて自分の演奏をしたいと思うわけだよ。
 で、仕方なく今日も自らに試練を与えるのである。暗譜をより完璧なものにするためにいろんなことを試してみる。ゆっくり弾くとか、こまぎれにしてどこで止まってもどこからでも出られるようにするとか、片手ずつ暗譜するとかもいいらしいゾ。
 さて、本日の試練だが、その中でもなかなかハードなものだった。
 目をつぶって弾く。
 今、わかめが練習している曲は跳躍が多い。今までは跳躍が多い曲の場合は目をつぶって弾くなんて絶対無理だと思って試してもみなかったが、今回は挑戦してみることにした。
 なぜかというと、左手が跳躍する時に右手が早いパッセージを弾く箇所があるのだ。ゆっくりならすばやく右、左(あるいは左、右)と見て確認して弾けるのだが、テンポが速いと両手を見ている時間がない。いくら目が2つあっても、右と左を一度には見られないからな。そうなると片方しか確認できないんだからもう片方は勘で弾かなければならないことになる。で、いつも失敗してしまうことに気付いたというわけ。(今ごろ)
 それにしてもあまりに大外れで愕然とする。毎日弾いている曲なのに、ちっとも当たらない。50メートル先の扇を矢で狙っているような気分である。跳躍しないところは結構上手くいくんだけどな。
 しかしよくしたもので、やっていると少しは上達するものだよ。別に舞台が暗闇の中なわけではないから完璧にできるようにする必要はないんだし、まあ、そういう気分でがんばることにする。


10/21(木)
 10/18の日記に「ちょうちょ」を息継ぎなしで歌えるって書いたら、反響ありすぎ。(なんて、二人だけだけど。)で、「注」を付け加えました。速いスピードで歌えば誰でも歌えますよ。「ちょうちょ」に聞こえるかは別の問題ですが。
 でも、息は長いほうかもしれない。高校時代はコーラス部で、息を吐き続ける練習なんかもしたんだけど(息を吸って、前歯を合わせた間からスーーーーーっと吐き続ける)、一番でしたね(やっぱり自慢してるか?)。当時は60秒はできました。でも、今日やってみたら45秒で死にそうになりましたよ。もう歳ってことですな。(;_;)

 一昨日より行なっている目隠し暗譜だが、今暗譜中のバッハの平均律ではバッチリである。やっぱり音が飛ばないと弾けることが判明。しかし、目をつぶって練習していると、つい眠くなってしまうというのが難点だな。


10/22(金)
 本日の友人とのリハーサルのリハーサルは前回よりはずっとマシだった。それは良かったんだけど、災難はその後やって来た。
 夕方レッスンの合間に、つい力いっぱい練習していたら、なんと、右薬指に激痛が! いったいなんで指が痛いの? と、うろたえるわかめ
 しばらくしてから見てみると、なんと恐ろしいことに、指先(鍵盤との接触面)が黒くなっているではないか。ほら、打ち身とかすると黒く、というか青くあざになるでしょ? あれですよ、あれ! つまり内出血
 ピアノを弾いていただけで、打ち身とは、いかに? 
 うろたえているので本当に内出血かどうかはまだわからないのだが、もし、そうだったら明後日のレッスンはどうすればいいのだろう。気休めにシップをしていますが…。


10/23(土)
 昨日の内出血の件ですが、やっぱり赤黒くあざになっておりますので、指先の血管が僅かに切れたかも。
 日常生活にはいっさい支障がありませんので、大騒ぎするほどのことはないんですけど、やっぱピアノはちょっとね。当然フォルテでは弾けないので迫力が全然ない。それに弾いているとだんだん痛くなるし。
 もう、明日のレッスンは悲惨になること、うけあい。(そんなの請け合ってどうするよ。)でも、明日が本番ではなかったことを喜ぶべきか? 
 左手の練習にいそしむことにします。


10/24(日)
 今日はもう指は痛くなくて、あんなに大騒ぎしたのがウソのよう。と言っても、時々はツキンとしますが。
 で、先生の前で弾き始めたら指のことなんか気にしている余裕はなくて、すっかり忘れてガンガン弾いてしまった。たいしたことなくて、ホント良かった。
 でも、悲惨だったのは請け合った通りでしたよ。暗譜は完璧(の筈)なのに、なんでこんなところでわからなくなるかなあというところ山積。ふと不安になって、間違えてもいないのに弾きなおしてしまうし、ああ、情けない。
 しかし、バッハの平均律(2巻の2番なのだが)はOKになった。先月は、暗譜が心もとなくて弾けてはいてもあやしかったのだけど、弾き込んでいくうちに一皮剥けてくるモンですな。はっきりとこれだけ上手になったとは表わせないけれど、確実に進歩したんだと実感できます。まあ、弾かなくなったらすぐ弾けなくなってしまうけどね。


10/26(火)
 11/7の演奏会のリハーサルがあった。といってもステージで練習したってだけだけど。
 今までは、ホールで弾く時はいつも舞いあがっていて(当日の午前中とかが多いので、既に上がりまくっているわけだ)よくわからなかったんだけど、今日は自分の音がホールに響く様子がわかった。うーん、気持ちいい!
 なるほど。ホールで弾くと気持ちいいって、こういうことか。(って何年ピアノ弾いてるんだよ。)
 一応出演者が集まったところで、一人ずつ弾くことになって、相変わらず暗譜は完璧(の筈)なのに、なんでこんなところでわからなくなるかなあ状態。まあね。リハーサルが上手くいきすぎると本番はボロボロというジンクスもあるからな。よしとしよう。


10/27(水)

 昨日、リハーサルが終わったら、もうすっかり終わったような気分になり、ダレている。いやいや練習を始めてみると、まだまだ問題が山積み状態なのを認識するが、ま、いっか、てな感じ。全然よくないゾ。この緊張感の無さはなんだ? 気付くと本番直前、なんてことになっていなきゃいいんだが。

 指づかいのことでメールをもらったので、一言。(メールの内容とはあまり関係ないけど。)
 もし自分の実力にふさわしい曲を練習しているのにその曲のある部分がどうしても弾けないということがあったなら、その原因は90%以上、指づかいにある。指づかいが正しくないか、あるいは指づかいが自分に合っていないかのどちらかなのだ。(ウソだと思うなら、弾けない部分で試してみるといい。)
 初心者のかたに特に言いたいが、とにかく楽譜に書いてある指づかいを守ること。そして、指づかいのパターンを自分の中に収集して欲しい。
 上手くなってくると、今までの経験(使った教本などの影響)によって好みの指づかいが形成されてくるので、たとえば「ソナタ」などを弾く時に、この指づかいじゃ弾きにくいと感じることがあると思う。指づかいは一つじゃないので(特に難しい曲の場合は)自分に合った指づかいを選択しなければならない。いい加減な指でいつも弾いていると正しい指づかいを収集できないので、上手くなった時に指づかいの選択ができなくなってしまうのだ。
 楽譜に書いてある指づかいは絶対だと思っている人が多いので(その割には指づかいに注意する人は少ないが)、弾けない箇所があっても指づかいのせいだと気付かないことも多い。
 もちろん、ハノンやツェルニーやバイエルは楽譜どおりの指づかいで弾くべきだけど、ショパンやベートーベンやその他の難しい曲は、自分で指づかいを考えたほうがいい。
 そうそう。指づかいを変えるのはいいけど、注意を一つ。楽譜に印刷してある指づかいとは別のもの採用する場合は、鉛筆でいいので、ちゃんと変えた指づかいに書きなおしておくこと。でないと、いつも違う指で弾いても平気な癖がついてしまうぞ。あ、楽譜どおりの指づかいで問題ない人は楽譜どおりでいいんだよ。無理に変えないように。
 なんてったって指は10本しかないのに鍵盤は88鍵もあるんだから、指づかいに注意しなかったら弾けないでしょう。皆さん、もっと指づかいの重要性を認識するように。


10/30(土)
 ちっとは練習せねばなるまいと思いながらも、うちに誰もいないので、ついパソコンを立ち上げるわかめ。これでまた、動けなくなってしまうのだった。
 さて、本日は少し前からやってる楽譜を見て音をイメージする練習の報告でもしよう。
 え? 暗譜で困ってたんじゃないのかって? いや、これも暗譜練習の一環なんだな。楽譜を見て音をイメージする、と書いたが、音だけでなく鍵盤を飛びまわる指を思い浮かべ、曲全体を頭の中で再現するわけだ。もちろん音楽の流れが停滞しないようにすることが肝心。
 ピアノってなかなか完璧な演奏はできないモンだ。自分はこう弾きたいのに指が勝手に、みたいなこと、多いだろ? 
 技術的なこともそうだけど、むしろ問題は音楽的なことだと思う。突っかかってばかりいたら、自分がどう表現したいのかさえもよくわからなくなるからな。
 まあ、わかめはね、さんざん弾いてからでないと音楽的なことが考えられないので、それでも全然構わないんだけどさ。でも、さすがに、暗譜になった時に止まってばかりだと、止まるイメージが付いちゃってイヤな感じ。止まらないように弾こうとしても、暗譜するとやっぱりどこかで止まる(ことが多い)。でね。楽譜を見て止まらないイメージを付けよう作戦なのだ。
 ところが、これがなかなか手強い。楽譜を見ても、あれ?状態に陥ることしばしば。ここってこんな風に書いてあったんだ、といきなりしみじみモードになったり、楽譜を見ているにもかかわらず指と鍵盤が想像できなかったり。オイオイ。
 暗譜する時には、楽譜を覚えるというより音と鍵盤の位置で覚えるタイプのわかめは、鍵盤の位置が頭の中で思い浮かばないと、暗譜では弾けないわけだ。なんとなく手が覚えているということはもちろんある。でも、ハッと忘れた時にはそんなんじゃ、続きが弾けないだろ? 
 こんなに努力してるのに、どうしていつもステージでうろたえるかなあ。あ、練習時間が少なすぎ? 失礼しました。

 1999年9月 /  1999年11月


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