土 壌 分 析 の 記 録_003

  
( I・Hid.農園 ) INDEX
                                                                    更新日:2018年10月08日(部)

 
圃場 NO.1
作物:ハウスとまと
’09年度
                                                            分析者:中隈水質土壌分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(pH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70   
’08. 8.14 5.2 4.9 3.4 141.0 27.1 134.3 67.6 0.29 CL:9.1
 40 Kg
 30 〃
300 〃
 20 g
  6.8 6.8  
16.2


150.0
 


2.70
硝  安
硫酸加里
炭酸石灰
微量要素
修正値   11.7 10.2 141.0 43.3 284.3 67.6 2.99  
腐植・・・少
灌水に使用している水のpHは6.5である。
施肥設計は初めての土壌検査故、土壌の傾向がはっきりするまで少な目に設計している。
有機物は肥料成分の少ないピートモス(pH調整のないもの、6cf)を50袋を10aに使用した上で各要素を散布する、 更に微量要素20リットルを全面散布し良く耕起する。不足の窒素・石灰は様子を観察しながら硝酸石灰を灌注する。

  写真 @(1号ハウス)        撮影:’08年12月 1日
とまと
  写真 A(1号ハウス)        撮影:’08年12月 1日
とまと
この写真@Aは分析に基き元肥を行い定植した。この表を見ると石灰が大欠乏である。元肥として硝安・硫加・炭カルを散布した。 定植して2ヶ月弱経過するのに、成長が少し遅いと見えるが、この理由は灌水を殆ど行っていないと言う。 しかし、この地区の圃場は地下水位が高く、水を与えなくともこのように良く育つ。
  写真 B(2号ハウス)        撮影:’08年12月 1日
とまと
  写真 C(2号ハウス)        撮影:’08年12月10日
とまと
写真BCは特別栽培ということで化学肥料を使えないと言う。その結果、成長は大幅に遅れている (この2号ハウスは特栽認定を受けて借りた資金の新設ハウスなので仕方がないと言う)。 一部病気(黄化葉巻病)も入ってきたと言う(写真C)。

この病気はI・Hさん曰く“黄化葉巻病”という。私は“違う、他に原因がある”と主張するが・・・・・
(有機物も無く、痩せた土壌ではこの症状は良く見かけます。この症状の多いところは去年まで水田だったと本人は言う。また、 この分析結果表は1号ハウスの分析であり、2号ハウスのこの症状が発生した位置の土壌はこの表よりも、もっと痩せていると思われる)

このような株は、何株かはダメになったが、手当てにより殆どは回復、しかしやっぱり後遺症は大きい。 このような時は早い時期なら、植え替えた方が賢明です。一度痛んだ組織は回復しないし、回復しても成長が悪い。

植え替える時にはその部分の土壌を再度手入れする事。このように肥料を入れていないケースの場合には、 株を抜いた部分にピートモスをたっぷり入れて炭カルか苦土石灰を一握り、硝安と硫加を石灰の1割程度づつ加え、よく混ぜて植え込む。 そして、微量要素を500倍に溶いて株元にたっぷりとかける。

分 析 日
肥料投入量
酸度
(pH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70  
’09. 2. 7 6.0 3.5 9.3 96.5 33.5 125.9 78.2 0.06 CL:0.3
 20 Kg
 30 〃
400 〃
 20 g
  3.4 3.4  
16.2


200.0
 


2.70
硝  安
硫酸加里
炭酸石灰
微量要素
修正値   6.9 12.7 96.5 49.7 325.9 78.2 2.76  
腐植・・・中
  写真 @(1号ハウス)        撮影:’09年 3月30日
とまと
  写真 A(1号ハウス)        撮影:’09年 3月30日
とまと
写真C(1号ハウス)はその後の写真。硝安20Kgと硫酸加里30Kg及び炭酸石灰400Kg追肥して (通路にも散布し根を通路まで呼び込み根を広げる、つまり灌水は畝間にも行う)、このように回復維持させる。(農家さんはだいぶ躊躇していましたがネ・・・・)

 ’10年度                                                            分析者:中隈水質土壌分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(pH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70  
’09. 7.31 6.4 8.1 43.7 120.0 24.0 677.1 19.8 0.12 CL:1.8
 17 Kg
 28 〃
 60 〃
 20 g
          10.7
15.1
 

 9.8



2.70
塩化加里
硫酸加里
硫酸苦土
微量要素
修正値   8.1 43.7 120.0 49.8 677.1 29.6 2.82  
収穫終了後、次の元肥に向かって分析。
この作、石灰欠乏を解消するために硝酸石灰や硝安+炭酸石灰を多投して追肥して来た為、数値として過剰になっている。 この原因は誤った土壌採取法の為と考えられる。このような収穫終了後の場合の土の採り方は圃場を一度トラクターで良く耕起撹拌して採土する事。 圃場全体でこの数値なら障害が出ている筈である。

 写真−1 炭酸石灰の追肥 @    撮影:’09年 3月11日
とまと
 写真−1 炭酸石灰の追肥 A    撮影:’09年 3月11日
とまと
この白いのは炭酸石灰です、カビではありません。
追肥はこのようにマルチを捲くり上げて全面に振り撒く。通路にも畝にも散布し全面に根を広げる。また、灌水は畝間にも行っている。
このような状況なので採取法を誤るとその差が大きくなる。

’09.12.30 6.7 痕跡  5.0 145.0 24.0 411.3 69.6 痕跡 CL:2.5
74 Kg
48 Kg
20 g
  12.6 12.6  
25.9
   

2.70
硝  安
硫酸加里
微量要素
修正値   12.6 17.6 145.0 49.9 411.3 69.6 2.70  
腐植・・・少
分 析 日
肥料投入量
酸度
(pH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7  
’10. 4. 7 6.9  0.1  4.4 155.0  6.0 363.7 89.5 0.2 CL:痕跡
 80 Kg
 30 〃
 50 〃
 20 g
  12.8 12.8    
19.0
27.1
   


2.7
硝 安
塩化加里
硫酸加里
微量要素
修正値   12.9 17.2 155.0 52.1 363.7 89.5 2.9 14.3
この分析値で栽培したのが、下の写真。
問題はpHが6.9と高い。生育が進むとこのように硝酸態窒素が過少となり石灰のpHに近づこうとする。 この事態を回避する為には有機物をたっぷりと入れて窒素分を全て硝酸態窒素に変換する作用(硝化作用)を促す事が大事である。

また、分析をした12月と4月の間の2月6日には硝安35Kgと硫酸加里40Kgを一回追肥しています。
更に、この7月から4月までの分析一覧を見て感じて欲しいのは、標準値にある成分(窒素と加里)は吸収量が非常に多く、 石灰を除く過剰な成分(リン酸と苦土)は殆ど吸収されていない事が分かります。
( 下表のNo.1ハウスの分析表のまとめ水耕栽培に於けるリン酸の濃度別吸収試験 を参照して下さい )

 写真−1 分析直前の様子(草勢)  撮影:’10年 4月 3日
とまと
 写真−2 分析直前の様子(果実)  撮影:’10年 4月 3日
とまと
今年は日射量が極端に少なく、温室内の温度はどんどん上昇する。このように日射量と生育温度がアンバランスになる、 つまり光合成量が減少して温度だけが上がると間延びしたような生長と成り、写真−1のように節間が長くなり徒長する。 換気を考えながら栽培する事。また、この事は窒素が不足しても同じように徒長した状況を示します。

写真−2、果実についても型が悪く奇形となった果が多い。このような色では美味しくありません。 同様に葉もこの頃は痛みが目立って来ますが、加里欠乏や微量要素の欠乏が目立ちます。

今回の分析を参考にして追肥を行うが、栽培終盤どのように樹勢が変化するか観察を続ける。灌水時の水のpHは5.8〜6.0とする。


 ’11年度                                                           分析者:中隈水質土壌分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(pH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70   
’10. 9. 8 6.1 2.2 16.2 185.0 42.1 414.1 69.6 0.20 CL:6.8
 34 Kg
 15 Kg
 20 g
   5.80   5.80  
 8.1
   

2.70
硝 安
硫酸加里
微量要素
修正値   8.0 32.0 185.0 50.2 414.1 69.6 2.90  
腐植・・・少
’10.12.25 6.3  1.6 16.2 145.0 30.1 484.0 79.5 0.2 CL:9.3
30 Kg
20 Kg
20 g
    5.10   5.10  
10.8
   

2.7
硝  安
硫酸加里
微量要素
修正値    6.7 21.3 145.0 40.9 484.0 79.5 2.9  
腐植・・・少
’11. 2.20 6.6  1.2 13.7 175.0 60.2 503.6 66.3 痕跡 CL:5.0
45 Kg
20 g
    7.70   7.70        
2.7
硝  安
微量要素
修正値    8.9 21.4 175.0 60.2 503.6 66.3 2.7  
腐植・・・微

 ’12年度                                                             分析者:中隈水質土壌分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(pH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70   
’11. 9. 5 6.9 2.5 26.2 215.0 96.3 498.0 43.1 0.00 CL:10.6
 20 g               2.70 微量要素
修正値   2.5 26.2 215.0 96.3 498.0 43.1 2.70 10.6
腐植・・・微。スタート時のpH6.9は高すぎる。要注意の事。潅水時のpHを5.5〜6.0としてたっぷり潅水し、中和をすすめる事。

 ’13年度                                                                分析者:住化分析センター
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(pH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70 Na
’12.10.12 6.0  2.0以下 10.0 180.0 31.0 520.0 120.0 −−−− 1.6
 25 Kg
 30 Kg
 20 g
   4.3  4.3  
16.2
   

2.70
硝 安
硫酸加里
微量要素
修正値   6.3 14.3 180.0 47.2 520.0 120.0 −−−−  
石灰と苦土が過剰。ただし、両項目とも多い目に検出されているのではないかと疑問??前年と今年のpHと石灰・硝酸態窒素の量バランスを考えると・・・????(要観察)。 数値はこのように疑問を持ちながら見る事も大事!!
’13. 1.11 6.3  2.0以下 15.0 160.0 37.0 540.0 120.0 −−−−  
 35 Kg
 25 Kg
 20 g
   6.0  6.0  
13.5
   

2.70
硝 安
硫酸加里
微量要素
修正値   8.0 21.0 160.0 50.5 540.0 120.0 −−−−  
前回の分析に比べ、pHが次第に上昇している。
分析では石灰と苦土が過剰となっている・・・今回も両項目共に多い目に検出されているのではないかと疑問??採土の仕方だけが原因とは思えない。悩むところだ!
 写真−1 分析直前の様子(草勢)  撮影:’12年12月23日
とまと
 写真−2 分析直前の様子(果実)  撮影:’12年12月23日
とまと
この様に上位の部分は緑色は抜け落ち、完全なCa欠乏となっている。唯、BP液は3〜4日毎に供給している為果実は正常に玉伸びしている。 この頃、各地の産地は低温のため出荷量落ちていると言うが、I・Hid農園では通常の出荷量を保っていると言う。重油も高い時期だが、構わず夜温も高めに設定していると報告あり。 これは私のアドバイスの方針である(各産地の出荷量が落ち込んだ時に、当方はどんどん出荷し、相場を掴む)。処が、分析を正月休暇前に済ませ、且つ追肥をも済ませておかないから、この様に手遅れの状態となっている。

写真−3 25日後の草勢
とまと
撮影:’13年 1月16日
写真−4 25日後の果実
とまと
撮影:’13年 1月16日
石灰の追肥が不足して、この様に完全にCa欠乏を来し細胞組織の壊死は始まり先端を焼いてしまったようになっている。このケースでは、BP液は3〜4日毎から2日毎とするか、 又は1Kgの硝酸石灰を2Kgと増量する必要があった。特に、この圃場は2本仕立ての栽培だから、尚の事負担が多い。


 ’14年度                                                                分析者:住化分析センター
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(pH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70  
’13. 9. 3 6.2  2.0以下 15.0 340.0 81.0 460.0 120.0 −−−−  
 40 Kg
 20 g
   6.8  6.8        
2.70
硝 安
微量要素
修正値    8.8 21.8 340.0 81.0 460.0 120.0    
土壌は不具合が発生する程、悪いバランスでない。問題点として、各々の要素は過剰である為に作物に給され難い形で土中に存在しており、特に窒素を除く要素はリン酸と強烈に化合している筈である。 (詳しくは
’13.11.19 6.2  2.0以下 33.0 320.0 56.0 460.0 110.0 −−−−  
 20 Kg
200 Kg
 20 g
   3.4  3.4    
106.0 
 

2.70
硝 安
炭酸石灰
微量要素
修正値    5.4 36.4 320.0 56.0 566.0 110.0 −−−−  
分析ではリン酸と石灰と苦土が過剰となっている・・・今回も各項目共に多い目に検出されているのではないかと疑問??採土の仕方だけが原因とは思えない。毎回の事ながら悩む!今迄の経験に基づき、石灰を550Kgまで追肥する。 この量で約350Kg/10aとなり正解と考える。硝安の追肥は石灰分を溶かし、且つ、吸収を早める為(硝酸と石灰が土中で化合し硝酸石灰となり吸収が早くなる)である。

 写真−1 分析直前の様子(草勢)  撮影:’13年11月16日
とまと
 写真−2 その後の様子(草勢)   撮影:’13年11月28日
とまと
このように上位の部分は緑色が抜け落ち、Ca欠乏となっている。唯、玉伸びは良い。BP液を3〜4日毎に供給しているからである。
この写真の樹勢の時の土壌の状態は、上に記した分析値となる。逆に言えば、このトマトの状態にしたいのなら土壌をこの分析値にすれば簡単に得られると言う事である。皆さんが“どうして・・・”“どうして・・”と栽培に悩む必要はない。 栽培の事を私に言わせてもらえるなら、そのような事(土壌の状態)に気が付くとそんなに難しいことではない。皆さんは土の状態をしっかり固定させないから色んな話が出て来るのであって、土壌は常に標準値に修正する事、 そのことをしっかりと数値管理をすることが重要である。結論は、皆さんは土壌のことを放ったらかしにして色々語り過ぎ!である。忠告!!水はしっかりと与えること。
 写真−1 その後の様子(草勢)  撮影:’13年12月23日
とまと
 写真−2 その後の様子(着果)   撮影:’13年12月23日
とまと
11月28日の写真撮影後、炭酸石灰200Kgと硝安20Kgを追肥。少しpHが高くなってきているようだ。葉が舟型になっている。潅水量を増やす必要がある。着果状況は色のつき方が赤ではなく、 茶色かかっているのが分かる。このような色になるとコク味のあるトマトになる。
’14.01.17 6.3  2.0以下 42.0 300.0 74.0 420.0 110.0 −−−−  
 20 g               2.70 微量要素
修正値    2.0 42.0 300.0 74.0 420.0 110.0 −−−−  
前回は11月19日に分析している。今回、約2か月経過した1月17日分析した。数値の比較をしてみると、養分がほとんど吸収されていないのがわかる。特に、素早く吸収されるはずの硝酸態窒素はむしろ増加している。 この窒素は生育が良いと、めまぐるしく減っていくのが通常である。そのため圃場のpHは急激に上昇するわけだが、そのpHが6.2から6.3と、ほとんど変わらない。この原因は、潅水の量が全然足りないことにある(写真ー3)。 養分はあっても潅水が足りない為、肥料が溶けず(写真ー3、散布した炭カルが全然溶けていないのが分かる)根も養分を吸収する事が出来ない。従って、養分のある所を求めて伸びる活性化した白い根も自然と消滅してしまう。 その結果、写真1・2に見られるように下葉の枯れが急速に進むこととなる。果実の状態も本来なら丸く出来上がるものが、歪な果つまり変形果に出来上がっている。こうなると、手入れをして回復するまでには1か月程度はかかるのではなかろうか・・・・

写真−1分析1週間前の様子(草勢) 撮影:’14年1月9日
とまと
写真−2同左(果実) 撮影:’14年1月9日
とまと
この時期にしては下葉が枯れ過ぎ。潅水量が全然不足。色着いたトマトは奇形果となり、その向うの今から赤くなるトマトも奇形果である。出荷が始まったばかりのこの時期のトマトはパンパンに張って弾けそうなトマトでないといけない。
写真−3 分析3週間前(土壌の様子)撮影:’13年12月23日
とまと
 写真−4 同左(3週間前の樹勢)  撮影:’13年12月23日
とまと
撒布の炭酸カルシウム(苦土石灰は苦土分が多く検出されているので使わない)が撒布した時の状態のままである。写真ー4は先月の状態の樹勢だが、このときキチンと手入れしておけばこの結果は回避されているはずである。 否、手入れはされているのだが、今までの知識つまり水をかけるのが怖いと言う間違った経験観が邪魔をしている。とくにこの園主のような大ベテランに多い。注意しておきます!!水耕栽培は水だらけですよ(怒!!)。
 写真−5                  撮影:’14年2月27日
とまと
 写真−6                  撮影:’14年2月27日
とまと
分析後40日目。ここに来て農協が推奨するたい肥を使い、少し荒れ気味。結果的に未熟だったが、幸いにも投入した量が少なかったためキノコの発生量も少く、それゆえ被害も少なかった。しかし、奇形果は結構目についた。 キノコが落ち着くと大きな山が来たとの報告あり。

 ’15年度                                                               分析者:住化分析センター
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(pH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70   
’14. 9. 2 6.7 5.0  7.3 290.0 99.0 380.0 110.0 −−−  
 40 Kg
200 Kg
 20 g
  6.8  6.8    
106.0
 

2.70
硝 安
炭酸石灰
微量要素
修正値   11.8 14.1 290.0 99.0 486.0 110.0 −−−  
腐植・・・2.9%
スタート時のpH6.7が高すぎる。定植して、すぐに7.0近くまで上昇すると思われる。 このような場合の処方は、ピートモスを大量に用いたうえで硝安を加え、硝酸化成を進めることによりpH上昇を和らげること。さもないと、病気に泣かされることとなる。
収量が、昨年度は反あたり19トンというから、土壌はかなり疲弊しているはずである。また、下の分析表のまとめを見てもそれが伺える。

 写真−1                  撮影:’14年12月 5日
とまと
 写真−2                  撮影:’14年12月 5日
とまと
土壌分析して、その修正も終わり定植も済ませた。毎年の事だが灌水設備のセットが間に合わず、全然灌水量が足りない。そのための石灰欠乏が酷い。 これでは、分析して修正しても意味が薄れる。

’15. 1.29 6.6  2.0以下 34.3 300.0 110.0 480.0 130.0 EC 0.940 腐植 2.7
 20 g               2.70 微量要素
修正値   11.8 14.1 290.0 99.0 486.0 110.0 2.70  
腐植・・・2.7%
元肥前のpH6.7(HO計測で7.3を表示)が高すぎた為心配したが、硝安40kgの元肥調整したところ今回6.6と落ち着いている。 この元肥前のpH上昇原因は、一か月間の圃場湛水のため、pHを下げる成分の硝酸態窒素が土壌下方に沈下したためと思われる。また、堆肥も4トン近く投与したため、加里・苦土が成分増加している。 しかしながら、その割にリン酸が全然増加していない。分析に不信が残る。 このような場合は、やっぱり成分の少ないピートモスの方が良かったようだ。

品質について、にもコメントをしています。そちらの方も参照ください。

 写真−1                  撮影:’15年 2月14日
とまと
 写真−2                  撮影:’15年 2月14日
とまと

 ’16年度                                                               分析者:住化分析センター
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(pH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70   
’15. 9. 2 6.4  2.0以下 27.0 360.0 120.0 460.0 150.0 EC 0.775 腐食 3.0
 20 g               2.70 微量要素
修正値    2.0 27.0 360.0 120.0 460.0 150.0 −−−  
腐植・・・3.0%
スタート時のpH6.4と表示、HO計測で6.9は少し高すぎる。

 写真−1                  撮影:’15年10月10日
とまと
 写真−2                  撮影:’15年10月25日
とまと
土壌分析したが石灰ほかすべての量が多く、元肥はしないことにした。しかし、定植を済ませると写真のとおり石灰欠乏が酷い。バックアップを開始すること2週間、なんとか解消はしたものの、まだ欠乏は続く。

’15.11.30 6.4  2.0以下 21.0 270.0 120.0 470.0 130.0 EC 0.545 腐植 3.4
 30 Kg
150 Kg
 20 g
   5.1  5.1    
 79.5
 

2.70
硝 安
炭酸石灰
微量要素
修正値    7.1 26.1 270.0 120.0 549.5 130.0 2.70  
同日付 SKK社 H2O 6.9  2.2 14.9 349.0 135.0 690.0 138.0 EC 0.51 腐植 2.8
腐植・・・3.4%
pH6.4。
O計測では6.9を表示。すこし高すぎる。
グレー部の数値は、同じサンプルによるSKK社の分析である。比較してみた。石灰の分析が問題。

ここでの分析の重要なところは、今回も前回と同等ほどの石灰が標準以上に検出されている。現状は、石灰欠乏が強烈に続いている。つまり、この分析値をどう捉えるかである。 前回の分析では460Kgを表示し、標準を満たしている。しかし、現状は強烈な石灰欠乏である。今回も470Kgとのことであるので、550Kgまで追肥することにした。
 写真−1                  撮影:’15年11月24日
とまと
 写真−2 撮影:’15年12月 5日
とまと
写真−3 撮影:’15年12月24日
とまと
散布後の写真
写真−4 撮影:’15年12月24日
とまと
散布後の写真
12月17日 硝安 30 Kg 炭酸石灰 150Kgを追肥する。
写真ではその効果は分かりにくい。
今までは、硝酸石灰のような高価な水溶性肥料を用いてきたが、炭酸石灰のような安価な肥料で効果も長く維持できる。

ここで問題なのは、470kgの数値のうえに80Kgを追肥しても過剰障害にならない。つまり、550Kgの数値で健全を保てるか?ということである。

’16.02.04 6.7  2.0以下 25.0 350.0 110.0 430.0 130.0 EC 0.775 腐植 2.4
 20 Kg
 20 g
   3.4  3.4    
 
 
2.70
硝 安
微量要素
修正値    5.4 28.4 350.0 110.0 430.0 130.0 2.70  
腐植・・・2.4%
pHは6.7、HOの計測では、7.0を表示。高すぎる!! HO計測なら、6.8迄に落ち着くように土壌改良する。
ここ数年pHを下げるためのピートモスの使用をやっていないという。そのためか、この時期の暖冬では成長が早く、トマトにもそれ相当の負荷がかかり過ぎているようだ。 また、その所為だと思うが不具合もでている(写真ー3、4)。

 写真−1                  撮影:’16年 1月12日
とまと
 写真−2                  撮影:’16年 1月12日
とまと
このなんとなく違和感のある樹勢。優しく、しなやかさのないこの樹の姿は、土壌pHが高かったり、高いpHの水をかけ続けると、このような、何となくケバケバしい感じになります。 うえの11月24日の写真4枚と比較してもその様子を感じとれます。そして、、、、、、
写真−3                  撮影:’16年 1月12日
とまと
散布後の写真
写真−4                  撮影:’16年 1月12日
とまと
散布後の写真
トマトの、こんなしんどい時に子孫を殖やせない_との拒否行動でしょうか?花芽が、このように伸びませぬ!!ハウス内の温度の調整も上手くしないといけませんね!


 ’17年度                                                               分析者:住化分析センター
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70   
’16. 9.14 6.5 (7.1) 16.0 15.0 340.0 110.0 500.0 130.0 EC 0.554 腐食 3.2
 20 g               2.70 微量要素
修正値   16.0 15.0 340.0 110.0 500.0 130.0 −−−  
腐植・・・3.2 EC・・・0.554
成分は足りているので、pHを修正する。
ピートモス(6cft)を30袋/10a投入して7.1のpHを下げる。アンモニア態窒素は硝酸化成され、硝酸態窒素が増えてpHは下がる。

 写真−1                  撮影:’16年10月26日
とまと
 写真−2                  撮影:’16年10月26日
とまと
アルカリ障害の発生が予想されたが回避できたようだ。だが、少し成長が弱い。

 写真−3                  撮影:’16年11月12日
とまと
 写真−4                  撮影:’16年11月12日
とまと
ここに来て、しっかり持ち直してきました。

 写真−5                  撮影:’16年11月24日
とまと
 写真−6                  撮影:’16年11月24日
とまと
、、、、ところが、灰色カビの予防のために農薬を散布しました。しっかり害を出したようです。この状態で、どうして薬剤散布をするんでしょうか?花芽を焼いてしまったようです。

分析者:イノチオ農業研究所 .
’16.11.29 6.2 (6.6)  2.2 61 350 140 700 220 EC 1.2 腐植 3.2
                   
修正値    2.2 61 350 140 700 220    

今回は、イノチオ農業研究所に分析していただきました。初めての依頼です。
腐植・・・3.2%
pHはHOの計測で、6.6ですから非常に落ち着いた状態です。ですから、生育も良いようです。この状態を維持できるよう管理してください。 硝酸態窒素が61と数値は考えら難いが、偶々、集中したところを採土したものと考えた方が良さそうである。

 写真−1                  撮影:’16年11月29日
とまと
 写真−2                  撮影:’16年11月29日
とまと

 ’18年度                                                             分析者:イノチオ農業研究所
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70   
’17. 8.30 6.7 (7.3) 13.0  0.9 370 78 600 140 EC 0.43 腐食 3.9
 50 kg
 20 g
   8.5  8.5        
2.70
硝 安
微量要素
修正値   21.5  9.4 370.0  78.0 600.0 140.0 −−−  

腐植・・・3.9%
   pHがHOの計測で7.3を示しており、非常に高い。そのまま定植すればアルカリ障害を来す。原因は、トマトの残渣をそのまま漉き込んだと言うので、 この生の有機物が発酵中にあると察せられる。それを物語るものとして、アンモニアの数値が高くなっている。

   『対策』 窒素が不足であるので、硝安を50kg散布したうえでピートモス(pH調整のないもの。6qbfを20〜30袋)を投入し、硝酸化成(アンモニアが硝酸態窒素へ変わる)を進める。そうすることで、マイナスイオンを増やし、土壌pHをさげる。 この事態は、昨年と同様の現象で、昨年もこの方法で危険回避をしており問題ないものと思う。

 写真−1                  撮影:’17年10月13日
とまと
 写真−2                  撮影:’17年11月06日
とまと
10月3日定植。定植後の水(少ない)と温度(換気不良⇒徒長)の管理があまい。11月6日でもCa欠乏が酷い。もっとバックアップ液を強化する(11月6日指示)。 定植前分析では土壌pH高かったが処置したとおり、生育具合を診る限りアルカリ障害は出ていないようで、その修正は出来ている。


   ’19年度                                                             分析者:イノチオ農業研究所
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値@ 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70   
標準値A 6.0〜6.5 *** 15〜20 20〜50 66〜132 315〜473 85〜113 ***   
■’18. 6.22 ** (7.0)  1.5  1.4 300 58 662 139 EC 0.08 腐食 3.4

『分析に対する所見』
定植を行うべく元肥設計のためにJAにて分析をした。

腐植・・・3.4% EC・・・0.08
pHがHOの計測で7.0を示しており、高い。そのまま定植すれば、すぐにアルカリ障害を来すはずである。 一年間しっかり栽培をすれば土壌は大体このような大変疲労した状態である。これを修正するのが元肥の設計である。
『対策』そこで、堆肥を入れてもう一度分析をやり直すことにした

単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値@ 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70   
標準値A 5.3〜6.1 1.0〜5.0 5.0〜10 30〜50 85〜107 454〜572 91〜115 0.8〜1.5   
■’18.10. 1 6.0 (6.3)  1.2  16 400 110 580 180 EC 0.80 腐食 4.3

『やり直しのための分析に対する所見』
イノチオ農業研究所に定植前の分析を依頼した。

腐植・・・4.3% EC・・・0.80
pHはKcl6.0、HOの計測でも6.3を示しており、これなら一年間は安心して栽培できると思う。 唯、家畜糞尿堆肥を2トン(/10a)入れたと言うので、これがしっかり発酵したものであるかどうか?今は臭いはしない!というものの、なにぶんにも格安だったようなので、どうかな?という一抹の不安はある。
『対策』出来るなら硝安40kgを投入すること。

二つの分析値を見て感じることは、この二つの分析は、採土の時期も位置も違うので全く同じになることはないと思うが、それにしても肥料を入れたわけでもないのに数値が違い過ぎると察している(堆肥に養分が含まれているので、あくまでも憶測)。 石灰分については、特に疑問を感じている。また、こんなに各社標準値が違うと言うのも気にかかる。


    No.1ハウスの分析表のまとめ(注=9月定植の6月末までの栽培です。その期間でpHや養分の変化を読み取って下さい)                                             
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7   
’08. 8.14 5.2  4.9  3.4 141.0  27.1 134.3  67.6 0.29 CL:9.1
’09. 2. 7 6.0  3.5  9.3  96.5  33.5 125.9  78.2 0.06 CL:0.3
’09. 7.31 6.4  8.1 43.7 120.0  24.0 677.1  19.8 0.12 CL:1.8
’09.12.30 6.7  痕跡  5.0 145.0  24.0 411.3  69.6 痕跡 CL:2.5
’10. 4. 7 6.9  0.1  4.4 155.0   6.0 363.7  89.5 0.20 CL:痕跡
’10. 9. 8 6.1  2.2 16.2 185.0  42.1 414.1  69.6 0.20 CL:6.8
’10.12.25 6.3  1.6 16.2 145.0  30.1 484.0  79.5 0.20 CL:9.3
’11. 2.20 6.6  1.2 13.7 175.0  60.2 503.6  66.3 痕跡 CL:5.0
’11. 9. 5 6.9  2.5 26.2 215.0  96.3 498.0  43.1 0.00 CL:10.6
’12.10. 2 6.0 (6.5)    2.0以下 10.0 180.0  31.0 520.0 120.0 腐植 2.9 EC 0.563
’13. 1.11 6.3 (6.8)    2.0以下 15.0 160.0  37.0 540.0 120.0 腐植 2.2 EC 0.551
’13. 9. 3 6.2 (6.7)    2.0以下 15.0 340.0  81.0 460.0 120.0 腐植 2.7 EC 0.853
’13.11.19 6.2 (6.6)    2.0以下 33.0 320.0  56.0 460.0 110.0 腐植 2.8 EC 0.920
’14. 1.17 6.3 (6.7)    2.0以下 42.0 300.0  74.0 420.0 110.0 腐植 3.2 EC 1.367
’14. 9. 2 6.7 (7.3)  5.0  7.3 290.0  99.0 380.0 110.0 腐植 2.9 EC 0.333
’15. 1.29 6.6 (6.9)    2.0以下 34.3 300.0 110.0 480.0 130.0 腐植 2.7 EC 0.940
’15. 9. 2 6.4 (6.9)    2.0以下 27.0 360.0 120.0 460.0 150.0 腐植 3.0 EC 0.775
’15.11.30 6.4 (6.9)    2.0以下 21.0 270.0 120.0 470.0 130.0 腐植 3.4 EC 0.545
同日付 SK社 ( 6.9)  2.2 14.9 349.0 135.0 690.0 138.0 腐植 2.8 EC 0.51
’16. 2. 4 6.7 (7.0)    2.0以下 25.0 350.0 110.0 430.0 130.0 腐植 2.4 EC 0.775
’16. 9.14 6.5 (7.1) 16.0 15.0 340.0 110.0 500.0 130.0 腐植 3.2 EC 0.554
’16.11.29 6.2 (6.6)  2.2 61 350 140 700 220 腐植 3.2 EC 1.2
’17. 8.30 6.7 (7.3) 13.0 0.9 370 78 600 140 腐植 3.9 EC 0.43
’18. 6.22 ** (7.0)  1.5  1.4 300 58 662 139 腐植 3.4 EC 0.08
’18.10. 1 6.0 (6.3)  1.2 16 400 110 580 180 腐植 4.3 EC 0.80
’09.07.31〜’10.04.07(1作の栽培期間)のように成長が進み着果数が増えてくると、このようにpHは次第に上昇する。

畝立て前の’09年7月31日はpHが程良い6.4だったのが、12月には6.7へ、 2〜4月の収穫最盛期になると6.9まで上昇している。成り疲れに突入である。これを対策せずに放置しておくと青枯れとなる事、必至である。

翌年度は’10年9月8日に定植をして、栽培が始まる。トマトの成長に連れ、ここでもpHが次第に上昇しているのが理解できる。土壌のpHは一定ではなく、このような現象を繰り返しているのである。

 写真−1 土壌pH6.9の様子(根) 撮影:’10年 4月24日 とまと    写真−2 同じく(草勢)        撮影:’10年 4月24日
とまと
根は褐変して重要な毛根が見当たらない。根こぶも発生していると言う。 根が無くなってしまうと、写真−2のように元気がなくなって、葉は萎れて垂れています。(対策は堆肥のページへ)

色部の窒素・加里成分は追肥として必ず標準値に修正している。にも関わらず、このように吸収されてしまう。 また、12月末と4月の間の2月6日には硝安35Kgと硫酸加里を40Kg追肥したと言う。つまり、ここで極めて重要な事は、 窒素分として12月30日に硝安を74Kg、加里分は硫酸加里48Kgを追肥し、更に中間日となる2月6日には硝安35Kg硫酸加里40Kgを自判断で投与している。

この3カ月間だけでもその合計は硝安109Kg硫酸加里は88Kgとなる。 それだけ投与しているのに今回(4月7日)また、硝安80Kg硫酸加里に換算すると81Kgを追肥する事になる。 しかも今回の土壌検査は余りにも元気がないと言うので分析を薦めたのである。 だから、写真を見ても分かるように、果の型も悪いし、樹は徒長し玉の伸びも悪い。

4月7日の分析値pH6.9は元肥などの処理により、定植をする9月8日には6.1に回復させ、更に12月25日の段階でもpH6.3と落ち着いた状態になっている。その時の樹勢の写真。
 写真−3 土壌pH6.3の前景 撮影:’10年12月24日 とまと    写真−4 同じく             撮影:’10年12月24日
とまと


 
圃場 NO.2
作物:ハウスとまと
’10年度
                                                             分析者:中隈水質土壌分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70   
’09. 7.31 6.6 7.2 48.7 75.0 54.1 604.3 13.2 0.10 CL:1.2
100 Kg
 20 g
            16.4
2.70
硫酸苦土
微量要素
修正値   7.2 48.7 75.0 54.1 604.3 29.6 2.80  
腐植・・・微
灌水に使用している水(井戸)のpHは6.5である。
NO.1と同様の理由による石灰過剰と思われる。
’09.12.30 6.9  0.0  3.7 155.0 30.1 386.1 72.9 痕跡 CL:2.8
78 Kg
37 Kg
20 g
  13.3 13.3  
20.0
   

2.7
硝  安
硫酸加里
微量要素
修正値   13.3 17.0 155.0 50.1 386.1 72.9 2.7  
腐植・・・少
’10. 4. 7 7.0  0.2  3.6 195.5 27.0 439.2 66.3 0.1 CL:痕跡
80 Kg
30 Kg
15 Kg
20 g
  13.6 13.6  
19.0
 8.1
   


2.7
硝  安
塩化加里
硫酸加里
微量要素
修正値   13.6 13.6 195.5 54.1 439.2 66.3 2.8 14.3
この分析値で栽培したのが、下の写真。
これもpHが7.0と高い。その高い原因はNo.1と同じ。石灰が多い分だけpHが0.1高いと考えても良いのではないか。

ここでも、分析をした12月と4月の間の2月6日には硝安35Kgと硫酸加里40Kgを一回追肥している。
標準値にある成分(窒素と加里)はここでも吸収が早く、過剰な成分(リン酸と苦土)は殆ど吸収されていない事が分かる。
( 下表のNo.2ハウスの分析表のまとめ水耕栽培に於けるリン酸の濃度別吸収試験 を参照して下さい )

写真−1 分析直前の様子(草勢)
撮影:’10年 4月 3日
とまと
  写真−2 分析直前の様子(果実)
撮影:’10年 4月 3日
とまと
写真−1はNo.1ハウス同様、節間が長くなり徒長している。写真−2の果実についても同様に奇形果が多い。(この品種は元々奇形の多いファースト系とは聞いているものの、私はアルカリの影響が大きいと見ている)
此処も、灌水時の水のpHは5.8〜6.0として、土壌pHを6.2〜6.5にするよう努力する。

’11年度                                                             分析者:中隈水質土壌分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70   
’10. 9. 8 6.2 2.8 15.6 160.0 36.1 400.1 63.0 0.10 CL:10.0
 34 Kg
 26 Kg
 20 g
   5.80   5.80  
14.0
   

2.70
硝 安
硫酸加里
微量要素
修正値   8.6 21.4 160.0 50.1 400.1 63.0 2.80  
腐植・・・少
 写真−1 樹勢              撮影:’10年11月26日
とまと
   写真−2 根の状況          撮影:’10年11月29日
とまと
定植から約2か月、土壌分析結果にも大きな問題点は見当たらず順調に育ち、葉の色も良い。 暖房用のダクトをはぐってみると、潅水量も十分で通路にも、うっすらと根が伸びている。
’10.12.25 7.0  1.2  8.7 135.0 24.0 489.9 59.6 0.1 CL:8.7
60 Kg
40 Kg
20 g
   10.20  10.20  
21.6
   

2.7
硝  安
硫酸加里
微量要素
修正値   11.4 18.9 135.0 45.6 489.9 59.6 2.8  
腐植・・・微
 写真−1 土壌の水分量(根)    撮影:’11年 1月25日
とまと
   写真−2 樹勢             撮影:’11年 1月25日
とまと
更に一ヶ月が経過、水分量が全然不足。これを皆さんは乾くと言う表現をしますが、 正確には乾くのではなく、蒸散が進み土の水分を作物が吸収しているのです。その時、当然のことながら養分も一緒に吸収します。 だから潅水量も順次増やさなければならない。にも拘わらす、こんなに乾燥させたのでは、土壌中に養分が有っても溶解せず、 根も伸長しません。重要な毛根も見当たらない。pHは当初の6.2からグングン高くなり(これが成り疲れの大要因)7.0へ、 この頃の樹勢にはアルカリの障害が見えます。
’11. 2.20 6.5 1.1 17.5 170.0 96.3 402.9 82.9 痕跡 CL:8.7
35 Kg
100 Kg
20 g
   5.95   5.95    
 53.0
 

2.7
硝  安
炭酸石灰
微量要素
修正値    7.05 23.45 170.0 96.3 455.9 82.9 2.7  
腐植・・・微
 写真−1 樹の様子          撮影:’11年 2月17日
とまと
   写真−2 土壌の様子        撮影:’11年 2月17日
とまと
12月末の分析前後から管理が悪く、根が無くなってしまっている。重要な毛根も見当たりません。 そこで、不作の要因を調べる事にした。結果、土壌分析をしても、土壌には何も悪い要因は見当たらない。加里と苦土の数値が高く出ているものの、 恐らく、これは乾いた土壌を採取したために数値が高目に検出されたものだろう。議論の結果、“病気が怖いから潅水を控え気味に与えている” と言う事なので、ここに大きな間違いがある事も分かった。 また、暖房用の燃料代がこの冬は高く、この費用を節約するため温度を低く設定したのも、その要因となっているようだった。

分析をした2月20日以降、管理法は潅水量の改善(多くする)に重きを置き、その様子がどう変わるか期待する。

どうも・・・???この問題では私は理解しがたい。つまり、水を掛けたら病気になると言った問題は、水を掛けて病気が発生するのなら、 養液栽培は病気だらけでは??と問うのだが・・・・、なぜこんな話が成り立つのか?この事が私には理解できない。

ここで極めて重要な事は、水のphが高いのに潅水量を多くすると根は必ず痛みます。病気(の様にも・・)にもなります。つまり、アルカリ障害を来します。 特に、養液栽培では養液のpHが7.0を超えると、根は必ず壊死します。 その上、その養液はその腐敗した残根から出る有機酸でそのpHは下がります(電気伝導度:ECは上昇します)。 ここで、良く間違える人がいます。pHは低い、若しくは適正なのに根が腐敗していると・・・そうではありません。 pHが上がると根が傷んでその腐敗が進み、それから生じる有機酸の為に養液のpHは下がります。 ですから、気が付いた時にはすでにpHが低くなっているか、又は軽微の状態で適正となって表れるのです。つまり、pH計測のタイミングが2日ほど遅れているのです。


’13年度                                                                 分析者:住化分析センター
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70 Na
’12.10.12 6.5  2.0  5.4 150.0 60.0 520.0 120.0   1.6
 40 Kg
 20 g
   6.8  6.8        
2.70
硝 安
微量要素
修正値    8.8 12.2 150.0 60.0 520.0 120.0    
土壌は10月2日採取。No.1号ハウス同様、石灰と苦土が過剰。
’13. 1.11 6.7  2.0 16.0 170.0 83.0 570.0 140.0 −−−−  
 35 Kg
 20 g
   6.0  6.0        
2.70
硝 安
微量要素
修正値    8.0 22.0 170.0 83.0 570.0 140.0 −−−−  
ここでも、前回の分析に比べpHが上昇している。
分析でも石灰と苦土が過剰。ここも疑問??採土の仕方だけが原因とは思えない。悩むところだ!
 写真−1 分析直前の様子      撮影:’12年12月23日
とまと
 写真−2 同左の生長点部      撮影:’12年12月23日
とまと
No.1ハウス同様、緑色は抜け落ち、完全なCa欠乏となっている。管理はも同じBP液を3〜4日毎に供給している。1月16日の報告では、No.1ほど酷くは無いが石灰欠乏は目立つと言う。 このNo.2ハウスは1本仕立てで栽培しているから樹への負担は少ない筈。BPのピッチを上げるか硝酸石灰を増量する対策が必要。

’17年度                                                                分析者:イノチオ農業研究所
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70 Na
■’16.11.29 6.1 (6.7)  0.4 22 310 120 550 180 EC 0.66 腐植 3.5
 
 
                 
修正値    0.4  22 310 120 550 180    

今回は、イノチオ農業研究所に分析していただきました。初めての依頼です。

腐植・・・3.2%
pHはH2Oの計測で、6.7です。この後、上昇となっていくので注意すること。この状態を維持できるよう管理してください。 硝酸態窒素が22kgです。10kgほど追肥したいところですが、今回は追肥をせず様子を見ます。

 写真−1                  撮影:’16年11月29日
とまと
 写真−2                  撮影:’16年11月29日
とまと

No.1ハウス同様、生育は良好。


    No.2ハウスの分析表のまとめ                                             
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.7   
’09. 7.31 6.6  7.2 48.7  75.0 54.1 604.3 13.2 0.10 CL:1.2
’09.12.30 6.9  0.0  3.7 155.0 30.1 386.1 72.9 痕跡 CL:2.8
’10. 4. 7 7.0  0.2  3.6 195.5 27.0 439.2 66.3 0.10 CL:痕跡
’10. 9. 8 6.2  2.8 15.6 160.0 36.1 400.0 63.0 0.10 CL:10.0
’10.12.25 7.0  1.2  8.7 135.0 24.0 489.9 59.6 0.10 CL:8.7
’11. 2.20 6.5  1.1 17.5 170.0 96.3 402.9 82.9 痕跡 CL:8.7
’11. 9.14 6.9  3.6 13.7 150.0 54.1 450.4 36.4 0.50 CL:13.9
’12.10.12 6.5    2.0以下  5.4 150.0 60.0 520.0 120.0    
’13. 1.11 6.7    2.0以下 16.0 170.0 83.0 570.0 140.0    
’16.11.29 6.1 (6.7)  0.4 22 310 120 550 180 EC 0.66 腐植 3.5
『’9.7.31〜’10.12.25 の考察』
 No.1同様、ここでも成長が進むに連れ、pHが次第に上昇している。 畝立て前の’09年7月31日はpHが程良い6.6だったのが、12月には危険域の6.9に成り、 2〜4月の収穫最盛期になると7.0まで上昇してきている。ここでも成り疲れである。更に悪い事に、いつも6.3〜6.5である筈の灌水用井戸水がこの時pH7.0まで上昇していたと言う。
それを知らずにジャブジャブかけていたとの事で、どうも様子がおかしいと言うので当方に連絡があったもの。青枯れ寸前であった。
  (注意:このように土壌pHが高いところで、pHの高い水をかけ続けると不具合が増幅される。)

の成分は分析後、必ず標準値に修正している。にも関わらず、このように吸収されてしまう。
また、12月と4月の間の2月6日には硝安35Kgと硫酸加里を40Kg追肥している。
ここでもNo1号ハウスと同様、12月末から4月7日までの約100日間の追肥量はで硝安189Kg硫酸加里169Kgとなる。

写真−1 土壌pH7.0の様子(根)  撮影:’10年 4月24日
とまとのアルカリによる根の障害。褐変して根毛が無い
  写真−2 正常な根(同6.2前後)  撮影:’09年 3月11日
とまとの健全な根の状態
根は褐変して重要な毛根が見当たらない。根こぶも発生していると言う。   前年度に撮った正常な根の写真。根毛もある。
’09年2月7日に土壌検査している。そのときpH6.0である。生育も良い。

写真−3 土壌pH7.0の樹勢
アルカリによる根の障害の為、葉は萎れ垂れている
撮影:’10年 4月24日
   写真−4 土壌pH6.2前後の樹勢
健全な根の状態樹勢
撮影:’09年 3月11日 .
  上の写真−(1・3)と(2・4)の土壌分析の比較をすると・・・・
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度=Kcl
( )内はH2O
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
分析日
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70   
写真(1・3) 6.9 0.0 3.7 155.0 30.1 386.1 72.9 2.8 ’09.12.30
 〃 7.0 0.2 3.6 195.5 27.0 439.2 66.3 0.1 ’10. 4. 7
写真(2・4) 6.0 3.5 9.3  96.5 33.5 125.9 78.2 0.06 ’09. 2. 7
このようにリン酸以外は分析値に大差なく、これを見るとpHが自然に上昇する原因は硝酸態窒素と石灰分の差であることが理解できる。
成長と果実の成りが多ければ多いほど硝酸態窒素の要求度は高まり、それに伴いその吸収スピードも高まる。その結果、急激なpH上昇を来たす事となる。 これが成り疲れと言われる現象で、この写真−3のような萎れた状態が更に進行してやがて青枯れとなり、放置しておけば症状は短日で蔓延し青いまま壊死してしまう。

これを回避するには窒素の欠乏に硝安などで対処して、それを都度補給していく事。 そして、有機物をたっぷりと投入して硝酸化成菌を活性化する事により、アンモニア態窒素を硝酸態窒素に素早く変化させる方法しか無い。 つまり、窒素分は硝酸態窒素が30Kg、石灰は320Kgとすれば自然にイオンは弱酸性(6.2くらい)となるのである。安定的な栽培をするにはこの方法以外には見当たらない。

注) pHが6.0の時の石灰分は125.9となって欠乏状態であるが、ここは硝酸石灰を常に与えてその欠乏を回避している。


さて皆さん、今私たちを取り巻く農業の考え方“減窒素だ!” “窒素は体に悪い、化学肥料は体に良くない、だから減らせ!” 特別栽培として窒素を減らした者には褒美として補助金を付けるぞ! また、硝安も買うのにも手続きが複雑になって来ています。硝安を取り扱っている肥料商は警察が度々やって来て、 “硝安を何に使っている(硝安は爆薬の原料になり得る指定危険物)?保管はどのようにしているか?”とかうるさく尋ねられると言っていました。

産業・工業そして医学・医療では世界をリードする、このハイテクな技術大国日本、私は農家の立場から考えた場合、 農政は“そんな行政や営農指導をやっている場合ですかね〜・・・・・つまり、この30年間の農産物の価格は上がっていません、 寧ろ下がっています。それなら、少ない面積で収穫量を増大させて販売価格に見合うコストの削減、つまり密度の高い農業を研究すべきだと思うのです。

それには土壌や肥料の研究だと思うのですが、現実には少し違うような気がしてなりません。 植物代謝の重要な要素の窒素を減じたり、有機栽培を進めたり、pHを無視したり、水を掛けない農業を教えたり、更には要素の欠乏を病気と言ったり、これらは全て収量を減じる方向にあると思うのですが・・・、 このような事柄は農家の求める研究の方向とは少し違うんじゃないですか?と考えたくなります。元々多く施肥している訳でもないと思われる窒素を5割も減らして、 本当に大丈夫ですか?このように思いたくなります。

野菜作りの3大要素の窒素、安価でその使い勝手が一番良い硝安が手に入らないとか、JAや肥料商が硝安を取扱ってくれないと、泣いている農家がいることは事実です。

<< 参考 >>
いちご栽培ハウスみかん栽培バラ栽培ではこのような肥培管理データが掲載してあります。また、来年度(’10年)はこのハウストマトも毎月土壌の分析をしてデータを整理したいと思っています。

= 完 =



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