地獄絵図 箱書きは地獄曼荼羅とある。 絹本彩色
箱書 地獄曼荼羅 一幅 長谷川賀一郎筆 遠賀廼井山井岡寺什蔵秀傳寄付焉
干時嘉永五壬子歳終冬宿新調焉
御覧の通り横4列縦5段に区切ってあります。
数字は巾と高さmm、格子の線巾は3mmで茶色。
上一段目4つは死んでから地獄までの行程と血の池地獄、
血の池だけ特別な扱いなのは三国伝来の地獄ではなく日本で作られたという特殊事情があるためと思われます。
下4段は向かって右2列8つが熱地獄、3列目が寒地獄、4列目(左端)が増、各大地獄に付属する小地獄の例です。
主題が「地獄」なので非常にインパクトがあります。
作者が誰であれ描く事に没頭、のめり込んで一気呵成に、勢いがないと描けません。
細部を見ると筆の勢いではみ出した塗りも随所に見かけられますが
それが力となって私達に地獄の凄まじさを教えてくれる様です。
嘉永五年(1852)の納入ですから涅槃図(1846)よりも少し新しいです。
等叔が1800年頃の人ですからどちらも売りに出ていた物を購入したものか、
或いは等叔とは違う別人なのかもしれません。
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井岡寺の地獄絵の上段4つは「死んで直ぐどうなる」、2〜5段目は地獄で「その後の行き先」です。
詳しくは「えんま大王のホームページ」を参照して下さい。
えんま様が丁寧に紹介してくれています。
紹介先は「えんま大王のJigoku n@vi 」のページです。
各解説内に「顕謗法鈔」からの引用がありますが、言うまでもなく顕謗法鈔は日蓮上人の著作です。
上人の頭の中にはこんな地獄があったのですね。