( 写 真 と 解 説 )
INDEX
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写真−1 |
写真−2 |
写真1)・2)はリン酸過剰です。1)の写真では色が上手く出ていませんが、リン酸過剰は写真2)のように黒みがかった暗緑色になります。 リン酸が過剰になると土の中の加里、銅、亜鉛、鉄などの微量要素はリン酸と反応して不溶になります。 そして、植物はその微量要素を吸収出来なくなります。その結果、植物の体内にこれらが不足してくると、葉緑素の製造が極端に鈍くなります。 鉄、銅の2つの要素欠乏でも同じです。必ず葉緑素のグリーン色がくっきりと出なくなるのです。 |
新しく出てきた葉は葉の先端が黄化( ▼ 印 )しています、加里欠乏です。
葉脈間の黄化( ▼ 印 )は石灰欠乏です。 石灰欠乏を来たすと、生長点の細胞分裂が正常に出来ず、細胞形成の空洞化や細胞の大・小となります。 そのため裂果が生じたりします。 また、大事な事はこの写真のように石灰欠乏を見つけた場合には早めにその処置をします。そのまま放置するとスイカの底部が割れたりします。 |
写真−3 |
写真−4 |
スイカの葉は縮んでいます。モリブデンの欠乏です。ウィルスに感染したのではないかと言う意見もあります。
実際に農家さんはその様に言っておられたのですが、そうではありません。 有機酸微量要素の葉面散布と土壌に灌水注入をするように教示したところ、約2ヶ月後に“治った”との丁重な感謝のお礼状を戴きました。 |
これも同じ畑のMoの欠乏です。この葉にMo欠の特長である、縮れたりカップ状( ▼ 印 )になった葉を見ることが出来ます。 |
写真−5 |
写真−6 |
中央の新しく出た葉が黄緑になっているのが見えます。これはCaの欠乏です。 また、古い葉にも縮んだ葉(▼ 印) が点在しています。Moの欠乏です。 | これはスイカではありません、プリンスメロンの育苗です。下葉は黄化しています、苦土(Mg)の欠乏です。また、葉の周縁には黄化現象が見えます、これはK欠乏の特長です。 |
写真−7 |
写真−8 |
これはメロンの薫炭育苗です。薫炭に過リン酸石灰を混ぜ、リン酸で薫炭のPHを下げたつもりでしたが、
良く混合できていなかったらしくPHが7.4とアルカリ性でありました。 その為に微量要素の欠乏となって、一枚目の葉は黄緑化しています。また、次ぎの新芽にも黄化が出てきています。 このような場合には鉢の上部から十分に水を掛け、鉢の中位の深さまで浸水しそのまま20〜30分したら、その水位を2cmにします。 このような作業を3〜4回繰り返すようにします。 これでPHは下がる筈です。薫炭は高いPHです、そのまま使えば必ずアルカリ症状が出ます。中和処理をしなければいけません。 |
茎に沿って褐変し裂けた跡が見えます。これは硼素が欠乏したために起こる、B欠特有の裂開症状(▼ 印)です。 |
写真−9 |
写真−10 |
中心部の葉です。葉の周縁から内側に向かって黄化し始めているのが確認できます。これはマンガンの欠乏症状です。 |
真ん中の小さなスイカの玉は茶褐色化してします。また、右上方にある花弁(▼ 印)は腐敗しています。
このような症状は硼素の欠乏によって起こります。 硼素が欠乏すると、本来は柔組織である筈の組織が硬化してしまいます。そして、最終的に組織がこのような壊死してしまいます。 また、硼素の欠乏は菜種では不捻のように花が落ちたり、果が落ちたり足りします。 |
写真−11 |
写真−12 |
スイカの果が見事に裂開しています。B欠乏によって裂開した傷口は茶褐色になっています。 これは硼素欠乏特有の症状です。石灰による裂果もありますが、石灰欠乏は傷口が茶褐色化しません、割れる位置も尻部です。 |
成長点は硼素欠乏特有の萎縮した症状をしています。また、その葉が黄化していますが、この黄化現象は石灰欠乏です。 |
写真−13 |
写真−14 |
本葉の黄化は石灰欠乏によるものです。また、成長点の萎縮(▼ 印)はB欠乏です。 中央に見える葉には葉焼けの現象(▼ 印)が見えています、これもB欠乏です。 |
これはメロンの葉です。葉が色が抜けかかった(▼ 印)ような斑に見えます。Caの欠乏です。 石灰は移動の遅い要素なので、Ca欠乏になると成長点も黄化しています。 |