ソルフェージュ 6


 複付点

メダカ : 若芽先生、相変わらず「ソルフェージュの教室」なのに音符の話ですね。

若 芽 : まあ、いいじゃないか。リズムを正しくとるためには、音符を知識としてわかっていることは大事だゾ。そう考えれば、充分ソルフェージュ的だろ? 

メダカ : まあ、そういうことにしておきましょう。ええと、今日は、複付点ですか? 

若 芽 : うん。そうだ。

メダカ : 複付点と言うと、音符の横に点が二つ並んでいる、見るからにリズムが取りにくそうなアレのことですね。

若 芽 : そう。アレのことだ。でも、若芽は好きだゾ。算数みたいじゃないか。

メダカ : 算数ですか? そういえば前回の付点の話の時も、分数の計算なんかさせられたっけ。今日は何をするんだろう。不安だ。

若 芽 : 何をごちゃごちゃ言っているんだ。メダカ、複付点4分音符の長さは? 

メダカ : 複付点4分音符は、4分音符を1拍とした場合、1と3/4拍になります。

若 芽 : 嫌そうにしていた割には、よくわかっているじゃないか。さては、今日複付点の勉強することを読まれていたのか? 

メダカ : へっへっへっ。

若 芽 : じゃあ、次はちょっと細かいことを質問しよう。音符のすぐ横に付いている点の長さは、どのくらいかね? 

メダカ : 音符のすぐ横というと、2つの点のうち左側のヤツですね。これは前回やった「付点」と同じですから、付いている音符の半分の長さになります。ですから、4分音符に付いている場合は8分音符と同じ長さ(半拍)になります。

若 芽 : よしよし。完璧。じゃあ、次は2つ並んだ右の点の長さを説明してくれ。

メダカ : ええと、複付点4分音符は1と3/4拍で、付点4分音符は1と1/2拍だから、1と3/4−1と1/2で、1/4拍です。

若 芽 : その通りなんだけど、ずいぶん回りくどいなあ。イチイチそんな計算をしなくても、左側の点は付いている音符の半分、右側の点は左側の点の半分ってことで、わかるじゃないか。

メダカ : ええ? 右側の点って左側の点の半分なんですか? 

若 芽 : 当たり前だろ。

メダカ : ってことは、複付点4分音符の場合、音符自体が4分音符、1つ目の(左側の)点は4分音符の半分だから8分音符、2つ目の(右側の)点は8分音符の半分だから16分音符ってことで、1+1/2+1/4=1と3/4ということなんですね? 

若 芽 : 点が付くたびに点の長さは半分になっていくんだ。

メダカ : なるほど。

若 芽 : この前やったスイカの特別セールで考えると、スイカを買った人に買った分の半分をおまけして、更におまけ部分の半分もおまけしてしまうってことだ。

メダカ : すごくお得ですね。

若 芽 : まあな。で、メダカ、スイカ1個を買った人はどれだけ持って帰ることになるんだ? (複付点4分音符はどれだけの長さになるか)

メダカ : まず一つ目のおまけがスイカ半分。それからそのおまけ(スイカ半分)の半分の1/4個もおまけしてもらうから、あわせて3/4個です。ほとんど倍になりますねえ。1個買ったのに、1個と3/4個も持って帰ることになりますよ。

若 芽 : そうだな。1/4個欠けているだけだからな。じゃあ、スイカ2個買った人は? (複付点2分音符はどれだけの長さになるか)

メダカ : ええと、まず1個おまけしてもらって、次のおまけはその半分だから、おまけだけでもあわせて1個と半分。持って帰る分は全部で3個半ですよ。重そうだなあ。

若 芽 : 歩いて持って帰るのはヤだなあ。

メダカ : 僕も嫌ですよ。

若 芽 : じゃあ、もう少し少ないスイカにしよう。スイカ半分買った人は? (複付点8分音符はどれだけの長さになるか)

メダカ : 1/4(4分の1)個と1/8個だから、おまけは3/8個で、持って帰る分は7/8個? え? これで合ってます? 

若 芽 : 心配しなくても合ってる。

メダカ : なんか、小さくなるとよくわからなくなりますねえ。

若 芽 : 細かい音符、たとえば8分音符やそれより短い音符に複付点がついている時には、複付点のついている音符を1拍と数えるようにすればいいんじゃないだろうか。別にどの音符を1拍に感じても、リズムが合っていればいいけど。

メダカ : と言いますと? 

若 芽 : 複付点音符はいつも、付いている音符の1.75倍の長さになるんだ。だから、「いーちーにーい・と」と数えて、最後の「と」というタイミングで、複付点音符の相手の音符を弾くんだ。

メダカ : 複付点音符には、必ず短い音符がくっ付いてますもんね。

若 芽 : うん。たとえば、複付点4分音符の場合、16分音符がないと2拍になれないよな。だから、ポイントは複付点音符自体じゃなくて、次に来る短い音符をどのタイミングで弾くかってことなんだ。

メダカ : ほう。

若 芽 : 4分音符だって2分音符だって、一つじゃあリズムを刻めないだろ? 次の音符が鳴って初めて、前の音符の長さが確定するわけだ。

メダカ : なんとなく、ソルフェージュっぽい話になってきたんですが、残念ながら今日はこれで終わりです。皆さん、複付点はもうバッチリでしょうか。理論はどうでも良いので、リズムだけは正しくとれるようにしましょう。

若 芽 : こらこら。

メダカ : では、さようなら〜。


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