浜松市議会ニュースNo91/2014年 新春号 …………………………………………………………………………………………………………

■2013年12月市議会一般質問から

孤立死を防ぐため高齢者の見守り対象拡大。
高齢者見守り・支援システム「はままつあんしんネットワーク」

 高齢者世帯やひとり暮らしなどの高齢者見守り支援システム「はままつあんしんネットワーク」が昨年発足しました。
 しかし残念なことに、父と娘の2人暮らしの家庭で孤立死が昨年6月発生しました。
 民生委員協議会の調査によれば、平成23年度浜松市内での孤独死は60人にのぼったことがわかりました。

●小沢 孤立死の原因について、私は「近所付き合いが希薄であること」、「娘さんと同居しているから大丈夫」と思われていることだと考えますが、こうした孤立死のケースは何が原因で起きたのか、今後その対策をどうされますか。
 また、このような組み合わせの高齢者は見守りの対象になっていないと思われます。今後は、75歳以上の高齢者のいるすべての家庭を見守り対象にすべきと考えます。
■健康福祉部長 原因は「近所付き合いが薄く、介護サービスなど行政との関わりもなかったこと」が考えられます。また、あんしんネットワークでは、高齢者と若くて元気な方との組み合わせは、見守り対象に含めておりませんでした。今後は、見守りの対象を拡大し、年齢や障害の程度に関わらず、見守りを希望すれば同居家族がいても対象としてまいります。

●小沢 昨年4月より、浜松市役所高齢者福祉課内に地域包括ケア推進室を設け、異常発見時の通報先として24時間対応の「高齢者見守り110番・☎457―2661」を設置しました。民生委員の皆さんには周知がされていますが、市民にはPR不足で周知が十分されていない。そこで各家庭に「高齢者見守り110番・☎457―2661」のシールを作成し配布したらと考えます。
■健康福祉部長 昨年6月より、高齢者見守り100当番の専用回線を設けることで、休日・夜間を含め24時間対応できる体制を整えたところであります。各家庭にシールや名刺サイズのカードの活用を含めて効果的な周知方法を検討してまいります。


■はままつあんしんネットワークとは

一人暮らし高齢者や高齢者世帯等、日常生活に不安を抱える高齢者が増加しているため、地域や行政がこ れまで以上に積極的に見守り・支援を行う必要が高まっています。それは、高齢者の孤独死や死亡事故等を未然に防ぐためのシステムです。



介護保険制度の見直し。

●小沢 政府は、介護保険制度を見直し、ホームヘルプサービスやデイサービス事業を平成27年度から3ヵ年かけて、市へ移す計画となっています。これまで症状の軽い要支援1ないし2の方は、介護保険で状態が悪化しないように予防給付を受けることが出来ました。浜松市内における要支援1ないし2の該当者は平成25年3月末で6,154人に及んでおり、潜在的な要支援の方は、今後増大の一途をたどることが考えられます。そこで、今から計画を立て具体的な対策を講じていく必要があると考えます。
■健康福祉部長 高齢者実態調査などにより、市民ニーズを的確に把握する中で、今年度に作成する第6期介護保険事業計画に適切に反映させてまいります。

海岸侵食に18億円。侵食止まらず、石ころだらけ。

前回の質問に引き続いて、再び「風紋の美しい中田島砂丘の復活に向けて」質問しました。

●小沢 海岸侵食対策として、現在までにどの位の経費を要しましたか。また、そのうち養浜工事としてどの位の経費がかかりましたか。
■市長 海岸侵食対策事業費は、平成18年度から平成24年度までの合計で、約18億円、そのうち養浜事業が約7億円です。

●小沢 海岸がこれ以上、石ころだらけにならないようにすることが急務だと考えます。また、現在海岸にある多量の石ころへの対処はどのようにするのですか。
■市長 景観や自然環境に配慮する中で、出来る限り大きな石が少ない土砂を養浜材に使用していただけるよう県にお願いしてまいります。また、石は海岸に滞留する割合が高く、海岸侵食を抑制する効果が見られるため、県からは、現時点で石の除去を行う予定はないと伺っております。
●小沢要望 海岸侵食について、市長、是非一度現場を見てください。その深刻さは一目瞭然です。また、毎年海岸侵食に関して、国へ要望されていますが、文面は数年間、まったく同じものです。是非「環境に配慮して」などの文言を入れていただきたいと思います。

区再編、賛成は中区のみ。

●小沢 9月5日付「区役所サービスを考える」という区政だよりを全戸配布しました。各区の「自治会連合会長」「区協議会委員」の主なご意見は、「区の再編」について、中区は実施すべき、東区、西区、北区、浜北区、天竜区は反対の姿勢を示しています。この結果についてどう考えますか。
■市長 市の再編に反対するという意見もありましたが、意見交換における意見は、個人のご意見であり、各区住民の皆様の総意であるとは判断できません。
●小沢再質問 個人の意見とありましたが、全戸に配布された区政だよりには個人の意見とは書かれておりません。意見交換については、最大限その意見を尊重していただきたいと考えます。
■市長再答弁 まちづくりトークでは、再編を求める意見もありました。もう少し広く住民の意見を聞く機会を持ちたい。アンケートをとる場合は、人口規模に配慮してていねいに行ないます。



浜松市の269施設が指定管理に!

 これまで私は、決算審査などで指定管理者制度における労働条件の問題について、再三取り上げ、その対策について強く指摘してきました。
 今回の質問では、全ての事業報告書を念入りに調べ、南区、中区、天竜区の各施設の実態調査をもとに質問しました。
 熊本市においては人件費を、正社員、パート職員、臨時職員など事細かに分類し公表しています。

●小沢 雇用・労働条件については、私の指摘に基づき、マニュアルを改正し、指定管理者に対し事業報告書の提出を義務付けました。しかし、大変残念なことに269施設中65施設のみの報告に留まっています。左図の通り選定時に示し、かつ協定時にも記載しているものは全体の72%に及んでいます。そこで、他の政令市のように選定時に示すべきと考えます。
■財務部長 本年度から募集要項の仕様書にも、労働関係法令の遵守について記載し、募集を行っております。今後も、事業報告書の記載を徹底させ、確認を行ってまいります。

●小沢 事業報告書の中のアンケート調査項目に「市民サービスの質の向上」の項目を設定すべきと考えます。
■財務部長 市民サービスの維持・向上を検証していく上で項目を設定します。

■指定管理者制度とは

公の施設の管理運営を株式会社、・財団法人・NPO法人などに代行させることのできる制度。この制度は経費削減と市民サービスの向上を目的としているが経費削減によりそこで働く人々の労働条件は厳しい現状にある。