( 写 真 と 解 説 )
I n d e x
1. 前 書 き 編 . 2. 理 論 編 (細胞分裂) . 3. と ま と 編 . 4. き う り 編 . |
5. な す 編 . 6. い ち ご 編 . 7. す い か 編 . 8.<ピーマン編> |
9. 大根編
10. カーネーション編 . 11. 薔 薇 編 . 12. 菊 編 . |
13. シクラメン編 . 14. ユ リ 編 . 15. ぶ ど う 編 . |
写真−1 |
写真−2 |
リン酸(P)の欠乏です。太陽のエネルギーは葉面の葉緑素がキャッチします。次にそのエネルギーはPに貯えられます。 植物体はその貯蔵されたPのエネルギーで新陳代謝を行なっていますから、植物にこのPが欠乏すると大変不都合な事となっていきます。 葉はグリーンを失い、紫がかった色となり、畑の中の通路を歩いて葉に触れた時、その葉はすぐに異常落葉します。 また収穫に関しても殆どゼロと言っても過言ではないくらい減少をします。 |
葉に縮みが出ています。これが進行しますと・・・・ ( 写真−3 へ ) |
写真−3 |
写真−4 |
このように葉がカップ状になります。モリブデン(Mo)欠乏の特長が顕著に出ています。植物はMoが欠乏しますと、体内の窒素成分がアミノ酸・蛋白質へ素早く変化しません。うまく代謝が進まない訳ですから状態も悪く、軟果になり日持ちも悪くなる訳です。 |
Zn欠乏です。葉の内部に黄化した斑点が出来ているのが良くわかります。
この症状が発生しますと、これから上部の葉と果は小さくなります。 Znは成長ホルモンの生成に関与しますので、これが欠乏しますと葉も果もうまく成長しないようになります。 また葉の先端付近には内部に向かった黄化現象が見受けられます( ▼ 印 )。 この症状が進行しますと・・・・。 ( 写真−5 へ ) |
写真−5 |
写真−6 |
このように褐色になってきます( ▼ 印 )。 これはマンガン(Mn)の欠乏です。 また、左側の葉の内部の部分が黄化している( ▼ 印 )のはZnの欠乏です。 |
Mn欠乏が酷くなってくると、このようになってきます。 |
写真−7 |
写真−8 |
左の2個はピーマン、右側はさつま芋です。左の果は正常に発育したピーマン(A)です。中央にあるのはピーマンの奇形果(B)です。 この奇形果のくびれた部分と正常な形の果の部分の組織断面を顕微鏡で観察しました。 |
これは奇形のピーマンの組織です。 細胞の形は全く不揃いで、空洞の部分( ▼ 印 )も見えます。 |
写真−9 |
写真−10 |
正常な果です。写真−8 とは違って細胞の形もはっきりと見えます。空洞も見当たりません。
奇形果の原因はカルシウム(Ca)の欠乏に起因する現象です。 Caは細胞の分裂に大変重要な働きをしています。 Caが欠乏すれば細胞分裂が進まず、奇形果になったり空洞果になったりします。また、きうりなどのような作物は曲がったりします。 このような果は当然の事、組織が締まっていませんから日持ちも良くありません。更に、このような奇形果は常温では約3日位経過すると柔らかくなって腐敗が進んでいきます。 |
古い葉の緑色はドス黒いグリーンとなっています。新しい葉のグリーンと比較すると明らかに違いがわかります。
このような色はPが過剰になると必ず見られます。 本当のグリーン色は見事なほど鮮やかな色を発しています。 また、古い葉はカップ状( ▼ 印 )となっています、 新しく出ている小さな葉に縮み( ▼ 印 )が見えます。これはMo欠乏です。 |