◇ 相続人となるのは
  
   子直系尊属  兄弟姉妹  配偶者です。

    ※婚姻によって夫婦となった者を相互に配偶者という。

      婚姻届を出していない夫婦(内縁)や愛人は配偶者ではありません。

 ◇ 相続人の順位と範囲   (図をご参照ください)
 
    第一順位の相続人

     配偶者と子等・・・直系卑属(民法887号)

      ※直系卑属の範囲(子→孫→ひ孫まで)

      ※実子、養子、嫡出子、非摘出子を問いません。

        胎児は生まれることを条件として相続人とみなされます。

      ※養子は、縁組の日から、養親の婚出子たる身分を取得します。

      ※嫡出子とは法律上の正式な婚姻関係にある夫婦間の子であり、婚姻関係にない場合
        非嫡出子(摘出でない子)といいます。

      ※婚姻は戸籍法の定めるところにより届け出ることによって成立します

   第二順位の相続人

     父母等・・・直系尊属(民法889号1条1号)

      ※直系尊属の範囲(父母→祖父母→曽祖父まで)

      ※直系尊属が相続するのは、直系卑属(子、孫、ひ孫)がいない場合のみ

   第三順位の相続人

     兄弟姉妹が相続人になります(民法889号1条2号)

      ※直系卑属の範囲(兄弟姉妹→甥、姪まで)

      ※兄弟姉妹が相続するには、父母、祖父母、曽祖父母などがいない場合のみ

 ◇ 遺産はどのように相続される
 
   
@ 配偶者と子が相続人の場合

      配偶者=1/2  子=1/2

     イ.子が数人あるときは相続分2分の1を均等に相続。

     ロ.非摘出子の相続分は嫡出子の1/2

     ハ.代襲相続の場合は被代襲者が受けるべき相続分を相続。

     二.代襲相続人が数人あるときはハ.の相続分を均等に相続。

   A 直系尊属と配偶者が相続人の場合

     配偶者=2/3  直系尊属=1/3

     イ.直系尊属が数人あるときは相続分1/3を均等に相続。

   B 兄弟姉妹と配偶者が相続人の場合

     配偶者=3/4  兄弟姉妹=1/4

     イ.兄弟姉妹が数人あるときは相続分1/4を均等に相続。

     ロ.父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は父母の双方を同じくする

       兄弟姉妹の1/2

     ハ.代襲相続の場合は被代襲者が受けるべき相続分を相続。

     ニ.代襲相続人が数人あるときはハ.の相続分を均等に相続。

   C 配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹が、それぞれ単独で相続する場合

      全部を相続。

     相続人が数人あるときは均等に相続。

 ◇ 遺贈や生前に贈与を受けた相続人の相続分は
  
   共同相続人の中に、遺贈やあるいは生前に贈与(結婚費用、家を建てるための援助会社設
   立資金等、生計のための資本、高額の学費等)を受けた者を特別受益者といいます。
   この場合は、相続開始の時に存在する財産の価額に、これらの価額を加えたものを遺産とみ
   なして相続分を計算し、本来の相続分から、特別受益分その者の相続分となります。