■2015年2月市議会一般質問から
将来に向かって活力ある浜松を。浜松市の人口は、平成17年の合併時に80万4032人をピークに減り続け、平成27年には79万6490人、また30年後の平成57年には66万4406人になると推計されています。特に注目すべきは、20代の女性の人口が平成27年に比較して30年後の平成57年には3割減少するという推計が出されていることから、活力ある浜松にするため質問しました。
●小沢
人口減少の現状認識や今後の方向性などを協議する場として、全庁一丸となって、組織横断の推進体制を強化するため、「人口問題対策会議」の設置が必要と考えますがどうか。
■市長 今後の浜松の行方を左右する重要な事項となりますので、関係部局長で組織する推進本部を設置し、私自らが本部長として陣頭指揮をとってまいります。
●小沢 子育てしやすいまちにするため、若い子育て中の方にお会いして悩み事を聞いてきた結果、2点提案します。1つは、「子育て世代包括支援センター」の整備が必要と考えます。
「支援センター」とは、妊娠期から子育て期にわたるさまざまな悩みに応えるコーディネーターを配置し、電話相談、面接、他の機関との連携を実施し、地域における切れ目のない妊娠、出産支援をワンストップで行うもので、支援センターには、保健師などを配置すべきと考えますがどうか。
■こども家庭部長 この整備については、本市のこども・子育て支援事業計画の策定が進んでいた段階で示されたので、今後の事業計画の見直しに合わせて、事業実施の検討を行うこととしました。
●小沢 2つ目
は、産後ケア事業についてです。
本市における児童相談所での虐待件数は、この10年間で約3倍となっています。虐待者で一番多いのは実母の70%に上っています。そこで、病院や産院を退院した直後において、健康面の悩みや育児への不安などに対する支援が必要であることから、産後の心身のケアや休養などの支援を行う、産後ケア事業が必要と考えますがどうか。
■こども家庭部長
産 後ケア事業については、子育て支援の観点から児童虐待防止につながる事業であると考えています。心身のケアや休養等を要する産婦に対して、訪問型・デイサービス型・宿泊型の実施形態により母体の健康管理等のサポートを行うものです。現在、他都市の状況などの情報収集を行い、本市の状況に応じた取り組みについて検討しておりますが、今後は、医師会、助産師会等関係機関とも情報を共有し、検討を進めて行きます。
浜松市は国土縮図型の都市であり、この中山間地域の人口減少の課題を克服すれば全国のモデルとなり得ると考えます。
私は「人口減少と地域経済縮小」の克服というとき、中山間地域をどうするかが「鍵」となると考えることから質問しました。
●小沢 中山間地域の人口減少、高齢化が進んでいることは統計でも 明らかです。それぞれの集落がどのように支えられているのかを具体的に掌握することが必要と考えます。そこで、世帯数や人口、高齢化率だけではなく、そうした具体的な関係も調査すべきと考えますがどうか。
■市長 集落の状態については、統計数字からのみ判断することはできません。本市では集落等で座談会やワークショップを開催し、集落の生活の実態等を聞き取ってきました。今後も集落の状態把握に努めてまいります。
●小沢 市の職員や中山間地域の住民を、先進地に派遣して「地域おこし」のノウハウを学ぶ機会をぜひ提供すべきと考えますがどうか。
■市長 市職員は、先進地に派遣しています。今後は、地域住民に対し、情報提供や先進地への視察を働きかけ、住民主体の地域おこしを支援していきます。
●小沢 先進的な地域には、地域ごとに「コミュニティ協議会」などという住民の自治的な組織があります。地域の住民が集まり、話し合い、行動する組織です。本市の中山間地域にもそうした組織をつくるべきと考えますがどうか。
■市長 「コミュニティ協議会」の実施に向けて積極的に働きかけてまいります。
核家族化や超高齢社会の進行、経済の悪化などにより、空き家は年々増加しています。浜松市においても、平成25年10月現在の老朽家屋は約4500戸となっています。そこで、空き家の早急な対策を質問しました。
●小沢 空き家の対策を総合的かつ計画的に実施するため、「浜松市空き家等対策計画」を定める考えがありまか。また、計画の作成及び実施に関する協議会を組織する考えがありますか。
■副市長 専門家の意見を生かすため、法に規定する協議会の設置を検討するとともに、空き家等対策計画の策定についても、併せて検討していきます。
●小沢 前回「経済的理由で解体などの費用が捻出できない場合を想定し、助成事業を創設すべき」と質問しました。「空き家の解体費の助成については検討していく」の答弁でしたが、その検討結果はどうか。
■副市長 昨年の11月27日、「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が成立しました。この法により、空き家の撤去が促進されるものと期待しており、現時点では撤去費用の助成制度を設ける必要はないと考えています。
●小沢 法律が成立した今「浜松市空き家等の適正管理に関する条例」を制定すべきと考えますがどうか。
■副市長 国の法律を踏まえ、具体的な運用を定めるとともに、条例の制定についても改めて検討していきます。
●小沢再質問 具体的にいつ条例を制定されるのか。
■副市長再答弁 国の基本指針を参考に検討していく。
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浜松市平和都市宣言
浜松市は、昭和20年の大空襲により、多くの市民の尊い生命を失いました。 |
●小沢 今年、本市は「徳川家康公顕彰四百年祭記念事業」に取り組んでいます。そのイベントガイドには、家康公が「世界史上例をみない平和国家」の礎を築いたとして「その知恵と歴史的意義を未来の日本、そして未来への世界へ発信する」と記されております。家康公が「世界史上例をみない平和国家」を築いた260年にわたるこの功績を市長はどう評価されます か。
■市長 家康公が江戸幕府を開いてから260年にわたり世界に類を見ない平和な時代を築いた功績は、大いに評価されるものべきです。
●小沢 本市は、平成23年「浜松市平和都市宣言」を発しました。他の政令市においては宣言に基づいた多くの事業を展開しています。例えば、新潟市では、中学生や留学生を広島平和記念式典に参列させたり、被爆体験者の講和を受講したり、参加した生徒が体験学習の成果を発表する報告会を開催しています。本市は、平和都市宣言を発したにも関わらず具体的な行動が見られません。『第2次浜松市総合計画』のなかにも、「都市の基本理念」として「平和の維持」がうたわれています。本市も、小・中学生を広島へ派遣するなど、平和都市宣言に生命力を吹き込むような具体的な取り組みをすべきと考えますがどうか。
■市長 市内小中学生を対象に書道コンクールを開催し、また小学校副読本に平和都市宣言の内容を掲載しております。
●小沢 今年、平成27年は、「戦後70周年」となります。戦争体験世代の方々は減少してきています。激しい空襲を体験した本市だからこそ、そうした戦争体験者の体験談を、録画するなどして、後世に残していくことが重要であると考えます。「戦後70周年」の事業についてどうか。
■市長 戦争体験者の体験談を後世に残し伝えていくことは大切であると考えますので、録画等につきましても、検討してまいります。