INDEX
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5. な す 編 . 6. い ち ご 編 . 7. す い か 編 . 8. ピーマン編 . |
9. 大 根 編 10. カーネーション編 . 11.< 薔 薇 編 > 12. 菊 編 . |
13. シクラメン編 . 14. ユ リ 編 . 15. ぶ ど う 編 . |
写真−1 |
写真−2 |
中央部の葉が縮れて(▼印)います。モリブデンの(Mo)の欠乏です。 この症状が更に酷くなったのが右の写真です。 | 葉が巻き上がって、カップ状になっています。このようなバラは切花にしたとき日持ちが良くありません。 |
写真−3 |
写真−4 |
バラの亜鉛(Zn)欠乏です。葉の葉脈と葉脈の間に、最初は縞状の黄色帯が出来て、
それが次第に進みこのように葉の内部が黄化します。 Znは成長ホルモンをつくります。植物はZnが欠乏すると成長ホルモンを作ることが出来ません。 従って、Znが欠乏した場合には成長が止まり異常落葉をしたり、成長点が弱く細くなってしまいます。 |
マンガン(Mn)欠乏の写真です。 Zn欠乏は葉の内部に症状が出ましたが、Mnの欠乏は葉の周縁から内部に向かって黄化してくるのが特徴です。 これも異常落葉の原因となります。 |
写真−5 |
写真−6 |
葉脈と葉脈の間が黄化し、左の上部の縁が少し黄化し始めています。Zn(▼印)と鉄(▼印)の複合的な欠乏症状です。 これが更に進行してきますと・・・・・。 |
このような葉の色となり、前に見たような激しい黄化となっていきます(▼印)。 この左の葉に少し縮み(▼印)が見えますが、これはMoの欠乏の初期症状です。 更に、▼印の部分はブラインドと言って葉が折れ曲がる現象です。 これは硼素(B)の欠乏によって生じます。 |
写真−7 |
写真−8 |
中央の花の首が曲がっています、萎れているのではありません(▼印)。 類似の症状を別のバラで近写しました。 |
このようにバラが首を傾げています(花屋さんでも時々見かけます)原因がなかなか判りませんでしたが、
礫耕でカーネーションを栽培中、そこに首傾げの現象が発生しました。 培養液を分析したところ塩素がゼロの状態でした。そこで、加里の追肥に常用の硝酸加里でなく、 塩化加里を使ってみた処この症状は無くなりました。以後は塩化加里と硝酸加里を混用する事にしました。 土耕では井戸水や河川水を常用とした潅水に見られるようです。硫酸加里と塩化加里、塩化石灰と硝酸石灰、 また時には水道水(消毒剤のカルキ=さらし粉は塩素と石灰の粉末)の潅水も良いと思われます。 |
写真−9 |
写真-10 |
これは鉄(Fe)が欠乏した写真です。 花の色はFeとCu(銅)とNi(ニッケル)の金属で発色します。 赤はFeの存在がないときれいに発色しません。 従って、赤系統の花では植物体内のFe分が花弁の方へ多く移動しますから、特にこのFe欠乏が多く発生する訳です。 |
バラのFe欠乏です。 この解消には有機態のFeの葉面散布で緑を取り戻します。しかしながらこの症状が発生してきますと、 他の微量要素も絶対的に欠乏していることが多いことが分かっています。 このような場合には、総合的な微量要素の投与が必要ですので、 この全部を満たすグリーンアップの1000倍液を潅水し、 更に1500倍液の葉面散布を行う事でこの欠乏を解消できます。 |
写真−11 |
写真−12 |
右側の葉2枚に、虫が喰ったような黄化(▼印)したものが確認できます。
顕微鏡で確認しますと葉脈が白化していました。 これは硼素(B)が欠乏したものです。 |
▼印の部分はMoが欠乏したバラです。 このように葉がカップ状に巻き上がるのが特徴です。 |
写真−13 |
写真−14 |
この写真はマンガン(Mn)の欠乏です。 Mnの欠乏は葉の周縁(▼印)から枯れてきます。 |
左の写真と違って黄化=褐色化している部分が少ない症状ですが、これもMnの欠乏です。 |
写真−15 |
写真−16 |
Mn欠乏(▼印)と亜鉛(Zn▲印)欠乏<注>の複合的な発生となっている。
一見、全面が黄化しているのでFe欠のように見えますが、Fe欠は葉脈まで黄化することはありません。
<注> ▲印部、Mn欠乏なら縁が黄化します。この部分は黄化していません。
このような状況からZn欠乏と判断します。 |
周縁に変形した黄化部分(▲印)が確認できます。 塩素の過剰障害です。生の牛糞や豚糞を使用したときに発生します。圃場によっては大量の潅水で回避できることもありますが、 例えば水捌けの悪い圃場では水の抜けが悪い為、困難を伴います。 牛糞や豚糞の塩素分は主に尿中に存在しますので、固形分離したものを使い、更に完熟させることが大変大事なことです。 |
写真−17 |
写真−18 |
アンモニア態窒素が過剰になると、このように茎が曲がる障害(▼印の部分)がでます。 カーネーションや菊にもこれと同じような現象が現れます。 |
写真−18 ・19 ・20 は硼素(B)欠乏の写真です。 葉に褐色の斑点が発生しています(▼印の部分)。この斑点は葉の裏側まで達しているのが特徴で、本来柔らかい筈の組織は硬化し、 養分の移動も妨げられます。 そのため葉は折れ曲がったような変形葉となります。 また、注意して枝の根元を観察してみると表皮が裂開しているのを確認できることがあります。 |
写真−19 |
写真−20 |
B欠乏。特に(▼印)はブラインドといって葉が折れ曲がる現象です。 この種の症状はバラの栽培農園では良く見かけえます。 | B欠乏。 |
写真−21 |
写真−22 |
Mnの欠乏が酷くなってきますと、このように黄化→褐変→枯死→異常落葉といった過程を辿り、 そのサイクルも早くなっていきます。 | Zn欠乏の初期段階。 |
写真−23 |
写真−24 |
Zn欠乏の中期、黄色が鮮明になってきています。 | 更に、進行したZn欠乏です。葉脈も黄化しています。 |
写真−25 |
写真−26 |
Zn欠乏(▼印の部分)とMn欠乏(▼印の部分)の複合的な症状です。Mn欠乏は葉の周縁から内側へ黄化します。 Zn欠乏は葉脈と葉脈の間から斑点状に黄化し、最終段階になると葉脈まで黄化してしまいます。 | Mn欠乏の初期の写真です。葉の周縁が僅かながら変色してきています。 |
写真−27 |
写真−28 |
Mn欠乏の中期です。 既に黄色から褐色化しています。 |
Mn欠乏の末期です。 葉の周縁が褐色化しています。これが更に進行しますと葉は枯死してしまいます。 |
写真−29 |
写真−30 |
幹の根際は烈開しています(▼印)。Bの欠乏です。 ここに2次的に病原菌が侵入してして来ます。このような幹の葉には写真−30のような症状が必ず発生します。 |
B欠乏です。 葉脈の柔組織は硬くなり養分が通りませんので、部分的に枯死して褐変してしまいます。 |
写真−31 |
写真−32 |
この葉の色は緑というよりブルーに近い緑色です。 リン酸が過剰になった場合、このようにどす黒い色になります。 また、リン酸の過剰は土壌中に加里、銅、亜鉛が存在しても、吸収され難くなります。 但し、このどす黒い色は石灰欠のとき顕著に出ます。 黄化している部分はBが欠乏した為、栄養が行き渡らずそのようになったものです。葉脈と葉脈の間の斑点はBの欠乏です。 |
Mnが欠乏した上、うどん粉病(▼印)を併発しています。 |
写真−33 |
写真−34 |
葉の周縁の褐色化は塩素(Cl)の害です。これにうどん粉病を併発しています。 塩素の害は食塩(NaCl)を含んだ生の堆肥やラワン材の大鋸屑を使った堆肥を施した時などに発生します。 最近は食塩を施すような農法もあるようなので気をつけて下さい。 |
塩の害が進行した葉です。周縁の褐色化が特徴です。 |
写真−35 |
写真−36 |
周縁の褐色は塩害ですが、白色の斑点はCuの欠乏です。 |
白色の斑点はCu欠乏です。Cu欠乏になれば、どうして緑色がなくなるか? 葉緑素と葉緑体・・・を参照下さい。 |