ホ ウ 素 欠 乏 に つ い て 

<翻訳>                                                 更新日:2008年10月 3日

        INDEX
1. 植物体内におけるホウ素 .
2. ホウ素欠乏の原因 .
3. ホウ素欠乏の症状 .
4. ホウ素欠乏の病理 .
5. ホウ素欠乏の作物における主な症状 .
6. ホウ素欠乏の対策 .


ホウ素は酵素の構成成分となっていないので、その生理作用については不明な点が多い。それにも拘わらず、ホウ素が欠乏した場合には植物体に極めて特徴的な症状が現れることには学問的にも興味のある事実である。

ホウ素が植物生理上、必須の要素であることは遠く1920年代には既にいろいろな作物を通して確認されている。

  欧米における研究と発見
 1) 1926年
 2)   〃
 3) 1929年
 4) 1930年
 5) 1931年
 6) 1935年
 7) 1937年
 8) 1939年
 9) 1939年
10) 1942年
11) 1942年
12) 1942年
Brenchly,W.E.& K.Warigton
Sommer,A.E. & C.B.Lipman
Mcmurtrey、J.E.Jr
Johnston,E.S. & P.L.Fisher
Brandenburg
Purvis & Ruprecht(米)
Dennis
Askew & Williams
Walker(米)
Lincoln & Colwell
Alexander
Heggeness
ソラマメの萎黄病、不捻、成長点の枯死
  
  
  
サトウダイコンの芯腐れ
オランダミツバの茎割れ病
リンゴの縮果病(硬果)
アンズの果肩部の褐斑病
アカカブの癌種病
アルファルファの葉の黄、赤変化枯死
カボチャの根こぶ
アマの錆菌

  米沢農業研究所における研究と発見
 1) 1968年
    
 2) 1970年
 3) 1973年
 4)   〃 年
 5) 1974年
 6) 1976年
 7) 1977年
 8) 1978年
 9)   〃 年
10)   〃 年
11) 1980年
12)   〃 年
13) 1982年
(昭和 43年)
  
( 〃 45年)
( 〃 48年)
(  〃  年)
( 〃 49年)
( 〃 51年)
( 〃 52年)
( 〃 53年)
(  〃  年)
(  〃  年)
( 〃 55年)
(  〃  年)
( 〃 57年)
ナスの根が太根だけで細根が少なく、根を爪でしごくと木質化した導管部が繊維状に白く残り、爪ぐらいでは簡単に千切れない。落果、落葉、不捻(熊本市)
うどん粉病 [研究所内の礫耕設備のキュウリ(久留米落合H型)栽培]
トマトの根こぶと茎割病(礫耕栽培 佐賀市)
トマトの硬果、褐斑病(島原市)
菊のサビ病(前原市)、大根の内部黒点病(研究所内)
トマト、ナス青枯病の症状、キュウリの立枯病の症状(久留米市)
柑橘の灰色カビ病(前原市:ハウスみかん)
バラの癌腫病(滋賀県、佐賀県)
大根の芯腐れ(沖縄県)
ニガウリの穴あき病と根コブ(沖縄県)
イチゴのうどん粉病、灰色カビ病の絶滅(香川県)
スイカの果肩部の裂果(香川県)
ピーマンの青枯病症状(宮崎市)、キュウリのベト病、トマトの葉かび病(研究所内の礫耕栽培)

関連リンク
 << 京都大学農学部植物栄養学研究室 のホウ素研究 >>
 << 松永俊朗の仕事サイト >>
 << Wikpedia ホウ素欠乏(植物障害) >>

然しながら、わが国では未だに「根こぶ」症状をホウ素の欠乏と捉えず、単に「根こぶ線虫の害」として捉えているのが現状である。
以下、ホウ素について研究の一助となれば大変幸いである。


1.植物体内におけるホウ素

植物体内におけるホウ素の生理作用は未だ充分に解明されていないが、今までに明らかにされた諸点は、

1)ホウ素は他の要素と違って、植物体内の古い組織に存在するものが新しい成長点に向かって養分移動することはない。
  従って、 植物の生育期間中の新しい組織は常に根や葉から吸収されたホウ素成分の補充が必要(与え続けなければならない)となる。

2)ホウ素が欠乏すると、根における石灰の吸収が不十分となり、その成長が著しく阻害される。

 その結果、、、、
イ)細胞の形成は細胞と細胞をつなぐ役目の中層(細胞の最外壁)の形成により始まる。この中層はペクチンを主たる成分としており、この成分に石灰(ペクチン酸カルシウム)や苦土(ペクチン酸マグネシウム)が加わって形成される。従って、ホウ素が欠乏すると細胞膜の形成は阻害されることとなりその結果、根や新梢のように盛んに分裂成長をしている柔組織は破壊されて、その成長は停止してしまう。

ロ)細胞分裂の低下は導通組織の退化減衰をもたらし、原形質の転流や水分の上昇を阻害する。

3)ホウ素は加里によりその吸収が助長される。言い換えれば、加里の欠乏はホウ素欠乏を来たす原因となる。

4)ホウ素は水分代謝と密接な関係がある。

ホウ素が欠乏すると、葉の中に存在する炭水化物の含有量が増加し体内の浸透圧は上昇する。そのため、植物体の水分の保蔵力は増大して葉面からの蒸散量は減少する。
更に、導通組織の退化とも相俟って、根からの養分の上昇が減少する。逆に、茎では炭水化物の含有量は少なくなる。

5)植物体内の酸、アルカリ平衡に関係する。

ホウ素が欠乏すると石灰の吸収量は著しく減退する。その為、植物の皮層と細胞形成の中心となる細胞は強酸性化してしまい1, 次いで篩管部柔細胞にも影響を及ぼし、その部分も強酸性化してしまう。結果、細胞膜は破壊してしまい壊死してしまう事となる。


2.ホウ素欠乏の原因

  1) 絶対量の不足

    熱水浸出法により分析をして、ホウ素(B)として0.02〜0.03mg以下(乾土100g)とて検出された場合。

  2) 土壌からの流亡や溶出

   イ) 砂質土壌

     砂は岩石が風化して細かくなったもの。このような岩石には微量のホウ素を含むのもあるが植物に対して利用され難い、植物に
     役立つホウ素は動植物の遺体が分解した有機物が無機化したものである。

   ロ) 酸性の土壌 
土壌pHと肥料要素の溶解利用度
Troug 表

土壌中の肥料成分はその土のPHにより溶ける量は変化します。太い部分は良く溶けることを示し、細くなるに従って溶け難くなることを表しています。

すべての成分がバランスよく溶けるPHは6.8(赤い線の位置)です。硼素はPH5.0付近になると溶解し難くなり、更に低くなっていくと急激に溶解しなくなります。

   ハ) 降雨

     降雨がもたらす大量の水はホウ素に限らず、他の肥料塩の流亡も多い

  3) 相対的な欠乏症状(拮抗作用)

   イ) アンモニア態窒素が過剰(4.2mg以上/乾土100g) →→ 加里、ホウ素、モリブデン

   ロ) 石灰が過剰(380.8mg以上/乾土100g)      →→→ 苦土、加里、ホウ素、亜鉛、鉄


3.ホウ素欠乏の症状

1) 根 ・・・・ 黄化して細かい根は少なく、太い根で瘤が発生し、裂開や硬化となる。

  写真−1 <とまと>        
とまと
  写真−2 <とまと>        
とまと
B欠乏。根には全く毛根はありません。
これでは養分を吸収できません。
Bの欠乏の写真です。礫耕栽培のとまとの根です。 根こぶが出来ています(部)ので根こぶ線虫ではないかとの事でしたが、調べてみても線虫は生息していませんでした。

断面を見ると組織が壊死して茶褐色になっています。完全に木質化しています。

  写真−3 <いちご>        
いちご
  写真−4 <いちご>        
いちご
いちごの茎部の写真です。これは俗に言う炭素病と言われる症状の写真です、通導部が半分以上壊死して木質化(部)しています。これでは養分の移動ができません。Bの欠乏です。
いちごの根部の写真です。成長が止まったままと言う事で、根を抜いて断面を見る事にしました。組織が壊死して茶褐色(部)になっています。Bの欠乏です。通導部の組織は壊死しています、細根も殆どありませんでした。



2) 茎 ・・・・ 果菜、花卉では根際の裂開、硬化、果樹では欠乏の時点で枝幹の裂開、皮層剥離。

写真−5 <ばら>
薔薇
  写真−6 <カーネーション>        
カーネーションのホウ素欠乏
幹の根際は烈開しています(印)。Bの欠乏です。
ここに2次的に病原菌が侵入してして来ます。
カーネーションの根際の裂開部です。組織は壊死し、細根も殆どありません。

  写真−7 <とまと>        
とまと
  写真−8 <とまと>        
とまと
茎の部分は裂けています。 B欠乏。茎の断面。導管(養分の通る部分)は破壊して完全に木質化しています。

  写真−9 <ぶどう>        
ぶどう
  写真−10 <ぶどう>        
葡萄
ぶどうの枝部の写真です。これはホウ素が欠乏した為に通導部が壊死して木質化(部)しています。 これでは養分の移動ができません。冬になるとこの部分を中心に凍結し、やがてその枝は枯れてしまう。
壊死して腐蝕した部分(部)。
柄の部分もB欠乏のために裂開(部)しています。

  写真−11 <ぶどう>        
ぶどう癌腫
  写真−12 <ぶどう>        
ぶどう癌腫
継ぎ木の部分は“コブ”が発生しています。組織は完全に養分を吸われた状態で“カスカス”の状態です。 コブの組織部分はポロポロと簡単に剥がす事が出来ます。髄の部分だけが残りました。



3) 葉 ・・・・ 周縁は黄色化 → 褐変 → 壊死。
          葉脈の一部分から変形して、裏側に向かって縮れ若しくは巻き込む。
          成長点の縮れ・萎縮現象。

  写真−13 <いちご>        
いちごのうどん粉病
  写真−14 <きゅうり>        
きゅうりのうどん粉病
いちごのうどん粉病(Bの欠乏)の写真です。ホウ素が欠乏すれば、写真-3・4のように通導部が壊死して木質化してしまいます。これでは養分の移動ができません。そこでは中葉組織が未完成となり、組織は壊死してしまいます。その壊死した部分の分解の第一歩がうどん粉と呼ばれるカビなのです。
きゅうりのうどん粉の症状です。この農園は灌水をPH7.2の水で行なっています。
全体的に葉の色が黒っぽく、これはリン酸の大過剰の色です。

  写真−15 <ばら>         
薔薇
  写真−16 <いちご>         
いちご
 印)はブラインドといって葉が折れ曲がる現象です。 この種の症状はバラの栽培農園では良く見かけます。 このように葉脈の部分(印)は壊死して褐変します。 導管・篩管のような通導部は破壊されて木質化した現象です。



4) 果 ・・・・ 硬化して所々に水浸状の不定形な斑点が発生して褐色化し黒変して裂果する。
          裂果には、尻部からの裂果と肩部の裂果があり、前者は石灰欠乏であることが多い、後者はホウ素欠乏である。
          ホウ素欠乏による裂果は傷口が褐変しているが、石灰欠乏は褐変していないのが特徴である。

  写真−17 <とまと>        
とまと
  写真−18 <とまと>        
とまと
これは尻腐れではありません。尻腐れと違う点は尻の部分に割れたような筋が入っています。 尻腐れは石灰欠乏ですが、このような症状にはなりません。これはBの欠乏したものです。このような果は硬くなります。 B欠乏の果。
右側のように果が裂け、白熟期が来ていないのに果の緑色が斑になって、 左側にある小さな果のように茶色の斑点が見られるようになります。裂口は褐変しています。

  写真−19 <ぶどう>        
葡萄
  写真−20 <苦瓜>         
ゴウヤ
尻部から裂けていますが石灰欠乏ではありません。B欠乏の果は硬く裂口は褐変しています。 この写真はにがうりです。ホウ素の欠乏により根にコブが生じ、果にはB欠乏特有の黒い斑点が出来ています、 ここから腐敗は始まります。


  写真−21 <りんご>        
りんご
  写真−22 <りんご>        
りんご
果にはB欠乏特有の黒い斑点が出来ています。B欠乏の果です、これを上から見ますと・・・。 このように、果に割れているのが確認できます。


4.ホウ素欠乏の病理

  『 ホウ素が欠乏するとうどん粉病、さび病が多発する 』

  Bは他の微量要素と違い酵素の構成々分となっていない為に、その生理作用について不明な点が多い。
  しかしながら、重要な機能として根の維管束の発達や茎の導管・篩管などの導通組織に与える影響は大であることは間違いないよ
  うで、生育状態の悪い作物の茎や根を切断して、試薬にて欠乏状況を判定してみると殆んどが陽性(B欠乏)を示す

  また、Bはカルシウムとも密接な関係があることや、原形質の水分代謝に関与していることも古くから知られている。
  B欠乏による根の維管束や茎の導管・篩管の未発達の弊害として炭水化物や他の必要栄養などや水分の移行が妨げられ、特にカ
  ルシウムが植物体内で有効に利用されないことによる中層組織の未形成は、極めて不健全な細胞となる。

  そのような不健全な組織はやがて壊死してしまい、その死骸の蛋白質などを栄養源としてカビは生息するのである。

  一般に言う、うどん粉病などはそのような植物の死骸に住み着いた菌類で、謂わば2次的に発生した症状なのである。


5.ホウ素欠乏の作物における主な症状

 十字花科植物では

  総体的に落花、落種子、不稔が発生する。

  イ) 大根

   中芯部に黒褐色化した壊死症状となる。
   大根の表面に黒褐色の斑点が現れる。(<注>中心部が空洞になるのは石灰欠乏である。)
   葉の成長点は縮れて萎縮し、葉の周縁は褐色化している。


  ロ) 白菜、きゃべつ、レタス

   芯腐れとなり、白菜では特に中肋に黒褐色の斑点が生じる。

  ハ) セロリー

   茎が裂開して成長点は萎縮する。

  ニ) とまと

   茎の根際は裂開して果は硬化となり、斑点を帯びたりする。 → 裂果が多く現れたり尻腐れ状になる。
   茎、及び根は硬化して、特に根は黄化してこぶが発生する。更に細根までもなくなってしまう
   昼間は萎凋して青枯の症状となる。 → 枯死

  ホ) きうり

   茎の根際は裂開して果は硬化となる。酷くなると黒褐色の穴が発生したり、イボが異常に大きくなり、一見バイラスの症状を呈する
   ことがある。
   根は黄変硬化して3〜4本の太い根のみとなる。カボチャに接ぎ木した場合は根こぶが多く発生する。
   昼間は萎凋して青枯れの症状となる → 枯死

  へ) 西瓜

   茎の根際は裂開して果は硬化となる。
   果の肩側に水浸状の斑点が出来、酷くなると黒褐色化し裂果する。
                 (尻部から裂果するのは石灰欠乏)
   根は硬化した太根のみとなり、根こぶを発生することがある。
   昼間は萎凋して青枯れの症状となる。 → 枯死

  ト) いちご

   葉柄が極端に黄化、果を収穫するのに果柄を爪で簡単に切れない。
   葉に黒褐色の小斑点が発生し、その斑点は葉の裏側にまで至る。
   葉柄にも、黒褐色の斑点が発生する。
   葉焼け現象が発生
   根は欠乏の時点から太根となり、既存の細根は黒褐色化して枯死していく。新しい毛根は発生しない。
   茎の根際が硬化する。

  チ) かぼちゃ

   果にうどん粉病が発生する。
   葉の周縁が黄化する。
   根際は硬くなって裂開する、太根のみとなった根は根こぶを発生している。

  リ) なす

   葉に黒色斑点を生じ、それが広がると枯死する。
   茎の根際は硬化し裂開する。


 以上が作物全般にわたる硼素欠乏の症状であるが、最もわかり易いホウ素の欠乏は
    @根を爪でしごくと木質化した導管部が繊維状に白く残る。
    A果柄や葉柄を爪を裁てて切断しようとしても簡単に切ることが出来なくなる
 など特徴的な症状を呈するので、目安としてこのような事を判別の指針とするのが簡単である。 勿論、うどん粉病が発生すれば、
 それはホウ素欠乏を示しているという事もしっかり認識しておく必要がある。


6.ホウ素欠乏の対策

ホウ素はカルシウム同様、栽培の全期間中において常に供給しなくてはならないという、非常に厄介な要素である。
それは、ホウ素という要素は他の要素と違って植物体内の古い組織に存在するものが新しい成長点に向かって養分移動することはないという性質を持っているからである。 従って、欠乏に気がついたからといって慌てて散布しても、時を逸するという事態に陥る。

そこで、一番良い方法は元肥として与えておく事である。その方法を下記に示す。 また、この要素は、投与量を誤ると過剰障害といった困惑の事態にもなるので、その散布量については細心の注意を要する事を念のため申し添える。

   果菜・花卉類
   『 元肥として散布する場合、10a当りホウ酸1kgと、Mo欠乏対策として、モリブデン酸アンモニウム20gを約20gの熱湯(80℃
   以上)にて、ポリバケツ内で溶かし、それを200g以上に希釈して通路も含めて、動噴で全面均等に散布して良く耕起する。 』

   他の元肥の施肥と同時に行うのが良い。

   果樹類
   『 果菜・花卉類の方法にて、元肥として1回と果実が形成されて来る頃、追肥にて更に1回を施す。 』
   果樹の葉にかからぬように注意する。

 1) 肥料として使用できるホウ素含有物質

     ホウ酸 HBO = 61.84(分子量) Bとして17.46%を含む
       溶解度 :  5g / 100ml /  20℃
              40g / 100ml / 100℃

     ホウ酸について 〔 英 boric acid 独 borsaure 仏 acide borique 〕
       HBOの組成を有し、100mlの0℃の水に1.95g、20℃の水に5gが溶け18℃では0.1N溶液で0.0001%しか解離
      しないというから非常に弱い酸である。殺菌力は弱いが半飽和液は眼科用また泌尿器科用の洗浄液として用いられ、或いは
      軟膏として皮膚疾患の治療として用いられている。

     ホウ砂 NaB・10HO = 381.42(分子量) Bとして11.33%を含む
       溶解度 :  1.3g / 100ml /  0℃
                22g / 100ml / 62℃

     ホウ砂について 〔 英 sodium borte、borax 独仏 borax 羅 natrii boras 〕
       Na・10HO 即ちホウ酸ナトリウム(sodium borte)と呼ぶ。

       白色の硬い結晶で水に溶けやすく、弱アルカリを示す。ホウ素と同様ホウ素イオンの作用を有して弱い殺菌作用があるため防
      腐剤として外用される。毒性は弱いが排泄が遅く蓄積作用があるため現在では内用せられることはない。粘膜の炎症、口内
      炎、鵞口瘡に賞用される。(ホウ砂グリセリン)軟膏、化粧品、コールドクリームに混ずれば脂肪を鹸化して乳化剤として働く。

       ※ホウ砂よりホウ酸の方がやゝ殺菌、殺虫性に富むのでホウ酸の方を薦める。

 2) 肥料としてのホウ酸

   文献には0.3%ホウ酸液(0.15%の消石灰を含有)又はボルドー液に0.3%ホウ酸混入液などが見受けられるが果菜、花卉類で
   はそれ以下の希釈液でも葉面散布を行うと必ず薬害(葉に過剰障害)を発生しているので、ホウ酸希釈液の葉面散布は絶対に行わ
   ないこと。

   但し、鉄、銅、亜鉛、マンガン、モリブデン等を適量含有し有機化された微量要素中にホウ酸を含有させたものは希釈液として薬害は
   発生しない。

       ※ホウ酸単独としての葉面散布を行ってはいけない。必ず元肥として施肥すること。


= 完 =




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