( 写 真 と 解 説 )
1. 前 書 き 編 . 2. 理 論 編 (細胞分裂) . 3. <と ま と 編 > 4. き う り 編 . |
5. な す 編 . 6. い ち ご 編 . 7. す い か 編 . 8. ピーマン編 . |
9. 大 根 編 10. カーネーション編 . 11. 薔 薇 編 . 12. 菊 編 . |
13. シクラメン編 . 14. ユ リ 編 . 15. ぶ ど う 編 . |
(写真提供:米沢農業研究所) <<栽培期間>> ’77年8月5日(定植9月5日:株間30cm)〜翌年7月10日 <<品種:おおみや>> 草丈523cm、20段採り。 収穫は1株当り13.1Kg(74.5個) <<品種:強力米寿>> 草丈518cm、23段採り。 収穫は1株当り12.7Kg(89.9個)
<<栽培手法>> *)金額的な検討をすれば、1,500円/4kgとした場合@375/Kg×13.1Kg×3000株=\14.737.500となる。 |
写真−2 (’05年5月撮影 長野県 I農園) NFT水耕栽培(於:長野県) 4500株のミニトマトを夫婦二人で栽培していましたが、収穫・出荷が間に合わず2000株にする。 培養液のpHとECを自動管理し、養分のバランスが壊れてきたころを見計らって2m3の培養液を更新する(週1回)方法とした。 |
写真−3 (’96年6月1日撮影) 土耕長段(3?段)採りも終わり。この時期、手入れもしていませんが、、、、まだ、十分に元気があります。この後、また直ぐに定植をします。 |
トマト土耕栽培長段採り開始。 |
写真−5 トマトのアルカリ障害です。海水のpHほぼ8.2くらいです。その海水に浸された海の砂のpHも約8.3です。海砂は水で充分に洗って脱塩しないと必ずこのように紫がかった色になります。 原因はpHが7.5以上になるとFe、Cu、Zn、Mnなどの微量要素は溶け難くなって欠乏し、植物の代謝がうまく出来ないからです。 |
写真−6 葉の縁の方から内部に向かって黄色が広がっています。この症状はよく見かけますが、Mn欠乏です。 また、葉の形は一般的には、その中心線から左右対象形をしています。この葉は明らかに左右対象形ではありません。これはMoの欠乏です。 |
写真−7 Mn欠乏が進行したものです。 |
写真−8 もっと酷くなってきました。末期の症状です。 |
写真−9 葉脈と葉脈の間に黄化した部分が見えます。一見するとバイラスかと思えますが、これはZnの欠乏です。 |
写真−10 Znが欠乏すると成長点はこのように極端に細くなります。Znは成長ホルモンの形成に深く関与しています。 果実、わき芽が多くなると必ずこのような症状になります。 |
写真−11 Zn欠乏は下葉にも症状が現れます。4〜5段の果房が結実してきますと、下葉から次第にこのような葉が増えてきます。Zn欠乏が更に進行している姿です。 |
写真−12 同様に、4〜5段の果房が結実してきますと、下葉からこのような葉も増えてきます。この巻き上がった葉はMoの欠乏です。 |
写真−13 点々とした斑点、これはCuが欠乏したものです。一見、Zn欠乏のようにも見えます |
写真−14 この芯芽が萎縮した姿は、微量要素の総合的な欠乏症状です。その中でも特にZnの欠乏が顕著に出ています。また、EDTA(キレートFeなど)の障害もこれに近い症状になります。 |
写真−15 Znは成長ホルモンの形成に深く関与します。特に、生物は動物であれ、植物であれ、子孫が繁殖することを優先とします。写真のように成長点が細くなるのは、植物は果実の成長を優先としての種子を形成しますから、養分は種子部に最優先配分されます。 写真J・Kのように下葉に異変が目立ってくるのは、土壌に養分がない場合、植物は生きていくためにどこからか養分を得る必要があります。つまり、植物は子孫の繁栄のために下葉から養分を奪い、それを守ろうとするのです。だから下葉は必然的に欠乏症が目立って来ます。(土壌の養分管理が悪い圃場ほど下葉が枯れるのが早い) |
写真−16 白い斑点が見えます。Cuの欠乏です。 人間はFeを含んだ血液で酸素を運び、呼吸をしています(Feは赤色の発色源です)。海老の頭の中に緑色のものがあります。人間の血液に当たる海老の血液は緑色をしています、つまり海老はCuで呼吸をしているのです。 一方、植物は海老と同じようにCuが呼吸作用に関係しています。Cu欠乏となった植物細胞は呼吸が出来ない為に壊死し、これが白い斑点となって現れるのです。 |
写真−17 微量要素の総合欠乏症状です。ここまで来ると手の施しようがありません。 |
写真−18 Bの欠乏の写真です。礫耕栽培のトマトの根です。根こぶが出来ていますので根こぶ線虫ではないかとの事でしたが、線虫はいません。断面を見ると組織が壊死して茶褐色になっています。完全に木質化しています。 B欠乏になりますと栄養の通る導管などの組織が死んでしまいますので根の組織は木質化し硬くなってきます。また、根こぶも出来ます。線虫は二次的に入ってくるものです、線虫が害を及ぼすのではありません。導管が機能を果たさないようになると大変不都合なことになります。それは兵糧攻めにあったように糧の供給は出来ません。 |
写真−19 B欠乏のために幹の内部組織は褐色となっています。これが酷くなってきますと、今度は幹が縦に裂けてくるようになります。 |
写真−20 これは尻腐れではありません。尻腐れと違う点は尻の部分に割れたような筋が入っています。尻腐れは石灰欠乏ですが、このような症状にはなりません。これはBの欠乏したものです。このような果は硬くなります。 |
写真−21 これが尻腐れ病と言われるものです。下の左側の果は尻の部分が尖って、通称ピーマン果となっています。これはCaの欠乏の初期症状で、このピーマン果(▲印部)が発生すると尻腐れ病が発生します。 |
写真−22 酷いZn欠乏です。4段で芯止めして、54年3月8日には殆ど欠乏症は見えなかったのに、 3月23日にはこのように全面的に発生しました。果実が大きくなるのに伴い、成長ホルモンに必要なZnが果実に移動した結果、葉にはZnの欠乏が大発生となったものです。 |
写真−23 この写真はトマトではありませんが硼素の欠乏により根にコブが生じ、果実にはB欠乏特有の黒い斑点が出来ており、ここから腐敗が始まります。 |
写真−24 写真−20に尻腐れのようなB欠乏がありました。この褐色の斑点がそのB欠乏の初期症状です。 |
写真−25 中央の果に見られるように、二筋の襞(ヒダ)のようなものが少し出来、そして薄茶色になり、果も硬くなる。これもB欠乏の初期症状です。これが進行してきますと、、、、、 |
写真−26 B欠乏は右側の果のように果肩が裂け、白熟期が来ていないのに果の緑色が斑になって、左側にある小さな果のように茶色の斑点が見られるようになります。 |
写真−27 葉にも黄褐色の斑点ができます、病気ではありません。更に、ここに菌が繁殖して二次的に発病します。これを皆さんはカビが生えるので灰色カビ病とか、うどん粉病と言っているのです。この症状はBの欠乏ですから薬剤の散布をしても完全に防除できません。 |
写真−28 茎にはB欠乏の特徴である『裂ける』、即ち裂開症状が発生しています。 |
写真−29 茎の部分は裂けています。以下の5枚はB欠となった根と根際の茎です。
(1)根は黄色となる。 所謂、この状態を“青枯れ”と呼んでいます。 |
写真−30 B欠乏。根には全く毛根はありません。これでは養分を吸収できません。 |
写真−31 B欠乏。根と茎の部分を縦割りしました。 |
写真−32 B欠乏。茎の断面。導管(養分の通る部分)は破壊して完全に木質化しています。 |
写真−33 茎を縦割ってみました。導管が木質化しているのが良く判ります。 |
写真−34<滋賀県 I農園>
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写真−35<滋賀県 I農園>
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写真−36<滋賀県 I農園>
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写真−37<滋賀県 I農園> 栽培終盤の写真。品質・味、共に申し分なし。 早速、愛知県のT自動車メーカーの生協から引取りの打診あったとの報告受けました。 |
写真−38<奈良県 T農園>
Caが大欠乏だが、それより窒素の不足が目出っています。 このような場合、週一回のペースでトン当たり5Kgの硝酸石灰を水に溶いて潅注すると良い。 |
写真−39 (撮影日’07年10月15日) |
写真−40 (撮影日’08年02月03日) |
Ca欠乏。Caは成分の体内移動が遅い。欠乏症状は下葉でなく中位から上位葉(成長点の部分)で顕著に現れる。 また、Caが土壌中に適度に存在しても果実の成長速度に対応出来ずに同様な欠乏症状を見受ける事がある。このような症状が見受けられた場合、即効性肥料の硝酸カルシウムで対処した上、更に、塩化カルシウムの葉面散布(0.3%液とする)をする。 |
Ca欠乏。成長点の部位は力強く成長していますが、緑色が抜けて黄色味を帯びています。成長のスピードにCaの体内移動が対応できていない。 処方は左に同じ。 |