音程(おんてい) その1
(幹音どうしの音程 1)
メダカ : 若芽先生、今回の「楽典の教室」は、何についてですか?
若 芽 : 音名の説明が終わったから、今日は音程かな。
メダカ : 音程というと、「ソルフェージュの教室3」の「相対的に読む」でやった、あれですか?
若 芽 : そう、あれだ。(まだ読んでいない方はこちら。)メダカ、音程とはなんだ?
メダカ : ええと、二つの音の高さのへだたりです。
若 芽 : そう。二つの音の高さがどれだけ離れているかということだ。
メダカ : 皆さん、音程の単位は「度」ですよ。
若 芽 : さて、今日は1回目なので幹音(かんおん)どうしの音程について詳しく説明しよう。
メダカ : 幹音って音名の時に出てきましたね。ピアノでいえば白鍵のことですよね。
若 芽 : そう。「相対的に読む」で、白鍵どうしの音程について、メダカががんばって説明してたよな。余計わかりにくくなったけど。
メダカ : えー? それはないですよ。僕だって一生懸命やってるのに。
若 芽 : おかげで今日の説明は簡単になったから、誉めておこう。
メダカ : えっ? なんか嬉しいなあ。
若 芽 : (単純なヤツだ。)この幹音どうしの音程をしっかり覚えないと、派生音(#や♭など)が出てきた時に困るからな、しっかり勉強するように。ちょっと復習しよう。五線で、同じ線あるいは同じ間(かん)にある音は1度(同度)と言う。
メダカ : 皆さん、前にも言いましたが、0度はありませんから、ご注意下さい。同じ音は1度ですよ。
若 芽 : 隣り合った線と間は、2度。
メダカ : 「レ−ミ」や「ミ−ファ」なんかのことですね。
若 芽 : 隣り合った線と線、間と間は3度。
メダカ : 「ド−ミ」や「レ−ファ」のことですよ。
若 芽 : 後は省略な。
メダカ : いいんですか? 省略しちゃって。
若 芽 : 「相対的に読む」でやったんだから、大丈夫だろう。
メダカ : そうですね。僕が一生懸命説明しましたからね。
若 芽 : まあな。
メダカ : 音程ってずいぶん簡単なんですね。心配して損しちゃったな。
若 芽 : これからが本題だゾ。
メダカ : え? だって音程は今の2度とか3度とかでしょ?
若 芽 : だから、そこまでは「相対的に読む」でやっただろ? 今日はその先だ。
メダカ : その先ってなんですかあ? 何か面倒なことが?
若 芽 : メダカ、ただ2度っていうだけじゃあ、困らないか?
メダカ : 何か困ります?
若 芽 : 「ド−レ」と「ミ−ファ」の音程は同じかね?
メダカ : 同じですよ。どちらも2度ですからね。
若 芽 : 「ド−レ」は全音で、「ミ−ファ」は半音だぞ? それでも同じってことでいいのか? 半音と全音っていったら、倍も違うんだけどなあ。
メダカ : あ、そうですねえ。ちょっとマズイかな。
若 芽 : マズイに決まってる。
メダカ : じゃあ、全音の2度と半音の2度は、どう区別するんです?
若 芽 : 全音の2度を「長2度」、半音の2度を「短2度」というんだ。
メダカ : ほう、なるほど! 長い2度と短い2度ですか。考えましたねえ。
若 芽 : 若芽が考えたわけじゃないぞ。
メダカ : もう。そんなのわかってますって。じゃあ、3度も4度も5度もみんな長いのと短いのがあるんですね。
若 芽 : ところがそんなに簡単じゃないんだな、これが。
メダカ : え? みんな同じじゃないんですか?
若 芽 : 2度、3度、6度、7度は「長」(ちょう)と「短」(たん)が付く。で、これを長短系(ちょうたんけい)と言う。
メダカ : はあ。じゃあ、そのほかの1度や5度は?
若 芽 : 1度と4度と5度と8度には「完全」(かんぜん)が付くので、「完全系」(かんぜんけい)と呼ばれている。
メダカ : ええと、じゃあ、完全1度とか完全5度とか言うわけですか?
若 芽 : そう、その通り。
メダカ : 系で分かれているってことは、完全が付くものには長や短は付かないってことですよね?
若 芽 : メダカ、君はなかなか察しがいいなあ。
メダカ : いや、それほどでも。
若 芽 : (単純なヤツ。)おっと、若芽はこれから出掛けないといけないので、今日はここまでにしよう。完全系と長短系がごっちゃにならないように、「〇度の時は〇〇系」としっかり覚えておくように。
メダカ : はい、わかりました。では、皆さん、さようなら。
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