なにげない日記(抜粋) 2000年6月・7月

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 2000年4月・5月 /  2000年8月・9月


6/2(金)
 掲示板参加者へのお知らせ
 以前掲示板にも書いたことですが、参加者同士の意見交換と思われる書き込みには、わかめのレスは却って邪魔になると思いますのでいちいちレスを付けません。自分の書き込みに対する答えに対しては、それぞれがレスを返して下さい。問題提起も意見の書き込みも大歓迎です。(わかめが勝手にレスすることもあります。)
 わかめに対する書き込みと判断した場合は、もちろんレスを返します。(わかめのレスが必要な場合は、書き込みの中に、わかめさん、若芽先生などと書いてくださるとわかりやすいです。)

 掲示板で盛り上がっている練習時間について。
 わかめは皆さんもご存知のように練習熱心ではない。練習が嫌いなわけじゃないと思う。だって、ハノンとか練習曲とか譜読みとか暗譜とか、嫌いじゃないからさ。ただ、根性と体力がないんだ。
 わかめでも受験の前には人並みにノイローゼじみた気分になって、ピアノがないと生きていけないなんて思い詰めたものだが、その時でさえ、ピアノがあれば生きていけるとは思わなかった。わかめの中では、ピアノはなければ困るものだけど、それだけに集中できるほどのものでもないのだ。
 なので全然参考にならないんだけど、一応、子どもの頃からのわかめの練習時間を書いてみよう。専門家を目指す方々、これだけ練習すればいいんだ、などという勘違いは絶対にしないようにな。

 ピアノを習いはじめた頃(保育園の年長さん−6歳)は、毎日30分だった。母は小学校のうちはずっと30分しか弾かなかった、と言っているが、本当のところは覚えていない。しかし、1時間以上弾いていたとは思われない。(それでも、ツェルニー30番は終わった。)
 5年生の時に、ピアノの練習は歯磨きと同じ程度に習慣化した
 中学に入った頃はツェルニー40番の初めの辺りとソナタアルバムかなんかをやっていて、今でもお世話になっている先生のところへ通い始めた。きっとこの頃から2時間ずつの練習が始まったと思われる。(高校2年の夏、ツェルニー50番が終了。)
 音大受験前の3週間はさすがのわかめもちゃんと練習した。既に高校(普通科)は自由登校期間だったので、毎日4時間。でも、いちばん練習した時がこの程度ではなあ。
 音大時代に、先生にメチャクチャ言われて頭に来てヤケで練習した日は4時間半やった。でも、たったの一日で挫折。翌日は疲れて練習しなかった。(たしか、ショパンのエチュードをやっていた。)
 音大を卒業して仕事を始めた時は、学校へ行かなくなったので時間が余っていて、3時間も練習していた。でも、3ヶ月くらいで熱が冷めてそんなに練習しなくなったけど。
 最近は、伴奏の仕事がいきなり入ったりすると5時間以上弾く日もあるが、全然やらないことも多い。でも、昨年は演奏会が続いたので、ピアノの練習が再び習慣化しそうである。

 練習時間の問題は練習のやり方にもよるから、これだけ練習すればいい、と簡単には決められない。でも、ピアノを習っているというからには、せめて毎日30分くらいの練習は習慣化してもらいたいものだ。


6/14(水)
 わかめはこのサイトを立ち上げる時に、ネット上と実生活はしっかり分離させるつもりでいた。だから、わかめがHPを持っていることを知っているのは、未だに家族その1だけである。
 だが、このネットと実生活の分離に悩むこの頃。
 なぜかというと、最近、わかめの教室は今まで以上に閑古鳥が鳴くようになってしまったのだ。生徒って増える時にはどんどん増えるのに、やめる時にはまとめてバタバタとやめていく、というのは何かの法則だと思う。で、このままではわかめの教室は風前の灯火。スーパーのレジのバイトでもしなくてはならないかもしれない。
 以前「教えて欲しい」というメールをもらった時には、本当にありがたかったんだけど、ネットはネットと切り離して考えていることもあって、お断りしてもったいなかったなあ、なんて思ったりしている。どっちにしても、住んでいるところが遠くて無理だったんだけどさ。
 でも、もしかして、こんな変なわかめでも気に入ってくれる人が世の中には(というか近所にも)いるかもしれない。
 まあ、そんな風に考えたりするこの頃なのですよ。先生と生徒の相性問題もあるし、出会いは大切にすべきかも、とかね。
 しかし、住んでいるところもわからないのでは、お話になりませんねえ(笑)
 サイトではあまりはっきりしたことは書きたくないので、東京から最低でも3時間くらいはかかる田舎だと書いておきましょう。万が一興味を持たれた方はメールにてお問い合わせ下さい

 わかめも、実は、こんなことを日記に書いたくらいで反応があるとは思っていないが…。


6/17(土)
 サイトウキネンフェスティバルのチケットを買いに行った。実は、コンサートに出掛けることに全然意欲的ではないわかめは、今年が初めての経験なのだ。
 ベートーベンプログラムの最終日で、いちばん人気だったので既に良さそうなS席はなく、結局A席にしただけど。それでも最近仕事がなくて貧乏なわかめにとっては、大変な出費であった。2枚で32,000円だもんね。
 ということで、おわかりの方もいるかと思いますが、わかめはサイトウキネンの行なわれる地方都市の近くのいなかに住んでいます。プロフィールも直して、ちょっと宣伝も書いてみた。全然宣伝になっていないけど。


6/20(火)
 聴音について。(「絶対音感と相対音感」についてお読みでない方は、1999年9/8の日記を読んでおいたほうがわかるかもしれません。)
 聴音というのは、一般的には、ピアノで4〜8小節(もっと長いこともある)くらいの曲を弾いて、それを五線に書き取ることを言う。
 つまり、普通に「聴音をする」ということは、音を聴きとることと、音符を書くことが、2つともできなければならない。
 生徒の年齢にもよるが、小さい子の場合、まず音符の書き方がわからない。音符が読めたら書けるだろう、などと考えてはいけない。皆さんだって、読める漢字をすべて書くことはできないだろ? 
 わかめは、小さい子の場合には、音符を書かせるのが大変なので、弾いた音を書かずに言わせる(歌わせる)ことにしている。書かないわけだから、あまり複雑で長い覚えられないようなものはやらない。そういうのは、ちゃんと音符が書けるようになったらやればいいのだ。
 ある程度、音を聴き取ることに慣れてきたら、簡単なものから音符に書き取る。初めのうちは、音はわかっているのに音符にすると正しく書けていないなんてこともよくある。でも、これは単に技術的な問題なので、書き方の練習を積めば、だんだん良くなってくる。困るのは、ハ長調の時にはすらすらと書けていたものが他の調になった途端、全然できなくなる生徒たちである。

 なぜ、そんなことが起こるのか? 生徒がみんな絶対音感を持っているわけではないからだ。
 絶対音感を持っていれば、何調であろうとミはミだしド#はド#だ。だが、相対音感を持っている生徒は、調が変わるたびに混乱する。ハ長調ではドはドだったのに、ト長調ではドと聞こえるのはソの音なのだ。
 絶対音感しか持っていない先生には、ちょっと理解できないような状況だろう。でも、相対音感を持っている生徒は、聴音のたびにこういう状況に陥る。自分がどうしてソがドに聞こえるかもよくわからない生徒に、先生が、これはソでしょう! などとは絶対言ってはならない
 生徒が聞こえた音をどのように聴き取っているか、どうしてそういう風に聞こえるのか、ということを、生徒一人一人に対して考えてあげられなければ、本当のソルフェージュを教えていることにはならないと、わかめは思う。
 ソルフェージュを教えている先生方は、音が、生徒には絶対音として聞こえているのか、相対音として聞こえているのか、それを確認してあげて欲しい

 次回は、絶対音感も相対音感も持っていない生徒に、ちゃんと相対音感を身に付けさせるにはどうしたらいいか、考察してみよう。


6/21(水)
 聴音についての考察の続き。
 聴音というのは、昨日も書いたが「聴いた音を音符に書く」というものだ。いわゆる聴き取りである。その反対は何かというと「視唱」というヤツである。
 視唱(初見唱)というのは、4〜16小節くらいの単旋律の楽譜をよく見てから、楽器の助けなしでその曲を歌うというものである。ただし、はじめに、その調の主和音と初めの音は出して良いことになっている。でないと、絶対音感がない人には、絶対歌えないもんな。
 なぜ、聴音の話なのに視唱のことなんか書いているかというと、この二つは表裏一体のものだからだ。つまり、英語なんかでいう聴くと話すの関係だな。
 生徒の中には歌は歌えなくても聴き取りはできるというタイプもいないわけではない。しかし、そういう子は大抵絶対音感を持っているような気がする。今日の考察の目的は、絶対音感はおろか相対音感さえもない生徒をどうすればよいか、ということなので、絶対音感を持っている子のことは横に置いておこう。
 相対音感を持つためには、とにかく歌うことだ。なんでもいい。ハノンだっていい。しかし、小さい子どもにいきなりハノンを歌わせるわけにはいかないから、もう少しよさそうな教材を考える。わかめは、呉暁(ご あき)著 「4才のリズムとソルフェージュ」 から始まるシリーズを使っている。この教本は、はじめはドだけを歌う、次はドとレの二つの音の高さの違いがわかるようにする、と、そんなふうに進む。まあ、それぞれ気に入った教材を探してくれ。

 しばらく聴音をやっているんだけどどうしても上手く音が取れない、という生徒は、復習を兼ねて、どこまでならできるのか簡単な曲からレベルを少しずつ上げながらチェックしてあげよう。
 チェックの仕方は3種類
 1.簡単な曲から歌わせる(初見で視唱)。
 2.ピアノで弾いた曲を、楽譜に書かせずにすぐ歌わせる。(もちろん、簡単な曲から)
 3.聴音させて、自分が聴き取ったものを歌わせてみる。(もちろん、簡単な曲から)
 この3.は、問題の発見に役立つことがある。問題がありすぎるとわからなくなるけどさ。良かったら、参考にしてみてちょうだいな。


6/24(土)
 今日は自分のレッスンだった。
 「ワルトシュタイン」の第一楽章は、なんとか暗譜したもののレッスンではズタズタ。「もっと難しい練習曲がちゃんと弾けるのにどうしてこんなに簡単な部分ができないんだ」という先生のお言葉。それは、わかめが練習曲より少ししか練習していないからだと思います、先生。とは言えなかったが。
 だって練習曲はさ、せいぜい4ページだろ? 「ワルトショタイン」は14ページもあるんだから、練習密度が薄くなるってもんさ。とは絶対言えないよな。
 「カンパネラ」は初めてなので、最後まで弾けただけで良しとしよう。

 実は「カンパネラ」を弾いたことのある方、あるいは春秋社版以外の楽譜をお持ちの方にお願いがあります
 34小節目と36小節目(後半はメロディがミレドシラソ)は、ラの#とナチュラルが違うだけの同じフレーズ(1オクタープ違うけど)なんですが、わかめの使っている春秋社版では、36小節のほうは内声のラにナチュラルが付いていて、そのあと出てくるミレドシラソのラには#が付いていないんですよ。だからラ・ナチュラルだと思ってそう弾いていったら、ここは「ラ#」なんじゃないか先生がおっしゃるし、家にあるCDを聞いたら2枚ともラ#で弾いているし。やっぱり、「ラ#」が正しいの? 春秋社版の楽譜が間違っているってことですか? 確認したいんで、ご存知の方は是非掲示板、またはメールで教えてください。よろしくお願いします。


6/27(火)
 「カンパネラ」についてのメールや書き込み、まことにありがとうございます。でも、絶対ラだ、とか、絶対ラ#だ、というご意見はないですな。どなたかヘンレ版かコルトー版のカンパネラをお持ちじゃないでしょうか。あるいは、図書館などで調べられるとか。って、すまん、図々しくて。
 引き続き、この件(6/24の日記参照)については情報をお待ちしておりますので、よろしく。


6/28(水)
 99年の11月と12月の過去ログをダイエットしたものに差し替えました。

 この前のレッスンで、練習曲より下手だと言われた「ワルトシュタイン」をなんとかしようと、練習曲風の練習を試みることにした。リズムとか変えてしつこく練習するが、すぐ飽きる。ダメだこりゃ。


7/4(火)
 今日は練習は全然していないが、「ワルトシュタイン」を練習曲のように練習しよう運動は、やったところまでは(つまり、まだ最後までやってないってことだが)なかなか良い感じだ。指の切れが良くなってる。このまま続ければさぞ上手くなることだろう。そう、続けられればな。


7/5(水)
 昨日行ってきた野島稔氏のコンサートは凄かったです。わかめの憧れ、シューマンの「交響的練習曲」をこれでもかっ! って感じで弾きまくっていた。やっぱりあの曲はわかめには無理だと痛感した日であった。(ガックリ)


7/17(月)
 サイトをオープンしてから丸1年が経つんだが、わかめのホームページ作成の技術は全然進歩していないなあ。
 画像はないし、音楽系サイトなのにもかかわらず音も鳴らず。
 これから先も、どうもここは、画像もなく音も鳴らないサイトのままのような気がするよ。画像にも音にもあんまり興味がないというか必要性を感じないというかそこまでしなくてもというか、なのでさ。
 まあ、たまには画像があるとわかりやすいかな、と考えないわけでもないんだけど、絵が異常に下手なので、やっぱり無理だろうな。


7/18(火)
 本日はちょっと真面目なお話。
 このサイトのコンセプトは「易しく楽しい音楽のお勉強」である。少ししつこいくらい言葉を重ねて、勉強したい気持ちがある人には、あまり考え込まなくてもわかってもらえるように書きたいといつも思っている。
 しかし、そう思って書いていても、みんながわかめと同じ思考でものを考えているわけじゃないし、みんなにわかりやすくと思うのは少し無理があるかもしれない。文章だけで人に自分の言いたいことを伝えることに限界を感じることもあるのだ。
 時々、わかりやすい、という掲示板の書き込みやメールを頂いて、それがとっても嬉しいんだけど、わからないと思っている人だってきっといる筈だよな。
 みんなはわかりやすいと言っているけど、ワタシにはさっぱりわからないんだっ!って方、できればメール下さい。(掲示板でも可)


7/19(水)
 自分のおけいこが今度の日曜日なので、さすがにちと練習せねばと、ツェルニーを30分、カンパネラを30分、マジに練習したら、指がなんか変だぞ。腕は全然なんともなくて、指だけがむくんだ感じ。で、怠け者のわかめは絶対無理はしないのだ。ちょっと妙な感じの時はすぐに休むことにしている。(練習不足なのにいきなりマジメに練習するからなんだけどさ。)
 というわけで、これを書いているんだが、もう指は全然平気。ちゃんとこれから練習しますから、先生、見捨てないで下さい〜。


7/24(月)
 昨日はレッスンに行ってきましたよ。皆さんにご意見を伺った「カンパネラ」のラの音の件のご報告を。
 「ピアニストによって#で弾く方とナチュラルで弾く方がいる」とわかめが言ったら、先生は「いろんなバージョンがある曲もあるので、最後は演奏者が自分の責任で決めて弾くことも必要だ」とおっしゃって、結局ただのラで(つまりナチュラルで)弾くことに落ち着きました。皆さん、ありがとう。
 「ワルトシュタイン」の1楽章はもうちょいのところだったが、もう少し磨きをかけることになって、全く何ヶ月弾いているんだよっ、なのだった。しかし、演奏会などがないといつまでもキリなく練習することになるんだよ。だって完璧に弾けるなんてことは、そうそうないだろう? だから、もう少し、もう少しってなっちゃうんだと思うんだけど。(え? そんなことない? ないですか? )


7/25(火)
 どんなに良い先生についていても、自分にやる気がなかったり向上したいという気持ちがなければ、上手くなるのは無理だ。(いきなり、高飛車で申し訳ない。)
 生徒を教えていて一番嫌なのは、生徒自身にやる気がみられない場合だ(小学4年生以上で)。「あんた、なんのためにこの教室に通っているの?」と言いたいような生徒は確かにいる。
 「練習して来い」と言っているんじゃない。忙しくて練習して来れないならそれでもいい。レッスンの時間に効率よく練習することだって意義のあることかもしれない。本人が一生懸命やるなら。
 でも、注意したことを全く聞かずにマイペースで弾き続けるなら、先生はいらない。わかめに教わろうと、世界的に有名なピアニストに教わろうと、やる気がなければ一緒だ。
 本人が上手くなるかどうかは、結局、音楽に対して、自分の技術や表現力に対して、どれだけ貪欲な欲求を持てるかなんだと思う。「もっと綺麗な音で弾きたい」とか「ここをなめらかに弾きたい」とか「リズムに乗って弾きたい」とか、どんな種類の欲求でもいいから、自分が自分自身に要求するものを持っていなければ、成長(上達)は難しい。
 やる気にさせるレッスンができないわかめも悪いさ。これでもいろいろ努力はしているんだよ。小さい子の場合は結構いい感じで大丈夫なんだけど、小学校5.6年以上だと、こっちがどうがんばっても全然やる気のない生徒というのはいるのだった。
 やっぱり、そういう生徒とは、相性が悪いんだと思う……。


7/26(水)
 今日は、ピアノの購入について。(わかめの個人的な意見であり、独断と偏見に満ちていることに注意すること)
 ピアノを買うということは夕食のおかずを買うより大変なことだ。なんたって音が出るし、重いし、場所もとるし、高い。グランドピアノなんて弾く以外に上に物を置くことくらいしかできない
 人によって、家計の問題や住んでいるおうちや地域の事情が違うので、そういう条件については、それぞれがよく検討するように。

 まず、ピアノを習いに来る生徒の現状を少しお話しよう。
 小さい子の場合、楽器を何も持っていない状態でピアノ教室に通い始めることも珍しくない。それでも全然かまわない。一ヶ月以内に楽器が用意できるなら。
 ところが、ずうっとキーボードで練習してくる生徒もいるらしい。電子ピアノでさえなく、キーボードだよ、カ〇オとかの(うちの教室にはいないが)。
 確かにピアノは安い買い物ではない。電子ピアノだってそこそこの機能のものはバカにならない値段である。保護者の方の考え方もいろいろで、たかが子どもの遊びのためにン十万も出す気はない、という方もいる(たとえ、子どもが一生懸命練習していたとしても)。
 まあ、それでも、普通はせめて鍵盤が88鍵ある電子ピアノくらいは用意してもらえる。
 そういう状況なので、わかめは、生徒の保護者にピアノの購入を相談された時「是非グランドピアノを」などとは言えない体質となってしまった。電子ピアノよりはアップライトピアノのほうが、絶対いいんだから、ピアノということだけで、わかめは満足してしまうのである。
 しかし、一方では、グランドピアノを買ってからピアノ教室にやってくる親子もいるようだ。
 わかめは貧乏性だから、自分がもしピアノを弾けないんだったら、4歳くらいのやるかやらないかわからない自分の子どものためにグランドピアノはちょっと用意しないだろうな。

 ああ、話が全然まとまらなくなってしまった。
 さて、いよいよどんなピアノを買ったらいいか、ということだが。
 ピアノは、デリケートなタッチや和音のバランス、ペダルの踏み方などで、音色や音量や音質などが全然変わってくる。その微妙なコントロールが電子ピアノではできない。
 そういうわけで、簡単に言ってしまうと、良いほうから、
 グランドピアノ(高いもの)>グランドピアノ(安いもの)>アップライトピアノ(高いもの)>アップライトピアノ(安いもの)>電子ピアノ
 だと思っている。(こんなの聞かなくてもわかっているって? はあ、ごもっとも。でも、別の意見もあるかもしれないしさ)

 新品にするか中古にするかの問題だが。
 わかめは基本的には中古のピアノは安易に買わないほうが良いと思う。よほど信用できる人が使っていたピアノだとか、信用できる人が太鼓判を押したピアノでない限り、専門家でない人が中古のピアノの良し悪しを理解するのは難しい。
 それに、ピアノには弾いている人の癖が付くのだ。新品のピアノを丁寧に弾いていくとそれは自分好みの音になるもんなんだよ。(もちろん調律師さんの協力は絶対必要だ)

 グランドピアノにするかアップライトにするかの問題
 ピアノを弾く本人にやる気があり、かつ物理的金銭的その他の問題を全部クリアしているなら、そりゃあ、グランドピアノのほうがいいに決まっている。
 わかめ自身はアップライトピアノを買う気は全くない。ピアノを買いかえるなら絶対グランドピアノだ。もちろん、わかめは人生の大半をピアノと一緒に暮らしているので、そうじゃない人に比べてピアノに対する思い入れが深いのは当然だ。だから、みんなにグランドピアノを買えと言っているんじゃない。
 自分、あるいは子どもに「グランドピアノを買う」だけの価値を見出せれば、買えばいいんだ。別にプロになるとかいうことじゃないぞ。趣味でもそれで実りある人生が送れるなら惜しくない。それは車にお金をかけたり、PCにお金をかけるのと同じだ。

 グランドピアノのサイズのことだが、サイズが大きいほうが響きも豊かでいい音がする、つまり大きい音が出る。
 わかめは近所のことはあまり考えなくていい環境にいるので、どのサイズでも部屋に入りさえすればオッケイだったんだが(値段のことは言わないように)、今持っているのは、奥行き186cmのヤツだ。結構響くので、コンサートのように蓋を全開にしては弾けない。うるさくてさ。
 でも、同じサイズでも響かないピアノもあるので、やっぱり実物を見てみないとわからない。工場生産といっても、ピアノには個体差があるから、グランドピアノを買うときには、皆さん、必ず試弾しましょう。でも、試弾する場所と自分のうちは違うので、部屋に入れてみたら思ったよりうるさかった、ということには注意が必要だ。
 わかめは、グランドピアノの形をしただけのような奥行きのあまりない(160cm以下の)グランドピアノは好きじゃない。だって音が鳴らないんだもん。でも、状況によっては、そういうピアノのほうがいい場合だってあるかも。
 一応180cm以下の奥行きなら、わかめの感覚では大丈夫だと思うけどな(サイレント機能も付けられるだろうし)。でも、自分の環境をよく考慮してくれ。

 わかめの持っているピアノについて。
 わかめのお気に入りのピアノはK社のものである。このピアノは毎年3月と9月にあるらしいグランドフェアの時だけの限定品で、だから、毎回少しずつどこかが特別仕様になっているんだが、わかめが買ったのは一昨年(H.10年)3月のバージョンである。
 いつもうちのピアノの面倒をみてくれている調律師の方が、今回のピアノはいいというので、試弾に行ってみて、そこにあった唯一のRX3−AEが気に入ってしまったのだ。
 そういう特別仕様のピアノはいつでも買えるピアノよりちょっと高いけど、どうせ買うなら、そういうものを検討するというのも一つの選択肢である。ただ、いつも当たりだとは限らないが。
 試弾に行った時、横にボストンも並んでいたので弾かせてもらった。さすがにスタインウェイの設計を取りいれている(だよね?)だけあって、いい音がするし、特にペダルが全然違うので驚いた。
 でも、結局わかめはボストンにしないでK社のを買った。なぜかと言えば、ボストンのピアノは自分が全然努力しなくてもいい音が初めから出ていたからなんだ。つまり、これで弾きなれちゃうと他のピアノは弾けなくなりそうで怖かったのである。(わかめがそう感じたというだけで、そうだと言っているわけではない。誤解しないように。小さいうちから綺麗な音を刷り込むことが大事だという考えももちろんあるし、良い音が出るピアノのほうが、よりデリケートなタッチのコントロールを必要とするかもしれない。)
 と言っても、2年以上弾いている今のRX3−AEも、すっかりわかめ好みになってきて、レッスンで他のピアノを弾くと、おかしいなあ、うちではもっといい音で弾いていた筈だがなあ、な状態であるが。ははは。

 いろいろ取りとめなく書いてみたが、ここに書いたことによってなんらかの問題が発生しても、わかめには責任が取れないので、どのピアノを購入するか決めるのは、自己責任で行なってくださいな。
 何にしても、家族みんなが納得して買うことが大切だと思うよ。


7/28(金)
 ピアノを習っていて、自分のためにピアノを買いたいと思っている大人の方々へ
 わかめは、いつまで続けられるかわからないとても忙しい子どもたちより、ピアノを弾きたいと思ってピアノ教室に通い始める大人たちのほうが、ピアノを買う価値はあると思っている。
 たとえば30歳でピアノを始めたとしても、80歳まで弾けるなら50年も使えるんだよ。全然もったいなくなんかないじゃないか。な?

 2000年4月・5月 /  2000年8月・9月


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