◇ 遺言とは
  
   遺言は、遺言者の最終の意思を表明するものであり、遺言者の死亡により、一定の法律効
   果を発生させるものです。

   遺言できる事項は法律で定められており、これを法定遺言事項といいます。

   法定遺言事項としては、相続分・遺産分割方法の指定、子の認知、遺贈、推定相続人の廃
   除、遺言執行者の指定等があります。

 ◇ 遺言の種類と内容

   自筆証書遺言(民法968号)

     自分で書いて自分で管理する遺言

   公正証書遺言(民法969号)

     遺言の作成自体に専門家である公証人が関与する遺言

   秘密証書遺言(民法970号)

     遺言の存在は明らかにしたいが、内容は秘密にしたい時にする遺言

   危篤時など特別方式の遺言(民法976号〜984条)

     これらの遺言方式はほとんど利用されない

自筆証書遺言
公正証書遺言
秘密証書遺言
 証人または立会人
不要
必要
公証人1人、証人2人
 書く人
本人
公証人
誰でもよい
 署名・捺印
必要
本人、証人および公証人
本人
 日 付
必要
必要
必要
 検 認
必要
不要
必要

 ◇ 遺言がある場合の相続は

  
   被相続人は、法定相続分にかかわらず、遺言で、共同相続人全員又は一部の相続分を定
   める等をすることができます。

   但し、遺留分を侵すことはできません。

 ◇ 遺言がない場合にはどのように相続される
 
   遺言がない場合には共同相続人が協議し、全員の合意で決めることになります。
   これを「遺産分割の協議」といいます。

   この協議には、法定相続分が参考にされることが多いが、協議の結果、法定相続分と異なる
   割合であっても有効に成立します。

   協議の結果を文書にしたものを「遺産分割協議書」といいます。

   相続人に未成年者がいる場合は、特別代理人選任の申立てを家庭裁判所へすることが必要
   となる場合が多い。