浜松市議会ニュースNo90/2013年 春号 …………………………………………………………………………………………………………

■2月市議会一般質問から

高齢者が安心して暮らせるまちに…。
6月に高齢者見守り・支援システム「はままつあんしんネットワーク」を立ち上げ

 高齢者が住み慣れた自宅で安心して最期まで暮らすためには、開業医と介護サービスとの連携が欠か せません。また、厚労省のアンケート調査によっても、自宅で過ごしたいという希望をもっている人は8割に達しています。こうしたことから、昨年に引き続き 質問しました。

●小沢 昨年4月の介護保険法の改正により、医療ニーズの高い在宅高齢者を 支えるため24時間対応の訪問介護・看護サービスなどの整備はどれだけ進みましたか。
■健康福祉部長 今年度から、新たに定期巡回・随時対応型の訪問介護看護サービスが3事 業所開設され、平成25年はさらに3事業所開設を予定しています。

●小沢 往診を行ってくれる開業医を把握していますか。また連携はなされて いますか。
■健康福祉部長 指開業医の4割にあたる診療所が往診に対応しています。ケアマネジャー と主治医が情報を共有し、また市と医師会、ケアマネの3者において定期的に懇談会を開催し連携強化に取り組んでいます。

●小沢 本市における介護を必要とする人はこの1年間で1,862人も増加 しています。
また、特別養護老人ホームへの入所待機者は、3,291人で、気が遠くなる数字です。そして入所までの待機期間は最長2年以上と言われています。
そこで、毎年増加している要介護認定者の在宅介護でのニーズをきちんと把握し、在宅サービスのあり方などについて実態調査を実施すべきと考えますがどう か。
■健康福祉部長 在宅サービス利用者等の意向が十分反映されるよう在宅介護実態調査を実 施して行きます。

●小沢 はままつあんしんネットワークの立ち上げはいつ頃ですか。また地域 での見守り活動は重要であり、それを担う自治会等の活動をどう支援していきますか。
■健康福祉部長 あんしんネットワークは今年6月に立ち上げます。
また自治会などへの支援は、地域の実情に応じた取組みに対し、ネットワークの立ち上げに必要な助言や積極的な取組みをしている事例の紹介を行っていきま す。

●小沢 今年4月から本庁の高齢者福祉課内に地域ケア推進室を設置し、保健 師や社会福祉士などのスタッフで専門チームを構成される予定と聞いています。異常発見時の通報受け皿機能であるコールセンターはどのように運営しますか。
■健康福祉部長 専門チームに受け皿機能を持たせ、休日を含めた24時間対応をしてまい ります。

■はままつあんしんネットワークとは

一人暮らし高齢者や高齢者世帯等、日常生活に不安を抱える高齢者が増加しているため、地域や行政がこ れまで以上に積極的に見守り・支援を行う必要が高まっています。それは、高齢者の孤独死や死亡事故等を未然に防ぐためのシステムです。

中田島海岸の美しい砂丘を取り戻すために。

  日本の三大砂丘ともいわれる中田島砂丘は、東西4kmにわたる海岸で、浜松市の自然環境のシンボルとなっています。しかし、当初の計画とは異なる大きな砂 利が搬入されているため、美しかった砂浜は小石や直径20㎝以上の玉石で埋まり、川原のような石ころだらけの海岸に変わり果ててしまいました。


●小沢 県が現在、海岸侵食を止めるために養浜工事を行っています。しか し、侵食は一向に止まっておりません。この工事が今後も続けば、遠州灘海岸は石ころだらけの状態になってしまいます。早急に養浜工事を一旦中止して、集積 する石ころを撤去することを県に要望する考えがありますか。
■市長・部長 美しい海岸を取り戻したいという思いについては、議員と同様であるので県 と協議をしていく中で、積極的に取り組んで行きたいと考えております。ふるいに掛けて石をへらして砂を入れる方向でやっていただくようお願いする。

空き家が街をむしばむ。
実態調査と条例制定を

 核 家族化や超高齢社会の進行、経済の悪化などにより、空き家は年々増加しています。浜松市においても、平成20年10月現在の老朽家屋は約3,300戸と なっています。
 そこで、私は先進地である東京都足立区を訪問してきました。
 また2月には、地域の自治会長さんのご協力を得ながら南区、西区、中区の空き家の実態について調査をしてまいりました。
  その実態として、①家の周りの樹木が伸び放題で電線に接触しそう、②アンテナが倒れる寸前で屋根瓦が落ちている、③雑草も伸び放題で枯れ草になっている、 ④野良猫のすみかとなっている、⑤不法侵入などによる治安の悪化などが明らかになりました。ご近所からも、火事や治安の悪化を憂慮し、また地震による倒壊 のおそれなどが指摘されました。

●小沢 空き家について、①危険②指導が必要、③緊急性なし、というような 項目に分けて実態調査をすべきと考えますがどうか。
■副市長 空き家の対応は必要と考えますので、実態調査の実施について検討してまいりま す

●小沢 条例を制定すべきと考えますがどうか。
■副市長 建築基準法や火災予防条例など、既存の法令を適用し、出来るものは速やかに対 応していく中で、議員の紹介する足立区など他市の条例活用の事例研究をしてまいります。

しあわせを実感できる中山間地域の振興策を。

 私は2月12日、天竜区振興課の職員に案内していただき、天竜区内に散在する限界集落を調査してき ました。市内にはこうした集落が118あります。 また山の荒廃は、川や海で起こる生態系にも影響を及ぼします。中山間地域の問題は、他人事ではないと言わざるを得ません。

▲寺尾集落(7世帯)
▲寺尾集落から望む龍山地域

●小沢 住民の切実な 要望を生かすために、集落座談会を開催したらと考えますがどうか。
■市長 集落座談会を開催するとともに「まちづくり協議会」との意見交換を行うなど幅広 く地域住民のご意見をお聞きしてまいります。

●小沢 この地域の雇用をどのように生み出すか、そのための方策を市は持っ ていますか。
■市長 天竜茶や春野茶などの産地ブランド化をはじめ、農林産物の生産加工、販売などを 促進するとともに、売る林業の確立、新規就業する若者を対象として支援事業などにより雇用の確保を目指してまいります。

●小沢 天竜区に市職員採用の特別枠をもうけ、天竜区の住民の中から職員を 採用していく、そうした取り組みをしてもよいのではないかと思いますがどうか。
■市長 職員採用については、平等取扱いの原則に基づき、法において制限しています。こ うしことから天竜区の住民の中から職員を採用していくことは、今のところ考えておりません。

●小沢(再質問) 合併前と職員数を比較すると389人減少しています。そ こで、本市では「民間企業等経験者」を対象とする採用枠を設定していることから、「中山間地域生活者」採用枠を設けることを提案しますがどうか。
■市長(再答弁) 特別枠を設ける必要はないと考えるが、人事交流の中で対応をしてい く。

■限界集落とは

長野大学の大野晃教授によれば、「65歳以上の高齢者が、集落人口の半数を超え、冠婚葬祭などの社会 的共同生活の維持が困難な状態に置かれている集落」のこと。