雑記帳過去ログ2005.03
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▼ 2005.03.31
エヴァ前夜〜があちこちでリンク張っていただいたようで感謝です
掲示板の方にも反応いただいているので、もう少しだけ続けます。
なんかアクセスが集中してるのか、掲示板にちょっと繋がりにくいような気がしますが(汗
▼ 2005.03.29
ファンタジックチルドレン 最終回
トーマがねぇ、浮かばれないよなぁ
がんばったのになぁ、ソランはなにもしてないのになぁ
こんなオチでいいのかよぉ
というところ以外は、概ね面白かったです。
スタート時は思わせぶりなムードばかり先行して、とっつき辛かったけど、回が進むに連れて設定回りもはっきりして、密度の高いストーリー展開で飽きさせなかった。
惜しむらくは、その密度の高い設定を描きだすだけで物語が終わってしまったこと。
ベフォールドの子供達、ヘルガ、トーマ、その他サブキャラの関係性や各々のドラマにまで深く踏み込めておらず、ストーリーの重さも手伝って、作品全体がどこかドライな感じがしてしまっている。
そのドライさというのは、あれだけ大変な目にみんな会っているのに、ヘルガくらいしか幸福になってないところにも現われていて、見終わってもしこりが残ってしまう。
せめて地球に残ったアギ達のその後の姿を見せてほしかったかなと。
失礼な話だけど、なかむらかたし監督は一つ前の作品で壮大にやらかしてしまっていたので、今回これが作品として(商業的には置くとして)ダメだったら、次はないんじゃないかと危惧してたんだけど、次につながる内容で一先ず安心したというのがあります。
課題はまだまだあると思うんですが、似たり寄ったりの作品が多い中でなかむら監督のセンスは得がたいものがあるので、これからもはがんばって欲しいなと思っております。
月詠
こっちも最終回、ほとんど感想書いてませんでしたけど、アクションシーンそっちのけで日常パートに注力される作画と葉月=斉藤千和の可愛さをぼーっと楽しんで見ていましたですよ。
新房監督の演出の懲り方は、「演出の為の演出」というきらいがあって、まともに物語を追おうとすると、くどくて見ているのがつらくなってしまうところがある。「ソウルテイカー」なんかは、まさにそれ。
対して月詠はバトルやシリアスもあるけど半分はコメディで必ずしもストーリーは重要ではない為に、演出が暴れても、苦にならずそれを楽しんで見ることが出来た。そういう意味では、同じ新房監督作品だとTV版の「ヤマモト・ヨーコ」に近いタイプの作品だった。
新房監督自身がどう思ってるかわからんですが、個人的には「コゼットの肖像」みたいなのをやるよりも「ヤマモト。ヨーコ」や「月詠」みたいな作品をもっとやってほしいなあと思います。
2005年春期TVアニメ新作個人用メモ
今回もいっぱいあるなー、最初から興味ないものもあるので感想ひとことも書かないのもあるだろうけど、とりあえず1話はみるつもり。
▼ 2005.03.28
エヴァ前夜はアニメ史的空白だったか?
遅れましたが掲示板での議論のログまとめました。
▼ 2005.03.27
レジェンズ 最終回
レジェンズを見ててひとつわかったことは大地監督は子供が戦いに巻き込まれること、子供を戦わせることを極端なまでに嫌うんだな、ということ。
少年向けのバトルものは子供が戦うのが当たり前というか前提であるために、見ている方が「子供が命かけて戦うこと」に麻痺してしまっていたのかも、と考えると、確かに子供が戦ってばっかりのアニメやら漫画は確かに異常なんじゃないかとか、ああ、そういう意味ではこれはアンチ「りりかSOS」だったのかもとか、でもやっぱりバトル物はバトルするから面白いんであって、子供が戦うのが嫌なら、いっそバトル物からは手を引いてしまえばいいじゃないかとか、そんなことを色々取り留めなく考えながら見続けた一年でした。
なんだかんだで最後まで付き合って見てしまったわけだから、つまらなかったわけじゃないんですけどね・・・。
▼ 2005.03.26
リスキー☆セフティ再評価推進室更新
#20〜24エピソードガイド
とりあえすエピソードガイド最終回まで終了、あと一回総論で締めます。
で、ひとつ訂正、キャラクターデザインの齋藤卓也氏の名前が”斉藤”になっていましたが”齋藤”の方が正しいようなので、そちらに統一して直しておきました。
ついでですが、それを調べてた過程で、STUDIO TORAPEZOIDOのGALLERYに齋藤卓也氏の萌のラフ画とCDジャケットの原画を発見したので張っときます。
▼ 2005.03.25
魔法少女隊アルス #29〜#40(最終話)
ということで最終話まで総集編で一気見。
上手く魔法が使えなかったエバが絶望の中で魔法が使えるようになるエピソードは、中盤のひとつの山場として、結構感動してたんだけど、それが黒魔法発動への伏線だったという構成には、恐れ入った。
前半20話くらいまでは、アルスの「魔法は人に幸せにするもの」とお題目のように唱えつづけるのが、薄っぺらくしか聞こえず、他人に(てか主にシーラに)偉そうにあんたは間違ってるみたいな物言いをするのが、気になってしょうがなかったが、それが後半、父親の刷り込みで父親の存在を拠り所にしていることがわかってくることで、納得がいく物になり、基本的に悩まない、自分が思ったとおりに進むアルスは、主人公としては、最近じゃちょっと珍しく、最終的にそういうキャラが、友達も世界も救っていくという展開は、ヒロイックファンタジーとしては、王道中の王道で、なんだかんだで面白かった。
開始当初の統一感のないごちゃごちゃして見づらいつくりに、一時期見限りかけたのだけれど、後半、巻き返してくれたことと、アルスに対するシーラの「おれにとっちゃおまえはとっくに救世主さ」という台詞、この台詞がきっちり決まって、アルスとシーラの関係が上手く着地してくれたことで、佳作とまではいかないけれど個人的には、OKってとこですか。
▼ 2005.03.24
エルフェンリート14話特別編あらすじ・場面カット公開
>「通り雨にて 或いは、少女はいかにしてその心情に至ったか」
>脚本:吉岡たかを/絵コンテ:神戸 守/演出:神戸 守/作画監督:きしもとせいじ
DVD7巻に収録される特別編の情報公式公開。
ナナメインの日常物っぽい話らしいけど
>※ルーシーが研究所に捕えられた過去が語られるオリジナルエピソード。
ともあるので、ナナの口からルーシーの過去が語られるって構成なのか?
ということで楽しみです。
▼ 2005.03.23
エルフェンリート公式DVD7巻画像公開
7巻のジャケイラストはルーシー
7巻にはTV未放映回収録
リスキー☆セフティ再評価推進室更新
#19エピソードガイド
▼ 2005.03.21
まほらば #11
脚本:あみやまさはる/絵コンテ・演出:伊藤真朱/作監:丸山隆
あの桃乃さんが遠距離恋愛している純愛少女だったー、という意外性を除けば、話としては割とベタなんだけろうけど、キャラの心情に沿った演出が地味に上手いので、気持ちよく話しに引き込ませてくれた。
カットインを多用して、音楽だけで見せる桃乃さんの回想シーンがまた良く、なんですかこの青春映画はーという雰囲気。
映画館で白鳥くんが桃乃さんの手に触れて意識しまくっていたのが、この回想シーンから桃乃さんとの彼氏の思い出につながるあたりも上手い。
▼ 2005.03.18
劇場版ロックマンエグゼ&デュエルマスターズ
デュエルマスターズの方を目当てで見に行ったんだけど、ロックマンエグゼの方が作画もまあまあ、テンポの速い展開で、正直デュエルよりも面白かった。
まー、カードゲームで試合以外のことをするのに無理ありすぎたんだけど。よかったとこは、ミミが勝舞のおててにぎにぎするとこくらいかな。お気に入りキャラの黒城が出なかったのは残念。
しかしこれ先週興行一位だったんですな。
まあこれにはカラクリがあって、入場者にトレカ配ってて、子供がそれ目当てに来たりもするんで。
でも途中退場する中学生らしき男の子を2,3人見かけたのは悲しかった。アニメの方がおまけですかそうですか。
エルフェンリート コミックス10巻発売
あーおもしれー
特に今回は過去編としてルーシーと蔵間の出会いがあるんだけど、これがまたよかった。
原作もたまってきたことだし、クライマックスも近いようなので
地上波放映→DVDバカ売れ→第二期決定!
ってならないかなぁ・・・夢見たっていいじゃないかっ
▼ 2005.03.17
結局りっくんはモモちゃんよりもコゲンタを選びましたという話。
という茶化しは置いといて、記憶をなくしてもドライブを離さないリクと奈落で穏やかにリクを信じて待つコゲンタの絆の強さが描かれ、奈落にだどりついたリクがコゲンタにかけより、コゲンタが胸で泣くリクによしよしと頭をなでなでしてやるところなんか、ああ、もう、萌えちゃったじゃないか!
一方、リクが記憶を無くしたことで、一時リクを取り戻したモモが、それを手放したくないという感じが出てて、これも切なかった。
ということでバトル描写だけじゃなく、キャラのドラマもきっちり描かれて、ほんとにどんどん面白くなってます。
4/1発売予定。
過去のワンクール作品がBOX廉価で一万円前後で発売される最近の傾向はよろこばしいですね。
といいつつNieA_7は放映当時に新品で買っちゃっているので、今回手は出しませんが。
NieAは、キャラデザがlain、灰羽連盟の安倍吉俊、監督は苺ましまろの監督が決まっている佐藤卓哉。貧乏浪人生と浮浪へたれ宇宙人の二人の女の子が寂れた銭湯に居候して貧乏生活を送るという日常コメディ。それでいて繊細なキャラ心情を描かれていて、日常アニメと毒のあるコメディがお好きな人にオススメ。
ちなみに神戸守監督が演出・絵コンテとして参加、作画でもコメットさん☆のまきたかずあき(本作では名前が漢字表記)が参加しています。
特に#8は神戸演出の特徴が良く出ていて、一見の価値ありです。
関連:公式
▼ 2005.03.16
中森明夫「おたくの研究」をめぐって
竹熊健太郎氏の「おたく」という言葉が生まれた当時の話とか。OTAKU展をきっかけにまたおたく論が再燃してきたのかな。
リスキー☆セフティ再評価推進室更新
#17,18エピソードガイド
2005年新春終了番組評価結果発表
>1位 攻殻機動隊SAC2nd
>2位 SDガンダムフォース
>3位 ローゼンメイデン
あいかわらずこの調査は偏りでるなぁ
作品の中身で評価されるかもしくは如何に作品がファンに愛されているかで順位が決まってくるので、他のアンケートではこういう結果にはまずならないだろうところが
面白い。ということで次回もぜひ開催していただきたいものです(他力本願)
やはり注目は二位のSDガンダムフォースか、これを見切ってしまったのは敗北感を感じます。3DキャラになじめなかったとかSDガンダムに愛がないとか前半の低空飛行に挫折してしまったとかいろいろ言い訳は立つんですが。
ところで9位の「アークエとガッチンポー」台湾アニメらしいということで最初から見てなかったんだけど、「チーフライター:浦沢義雄」だったんですね。
▼ 2005.03.14
エルフェンリートDVD全巻購にゅう特典画像公開
にゅう、ナナ、マユの3種類って、3種類あるんですか
▼ 2005.03.11
今月のアニメ誌も発売になって新作の情報もだいぶそろってきたので、気になるところを。
ふしぎ星の☆ふたご姫公式サイトプレオープン(正式オープンは3/25)
ふしぎ星の☆ふたご姫 あらすじ・サブタイトル・各話スタッフ
どれみ好きにとってまさに本命。メインスタッフは以下のとおり
原案:バースデイ
総監督:佐藤順一
監督:河本昇悟
シリーズ構成:中瀬理香
キャラクターデザイン:数井浩子・小林明美
美術監督:東潤一・大橋由佳
アニメーション制作:ハルフィルムメーカー
甲虫王者ムシキング
一応アニメ化は知ってたんですが、スタッフ陣容が見えてきて、にわかに期待が高まってます。以下メインスタッフ
監督:山内重保
キャラデザ:馬越嘉彦
シリーズ構成:吉田玲子
アニメ制作:トムス・エンタテインメント
それと今やってるゾイドがZOIDS GENESISにタイトルが代わってスタッフも入れ替えの模様。シリーズ構成が西園悟氏でキャラデザが坂井久太氏というところに期待。
「おねがいマイメロディ」(参考)が普通にサンリオのキャラものかと思いきや、「小学生の女の子のもとにマイメロディが現われ同居」というむちゃくちゃ基本に忠実な少女アニメだった、スタッフ的にはうーんてとこもあるけど一応気になります。ちなみに制作はスタジオコメット
原作物で期待している、エマとハチミツとクローバー
アニメージュの付録DVDにムービーが収録されていましたが、どちらも美術がしっかりしていてかなりいい感じ。
特にハチクロは原作の絵の線や色彩の雰囲気までを見事に再現してて震えた。
ということで今期はキッズ系がかなり充実しそうで楽しみです。
最近の陰陽大戦記
シリーズ始まった当初は、暴走するキャラを除けば後は普通かな位の気持ちで見てたんですが、ここ数週はバトル物としてのテンションの高さが圧倒的で、りっくんの過去話がいよいよ核心に近づきはじめ、ストーリーが動き始めて俄然面白くなってきた。
菱田監督のコンテ量もすごいなと関心。
MEMO
エルフェンリート地上波バージョン放映局&スケジュール
千葉テレビ 4/3/23:30〜
テレビ埼玉 4/3/25:05〜
テレビ神奈川 4/4/24:45〜
サンテレビ 4/5/24:00〜
▼ 2005.03.10
今週のヤングジャンプ誌のエルフェンリートに関する発表は、本誌週刊連載復帰とアニメ版エルフェンリートの地上波バージョン放送決定だそうで、局は千葉テレビはじめU局系。
地上波バージョンということはかなり修正するんでしょうけど、内容に倫理的にかなりまずい部分もあるんで、どうなるのかなぁ。
自分は残念ながら電波圏外なので見られないのですが。
リスキー☆セフティ再評価推進室更新
#16エピソードガイド
劇場版ワンピース オマツリ男爵と秘密の島
見てきました。
笑いあり、アクションあり、泣かせありでさらに実はホラーだったりと内容はテンコ盛。細田守テイスト全開で、監督のファンとしては期待通りの出来。
作画も、かなり良かったです。
気になったのは、今まで、短い尺にぎゅうぎゅうに詰め込むことで無駄を感じさせなかった細田作品に比べると、90分という少し長めの尺で、所々テンポの悪さを感じたくらい。
にしてもこの話、細田監督がジブリでハウルを作って降板してしまった事がベースになっているように読み替えが出来そうです。
オマツリ島自体がジブリへのアイロニーなのかも。
もひとつ気になったのはルフィのパンチがオマツリ男爵にあたる回数が2,3回くらいしかないこと。
手が届かないことへのもどかしさなのかな、これも。
追記
http://blog2.fc2.com/abelfatal/blog-entry-189.html
すしおや山下高明系統の作画だとやっぱこういう反応になるんだな。
このサイトの人が作画やアニメの文脈に疎いというより、一般人がアニメに求める作画の平均的な反応なんでしょうね。
▼ 2005.03.07
まほらば #9
白鳥くんがむりやり女装されて陵辱されちゃう話。
前半はゲラゲラわらえたけど
後半初出の第4人格、千百合の性格がきつくてちょっとひいてしまった。
白鳥くんに助けを求められ妙に照れる灰原さんがちょっとかわいかった。
▼ 2005.03.06
歴史語りの続き書こうと思ったら掲示板のほうで書こうと思っていたことを倉井さんにさきに言われてしまったので、続きは掲示板でやって、あとでログをまとめたいと思います。
Comic 新現実 Vol.3
現在の話の流れに微妙にリンクしている気がするのでちょっと紹介。
もともと榎戸洋二氏のインタビューが載っているということで手にとったんですが、そっちよりも大塚英志氏のベネチア・ビエンナーレの森川嘉一郎氏へのインタビューの方が、あまりに面白すぎでした。
一応インタビューとなっているんですが大半が、大塚氏のしゃべりで埋められていて、森川氏は「ええ」とか「そうですね」と答えてばかり。
というのも、大塚氏は森川氏の批評の中身よりも、その背景にある意図やイデオロギー的な言質を引き出して潰そうという意図が見え見えのいやらしい質問のしかたばかりしてくる、で、それを森川氏がかわすという図式でインタビューが進む為。
インタビューする側の大塚氏が森川氏のことを「あなた、あなた」と格下相手を呼ぶ必死な態度は、読んでてはらわた煮え繰り返るくらい微笑ましかったです。
なんというか世代差や経験によるオタクに対する認識、批評的立場の差によるすれ違いみたいなものが、浮き彫りにされてます。
▼ 2005.03.05
74年生まれの歴史語り
ってことで、どーもスイッチが入ちゃった見たいなんで、この際だから続けます。
すこしだけお付き合いください。
>近年のアニメを語る時に、エヴァを突然変異的に現れた分岐点であるとして、直前の作品群をほぼ丸々無視して話を進める人がかなり居るように感じるのですけど、個人的にはその定義に非常に違和感を覚えます。だって「VとGとWのガンダム」も「マクロス7 (とプラス) 」も、「レイアース」や「ガルキーバ」、
「りりかSOS」も少なくともスタートはエヴァより先なのに、エヴァだけの手柄み
たいな事になっているのはどうなんでしょうか。
掲示板の方に倉井あどきさんが書き込んでくださったものからの引用ですが、これは自分も強く感じるところがあります。
で、ぱっと思い出したのがこれ
VガンDVDBOX 庵野秀明氏のコメント
>あの頃、僕がハマって観ていたのが「セーラームーン」と「Vガン」だけなんです。あれが、アニメにしがみついた最後でしたね、この2作品にハマらなかったら、僕は「新世紀エヴァンゲリオン」を作る前にアニメを辞めてたかもしれない。あるいは「エヴァ」みたいなものを作る気にはならなかったと思う。
要するにエヴァは「セーラームーン」「Vガンダム」という90年代初期を代表する作品の流れを受け、アニメ冬の時代に対する庵野監督の挑戦をスタート地点にしていたということなんですが、エヴァという作品の誕生のきっかけにもかかわわらず、エヴァ登場直前のオタク状況を含めてあまり問題視されてこなかったような気がします。
エヴァ前夜の時期、80年末期から95年までのアニメは、70年代生まれにとっては全部リアルタイムで、個人的な思い入れは強いのですが、80年代の熱量に比べてしまうとアニメ史全体の流れで見たときに空白期だったのではないかと考えていたので、自分もその頃の歴史的意義みたいなものは余り考えてきませんでした。
だから余計に、自分よりも上と下の世代は、ほとんどこの空白期を認識してないんじゃないのか?という気がします。
また、エヴァで出戻りを果たした60年代生まれはZ・ZZあたりを境にアニメ、オタクをを引退していた為に、件の空白期とゲームをしらない。エヴァからオタクに入った80年代生まれは、アニメが斜陽して、ゲーム全盛期を生きてきたために、アニメ体験・知識が乏しい。結果的に、この両者がエヴァを触媒にぶつかったことによるギャップが、お互いの世代に対する知識のなさ無理解をあらわにし、歴史認識の断絶を生んだのではないか、と思ってしまうわけです。
それに対して70年代生まれは、アニメとゲームの過渡期を生きているので、個人によってどちらに軸足を置いているかで、認識の仕方も違うとは思うのですが、どちらも平均的に消費していて両者にある程度の理解があるのではないかと思います。
そもそも、ギャルゲーを最初にはじめたのはゲーマーではなく、当時のアニメファンだったという事実があります。
PCエンジンでCD−ROMのおかげで絵がある程度見栄えするようなキャラがちゃんと音声でしゃべることで、表現がよりアニメに近づき、アニメ作品のゲーム化とともにアニメ絵の美少女キャラを主軸にしたギャルゲーが生まれ、「ときめきメモリアル」(PCエンジン版94年)で一気に地盤が固まり、以降ギャルゲーブームの流れはPCの浸透とともに現在のPC美少女ゲーム全盛期へ向かい、アニメを追い落としていくわけです。
で、エヴァは丁度その転換期に結節点のような役割を果たすことになったのではないかと考えられます。
エヴァは80年代の富野や高橋良輔が作ったテーマ性や世界観を重視するリアルロボットの構造と、90年代に入ってセーラームーンを中心に美少女キャラを主軸としたキャラ萌えの構造、両者の流れを継承したハイブリットな作品だった。
だからこそ全世代に間口を持ち、絶大な人気を得ることが出来た。
(以後の流れは「オタクの歴史認識にリセットがあったと考えてみる」につながると)
こうやって見るとエヴァは確かに90年初期のながれを受けて登場すべき時期に登場した作品だったことがわかるのですが、結果的に後半の劇的な作品の質の変化と最終回を巡る是非の議論で、全て掻き消えて、歴史的位置付けを語られることなく現在にいたってしまったのではないかと思います。
「歴史認識が欠如している」といっても、実際の歴史もある程度時間が経たないとその事件の意味や関連性も見えてこないというのがあって、特にエヴァのインパクトは余りに大きく、そこから4、5年はまさにオタクにとって激動期だったというのもあって、振り返る余裕もなかったので仕方のないことだと思います。
そんなわけで、今、ようやっと歴史として「エヴァ」という事件を含めて、前後の歴史を見直す時期になったんじゃないかという気がします。
▼ 2005.03.04
BSマンガ夜話の「鋼の錬金術師」をみた。
全然知らなかったんですが、原作者の荒川弘が73年生まれで女性というのに驚愕。
女性でしかも自分と同年代だったとはっ。
で、これとは別に夏目房ノ介がNARUTOについて書いたコラム(マンガの発見連載第66回)を読んでたんですが、ハガレンの作者についてしゃべっていたこととかなりかぶっていたので引用。
>1974(昭和49)年生まれの岸本は、ジャンプ全盛期と青年マンガの急速な発展期だった80年代に6〜16歳、小学校から高校にいたる。
彼が保存するマンガ、アニメ、ゲームなどの歴史的データベースは、彼のマンガを評した友人=同世代のマンガ読者も共有していただろう。
岸本とこの友人は、戦後マンガが蓄積した高度なリテラシーの水準を、成熟した娯楽表現市場の送り手と消費者として象徴している。
上の引用にちょっと補足しとくと、73,74年生まれは、80年代にリアルタイムの作品以外に60年代、70年代の特撮、アニメの名作の再放送をたっぷり見て、中高生頃には、ビデオデッキとレンタルが普及して、B級映画をいくらでも見れるという環境があって、かつファミコン(83年発売)から現在までゲーム機の変遷はほぼリアルタイムで経験、まさにオタク漬けな年代なんですよ。
ちなみに社会的事件として、昭和天皇崩御・湾岸戦争・ベルリンの壁崩壊・宮崎勤事件を中高で、大学時代にバブル崩壊・阪神淡路大震災・地下鉄サリン事件を体験。
ハガレン作者がもつオタクデータベースと「書くべきテーマ」のバックボーンは、この辺に由来しているのかもなと、同世代者は思うわけですよ。
「雲のむこう、約束の場所」も新海誠の73年生まれはじめメインスタッフは70年初期世代で固められてんだよなぁ。
文学畑だと、西尾維新や佐藤友哉なんかが80年代生まれの作家として持てはやされて目だっているのに、自分と同年代の作家ってあまり聞かないなぁとかつい最近まで思っていたんですが、ふと気が付いてみたら同年代の作家がこんなにも台頭していて、嫉ましいやら嬉しいやら。
すんません、半分は思いっきり個人史でした。
舞-HiME #22
どっちもこっちもギスギスしてますなぁ
・・・萌えアニメというふれ込みはいったいどこへ?
個人的に前半よりよっぽど面白いと思ってるので問題ないんですが。
MEMO
>来週発売のヤングジャンプに掲載されるエルフェンリートの表紙に、大きな発表が2つあります。
ひとつはアニメに関すること。ひとつは漫画に関すること。
エルフェン原作者岡本倫氏の公式サイトより。
やはりアニメ2期を期待してしまうわけですが。
BSアニメ夜話 第3弾 2005年3月28日〜30日放送
3/28 新世紀エヴァンゲリオン
3/29 映画クレヨンシンちゃんオトナ帝国の逆襲
3/30 新造人間キャシャーン
▼ 2005.03.01
オタクの歴史認識にリセットがあったと考えてみる
おおう、2/23のが捕捉されちゃった。
>『エヴァ』的な精神を描く作品メディアが、エロゲーになったという時点でも、歴史認識のリセットが発生したのではないだろうか。そして、ここが現在深い溝となっているのではないかという仮説を立ててみる。
オタクのメインストリームがアニメからエロゲーに明渡されたことで、アニメを中心にして連続していたオタクの歴史認識が、断絶してしまったということか。なるほど
>歴史に流れや物語が追加されないと「歴史」として認識されないのだ。
史観かぁ
なんかふと思いついちゃったんだけど、旧世代は「オタク」を今までひとつの統一国家のように認識して通史が存在するかのような幻想を持っていただけで、実情は新世代勢力が分離独立して、エロゲという新大陸に新興国家を建設してまって、すでに別の文化・歴史を形成し始めていた、なんてのはどうだろう。
えーと、どなたか「カノッサの屈辱」っぽくまとめてください。